ここでくっついた、という事になるので
ここからは好きなシーンを好きなタイミングで
好きなだけエロで書けるんだぜ!
ちゅーしてます。
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ちゅーしてます。
負け戦なのはいつもの事だ。別段驚くような事でも無い。馬岱が驚いたのは、軽い物とはいえ、夏侯覇が傷を負ったという事だ。しかも今回の戦で討死したようだが、郭淮という敵の将にやられたらしい。つまり、敵が陣に侵入する事を許したのだ。おまけに聞いた話では、一時的にしろ、夏侯覇は無抵抗で殺されそうになったという。
それを聞いた時、馬岱は言いようも無い怖さを感じた。つまり、彼は死のうとしたのだ。結果的に死んだのではない。死を選ぼうとしたのだ。そう考えると、どうにも落ち着かなかった。
戦から戻るなり、馬岱は夏侯覇の部屋に向かった。いつぞのように、夏侯覇は寝台に腰掛けてぼうっとしていた。違うのは、自分が肉まんと、そして心の余裕を持っていないという事だ。
「坊や」
名を呼んで近寄り、そのまま側に腰掛ける。ぼんやりとこちらを見たので、肩に手を置いて問うた。
「敵に襲われた時、抵抗しなかったって本当かい? 逃げも暴れもしなかったって」
「……そうだよ」
「それは……それは戦って死ぬ事ではないよね。死を選んだって事だ。君は自殺をしようとしたんだよ、それは理解しているのかい?」
そう言っても、夏侯覇は返事をしなかった。ただ暗い眼で何処か遠くを見つめている。それが酷く怖かった。何故かは判らなかったが。
やがて夏侯覇は一つ溜息を吐き、立ち上がると、馬岱に背を向けた。
「説教なら間に合ってるから。一人にしておいてよ、今、おっちゃんと話す気分じゃないんだ」
そう言う小さな背中が、妙に怖くて。そう、怖くてたまらなかったのだ。理由は判らないけれど、止めようが無かった。
「――っ、ちょ、お、おっちゃん、何して、止、め――っ」
背中からぎゅうと抱きしめ。抵抗する彼をそのまま壁際まで追い詰め、こちらを向かせた。不安げな瞳が揺れている。「放してよ!」と暴れたので、手を押さえ、それでも抵抗を止めないから、衝動に任せて噛みつくように口付けた。
眼を見開いて硬直した彼の頭を押さえ、更に深く。何やら呻いていたが、気にせず舌を押し込んだ。戸惑い逃げる舌を絡み取って、口づけを続けていると、やがて夏侯覇の身体から力が抜ける。抵抗が止むと、馬岱はおもむろに口を離して、じっと夏侯覇を見つめた。少し頬を染めた彼は、馬岱を見てすぐに目を逸らした。
「いいかい、俺は君が大好きだ。でも恐らく、俺にかかった呪いのせいで、君は俺より先に死ぬだろう。俺は君の事も愛している、だからこそ君のほうが先に居なくなってしまうだろうと思う。それは辛い事だけど、受け入れる覚悟はしているつもりだよ、天命の事は、諦めるしかないから。でもね――」
そっと夏侯覇の頬に触れて、こちらを向かせる。不安げな表情をしていた。けれど馬岱も、敢えて真剣な表情で続ける。
「君は自分でその時を決めようとした。それは天命なんて物じゃあない。人が決めるような事じゃないんだ。生き残るのが信条なのは、俺も君も同じ筈だろう。それなのに、……そんなのは、嫌なんだ。これは俺の我儘でしかないけど、言わせてほしい」
「おっちゃん……」
「俺はね、君が好きだよ、君が思っているよりずっとね。君の事がとても大切だ。だから失いたくない。本当だ。でも失った時に、俺の心がどれ程傷つくか、俺はもう知っているから、だからそれから逃げていたんだ。俺は臆病で卑怯なんだ、君と向き合いもしなかった。でもね、君を失ったかもしれないと思うと、本当に怖くて、怖くてたまらなかったんだよ、坊や……」
「……」
何も言わずにぎゅうと抱きしめた。自分よりは小さな身体が、まだ温かい事がとても幸せに思える。ややすると夏侯覇の腕も、応えるように馬岱に回された。それがたまらなくて、ぎゅうぎゅう強く抱く。
失う事に疲れていたのだ。亡くす事を恐れるあまりに、得ようとしなかったのだ。けれどもう痛みを味わってしまった。少なくても彼に関しては、逃げても心は安まらない。そうして触れていない間に消えてしまう方が、よほど恐ろしい。なら消えないうちに、失わないうちに、精一杯愛したい。そう、思う。
しばらく確かめるように抱きしめて、それから少し身を離した。なんともいえない表情の夏侯覇の髪を撫でてて、「ごめんね」と呟く。
「君が一人になりたいって言うからには、きっとよほどの理由が有って選択したんだろうにね……。少し気が動転してしまったみたいだ。……坊や、俺でよければ、君の痛みを受け止めてあげたい。……でも君がそれを望まないなら、そう言っておくれ、出て行くから……」
