その11、一応ラスト!
ラストだったんだけど加筆が必要なのでまた書けたら。
ラストだったんだけど加筆が必要なのでまた書けたら。
田舎の朝は早い。梅雨はすっかり終わって、外は朝から暑いぐらいだ。今日も六時には長谷川のお爺ちゃんが来ている。外で待っていては熱中症になるんじゃないかと思うが、田舎のご老人達は元気だ。尤も、それでもちゃんと倒れたりもするのだから、水分摂取に気を付けるようにはアドバイスしている。
「おはようございますじゃ、た、た……タラボ・ウド先生」
「お爺ちゃん、もはや原型が無いですよ! 私は橘翼ですってば!」
長谷川のお爺ちゃんとなんだかんだ話していると、七時になって、楓君がやって来る。尤も、見た目は女の子なんだが。
「おお、べっぴんさん、おはよう、何て名前じゃったかな……も、も……もなか……」
「お、おはようございます、長谷川のお爺ちゃん、あと、紅葉です……」
黒髪のショートヘア。少し大人しいが、とても可愛い看護師見習いだ。皆には、親戚だと言ってある。大人しくて、ちょっと挙動不審で、少しドジで、でも一生懸命頑張って働いている彼女は、皆に愛されている。俺も見ていて微笑ましい。たまに失敗して本気で落ち込んでいたりもするが、それでも立ち直って頑張っている。
俺は俺で、まだあんまり自信が持てているわけじゃないけど、楓君がこうして頑張るきっかけを作れたのなら、それは俺の価値なんだろうなとも思う。楓君は変わろうと頑張っているけれど、それは俺も同じだ。きっと彼と一緒に頑張っていれば、何かが変わっていくかもしれない。自分の気持ちだけでもいい、少なくとも、村長選びの一件以来、自分では少し変化が有ったような気がしている。
由良君には最近は便利になったもので、ボイスチャットでああでもないこうでもないとゲームの仕方を教えてもらったり。タヌキの時は嫌な奴だった永尾さんは、普段はやっぱり明るくて、いい人で、いつも変な草を食べていて、たまに担ぎ込まれて来て。楓君は時々笑うようになった。
変わっていないような日常も、少しづつ、ちょっとづつ、変化している。だからきっと、俺自身も、知らない間に少しづつ、変わっていくのだろう。
「先生」
おずおずと名前を呼ぶ、この子と一緒に。
何をするにもまだ不安げな楓君に、俺は微笑んだ。
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浦崎谺叉琉と美流=イワフジがてんやわんや。
二人とも変態。永遠の中二病。
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