夏侯覇はしばらく考えて、それからのろのろと、馬岱の身体に触れて、少し俯いたまま、口を開く。
「死んだの、郭淮っていって。昔から知ってて。本当に子供の頃から知ってんの。優しい人でさ、父さんの事、大好きな人でさ。だから俺の事も大事にしてくれたよ、父さんの息子だったから。……でも俺、ちっとも父さんになれなかった。頑張ったけど、……だめで、さ」
「……うん」
「……郭淮はさ、俺を父さんにしたかったんだ。でも俺はどうしても、父さんになれなくてさ。すごく優しい、いい人だったよ、でも、どうやっても応えられなかった。何一つ、俺、あの人を喜ばせてあげられなかった。だから――……だから、あの人が俺の死を望むなら、それなら、簡単に応えられるって、思った、のに、さ――……」
あの人が、あの人がそうまで俺を憎むなら、あんなに優しかったのに、そうまで俺の死を望むなら、それが一番良いって、なのに、なのに、あんな終わり方、俺、俺あの人の死なんて望んでなかった、あんなはずじゃなかった、何にも応えられない俺が死ぬはずだったのに、それが望まれてたのに。
そう言う夏侯覇を、馬岱は悲しげに撫でた。
「……坊や、それは違うよ。悲しい事を言ってしまうけど……その人は君を殺そうと思えば殺せたはずだ。本当に憎いのなら、相手だって将なんだ、無抵抗の君を生かしておくはずがないよ。つまり彼は君を死なせたくはなかったんだ。愛していたんだよ、きっと。だから君を殺せなかった。今更判るのも、酷な話だろうけど……でもきっとね、それをお互いに認められなかっただけ、なんだよ……」
そう言って頬を撫でる。ややすると、はらはらと涙が零れ始めた。それを拭ってやり、そして抱きしめる。そうすると子供のように声を上げて泣き始めたので、馬岱は親がそうするように、ずっと強く抱きしめて、撫で続けた。
きっと愛されていたし、愛していたのだろう。互いにそれを知らなかっただけだ。ずっとずっとそれを耐えてきたのだ。誰にも言えないまま、誰とも確認が出来ないまま。とても悲しい気持ちになると共に、改めて思う。ならば、そんな悲しい間違いで、この子に辛い思いをさせてはいけない、と。
確かに愛しているのだ。なら、素直にこの子を愛せばいい。そっと額に口づけを落とすと、僅かに夏侯覇が微笑む。そうして彼が笑ってくれる事が、本当に嬉しいと思う。だからいつまでも、彼が元気を取り戻すまで、馬岱はずっと抱きしめ、撫で、愛し続けた。
今はそれだけで良いし、それだけしか、出来なかった。
+++
郭淮さんとはほんと色々有ったんだろうなと思います。
苦労してるのに明るい二人なので、一時でも良いから幸せで居てほしい。
それを聞いた時、馬岱は言いようも無い怖さを感じた。つまり、彼は死のうとしたのだ。結果的に死んだのではない。死を選ぼうとしたのだ。そう考えると、どうにも落ち着かなかった。
戦から戻るなり、馬岱は夏侯覇の部屋に向かった。いつぞのように、夏侯覇は寝台に腰掛けてぼうっとしていた。違うのは、自分が肉まんと、そして心の余裕を持っていないという事だ。
「坊や」
名を呼んで近寄り、そのまま側に腰掛ける。ぼんやりとこちらを見たので、肩に手を置いて問うた。
「敵に襲われた時、抵抗しなかったって本当かい? 逃げも暴れもしなかったって」
「……そうだよ」
「それは……それは戦って死ぬ事ではないよね。死を選んだって事だ。君は自殺をしようとしたんだよ、それは理解しているのかい?」
そう言っても、夏侯覇は返事をしなかった。ただ暗い眼で何処か遠くを見つめている。それが酷く怖かった。何故かは判らなかったが。
やがて夏侯覇は一つ溜息を吐き、立ち上がると、馬岱に背を向けた。
「説教なら間に合ってるから。一人にしておいてよ、今、おっちゃんと話す気分じゃないんだ」
そう言う小さな背中が、妙に怖くて。そう、怖くてたまらなかったのだ。理由は判らないけれど、止めようが無かった。
「――っ、ちょ、お、おっちゃん、何して、止、め――っ」
背中からぎゅうと抱きしめ。抵抗する彼をそのまま壁際まで追い詰め、こちらを向かせた。不安げな瞳が揺れている。「放してよ!」と暴れたので、手を押さえ、それでも抵抗を止めないから、衝動に任せて噛みつくように口付けた。
眼を見開いて硬直した彼の頭を押さえ、更に深く。何やら呻いていたが、気にせず舌を押し込んだ。戸惑い逃げる舌を絡み取って、口づけを続けていると、やがて夏侯覇の身体から力が抜ける。抵抗が止むと、馬岱はおもむろに口を離して、じっと夏侯覇を見つめた。少し頬を染めた彼は、馬岱を見てすぐに目を逸らした。
「いいかい、俺は君が大好きだ。でも恐らく、俺にかかった呪いのせいで、君は俺より先に死ぬだろう。俺は君の事も愛している、だからこそ君のほうが先に居なくなってしまうだろうと思う。それは辛い事だけど、受け入れる覚悟はしているつもりだよ、天命の事は、諦めるしかないから。でもね――」
そっと夏侯覇の頬に触れて、こちらを向かせる。不安げな表情をしていた。けれど馬岱も、敢えて真剣な表情で続ける。
「君は自分でその時を決めようとした。それは天命なんて物じゃあない。人が決めるような事じゃないんだ。生き残るのが信条なのは、俺も君も同じ筈だろう。それなのに、……そんなのは、嫌なんだ。これは俺の我儘でしかないけど、言わせてほしい」
「おっちゃん……」
「俺はね、君が好きだよ、君が思っているよりずっとね。君の事がとても大切だ。だから失いたくない。本当だ。でも失った時に、俺の心がどれ程傷つくか、俺はもう知っているから、だからそれから逃げていたんだ。俺は臆病で卑怯なんだ、君と向き合いもしなかった。でもね、君を失ったかもしれないと思うと、本当に怖くて、怖くてたまらなかったんだよ、坊や……」
「……」
何も言わずにぎゅうと抱きしめた。自分よりは小さな身体が、まだ温かい事がとても幸せに思える。ややすると夏侯覇の腕も、応えるように馬岱に回された。それがたまらなくて、ぎゅうぎゅう強く抱く。
失う事に疲れていたのだ。亡くす事を恐れるあまりに、得ようとしなかったのだ。けれどもう痛みを味わってしまった。少なくても彼に関しては、逃げても心は安まらない。そうして触れていない間に消えてしまう方が、よほど恐ろしい。なら消えないうちに、失わないうちに、精一杯愛したい。そう、思う。
しばらく確かめるように抱きしめて、それから少し身を離した。なんともいえない表情の夏侯覇の髪を撫でてて、「ごめんね」と呟く。
「君が一人になりたいって言うからには、きっとよほどの理由が有って選択したんだろうにね……。少し気が動転してしまったみたいだ。……坊や、俺でよければ、君の痛みを受け止めてあげたい。……でも君がそれを望まないなら、そう言っておくれ、出て行くから……」
夏侯覇はしばらく考えて、それからのろのろと、馬岱の身体に触れて、少し俯いたまま、口を開く。
「死んだの、郭淮っていって。昔から知ってて。本当に子供の頃から知ってんの。優しい人でさ、父さんの事、大好きな人でさ。だから俺の事も大事にしてくれたよ、父さんの息子だったから。……でも俺、ちっとも父さんになれなかった。頑張ったけど、……だめで、さ」
「……うん」
「……郭淮はさ、俺を父さんにしたかったんだ。でも俺はどうしても、父さんになれなくてさ。すごく優しい、いい人だったよ、でも、どうやっても応えられなかった。何一つ、俺、あの人を喜ばせてあげられなかった。だから――……だから、あの人が俺の死を望むなら、それなら、簡単に応えられるって、思った、のに、さ――……」
あの人が、あの人がそうまで俺を憎むなら、あんなに優しかったのに、そうまで俺の死を望むなら、それが一番良いって、なのに、なのに、あんな終わり方、俺、俺あの人の死なんて望んでなかった、あんなはずじゃなかった、何にも応えられない俺が死ぬはずだったのに、それが望まれてたのに。
そう言う夏侯覇を、馬岱は悲しげに撫でた。
「……坊や、それは違うよ。悲しい事を言ってしまうけど……その人は君を殺そうと思えば殺せたはずだ。本当に憎いのなら、相手だって将なんだ、無抵抗の君を生かしておくはずがないよ。つまり彼は君を死なせたくはなかったんだ。愛していたんだよ、きっと。だから君を殺せなかった。今更判るのも、酷な話だろうけど……でもきっとね、それをお互いに認められなかっただけ、なんだよ……」
そう言って頬を撫でる。ややすると、はらはらと涙が零れ始めた。それを拭ってやり、そして抱きしめる。そうすると子供のように声を上げて泣き始めたので、馬岱は親がそうするように、ずっと強く抱きしめて、撫で続けた。
きっと愛されていたし、愛していたのだろう。互いにそれを知らなかっただけだ。ずっとずっとそれを耐えてきたのだ。誰にも言えないまま、誰とも確認が出来ないまま。とても悲しい気持ちになると共に、改めて思う。ならば、そんな悲しい間違いで、この子に辛い思いをさせてはいけない、と。
確かに愛しているのだ。なら、素直にこの子を愛せばいい。そっと額に口づけを落とすと、僅かに夏侯覇が微笑む。そうして彼が笑ってくれる事が、本当に嬉しいと思う。だからいつまでも、彼が元気を取り戻すまで、馬岱はずっと抱きしめ、撫で、愛し続けた。
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