病院に行ってきました。薬の強さがワンランク上がりました。
三日後ぐらいに落ち込みます。
元気なんですけどね。
以下、さすこたとかひさこたとか。
三日後ぐらいに落ち込みます。
元気なんですけどね。
以下、さすこたとかひさこたとか。
「こたちゃん、……ねぇ、いい?」
主語も述語も無い言葉に、小太郎はただ一度こくんと頷いた。それだけでその後の数時間が決まるのだから、言葉とは結局大した意味を持っていないのかもしれない、と小太郎は時々思う。
佐助は悪い人間を自称していたが、小太郎は佐助をそれほど悪い人間だと思わない。確かに彼は良い人間ではなかったが、この世に良いだけの人間が居たとしたらそれは死人だと小太郎は思っている。だから佐助は悪いだけの人間でもない。生きているのだから、と。
佐助にはかすがという幼馴染が居て、その存在を小太郎も名前だけでは頻繁に聞いている。まぁ大抵、佐助が小太郎に酔っ払って絡み、「なんでかすがは俺の気持ちに応えてくれないんだ」と愚痴って泣いて、挙句の果てに「ねぇ、いい?」と尋ねて来るわけだ。
なにが「いい」のか、小太郎は良く知っていたから、拒まない。拒むような理由も無い。
佐助は悪い人を自称しながらいい人を演じている。だから彼の中では色々と燻っているらしく、その負の感情は酒を飲んだ時に明らかになる。佐助自身も翌朝、少しぐらいは覚えているらしく、ぼろぼろの小太郎をぎゅうぎゅう抱きしめて、ごめんごめんねこたちゃんそんなつもりはなかったんだ、と皆と同じ事を叫びながら泣く。それすらも小太郎は慣れていたので、ただ佐助の頭を撫でて、気にしてない、と繰り返すのだ。
縛られたり殴られたり、そんなのはお決まりの展開で、時々流石に拒みたくなるような卑劣な事をされたりもするが、小太郎は受け入れる。そうされるという事は、そうされるだけの事を自分がした、という事なのだ。昔そうやって自分を抱いた大柄な中年に言わせれば、「お前が抱いて欲しいというから抱いているんだよ」だそうで、つまり自分は知らない間に誘ってしまっているのだから、どんな目にあっても自業自得なのだと考えていた。
それに、そうする事で相手が満たされるというなら、殴られてもいいし何をされてもいいと思っていた。そうやって自分が知らないうちに相手から何かを奪ったり、傷つけたりしたのなら、それが今度は自分に降りかかるのは当たり前だ、と。
そういう考え方を佐助は酷く嫌うけれど、そういう彼もやる事は他の多くの人間と変わらない。普段温厚に、こたちゃんとちゃん付けで名を呼んで、優しくしてくれて、世話を焼いてくれて、撫でてくれて、そしてある時を境に人が変わったように乱暴になって、やりたいようにして、そして朝になると決まって泣きながら謝罪するのだ。だから小太郎は変わろうとは思わなかったし、その必要性も感じなかった。
松永さんも、そのうち俺を抱くんだろうか。
小太郎は久秀に接待されながら考える。七月も終わろうという頃で、蒸し暑さはより殺人的なものになりつつある。久秀は家の窓という窓を開け放っていて、洒落た風鈴が三つ並んで揺れて、ちりちりと唄っている。あれもなんとか三人衆のお土産なのかな、と小太郎は考えながら、ただただ正座している。
良く見ると久秀の家には三つ似たような物が揃って置いてある事が多かった。風鈴もそうだし、座布団もそうだ(小太郎用と思われる一枚だけ違うデザインになっていて、小太郎は時折気恥ずかしくなる)
テレビも三つ並べておいてあるし、DVDプレイヤーまで3つもあるのだ。以前、何故3つ有るのか尋ねたが、久秀は、
「いやあの連中は本当に仲が良いというか、別に相談したわけでもなかろうに、大体同じ時期に大体同じ物を私にくれるのだよ。皆その度に申し訳無さそうにするものだから、私も要らないとも言えず、こんな有様だ。まぁ便利は便利だよ、チャンネルを替える必要が無いからね。尤も、私はあまりテレビを見ないのだが」
そう答えた。確かにテレビは3つとも違うメーカーだったが、それを仕方無くでも受け取る久秀はきっと悪い人ではないな、と小太郎は思う。普通、テレビが3つは久秀でなくても困る。それを突っ返さないのだから、随分と優しい人だと小太郎などは感じた。
確かに松永さんはゴールデンタイムにバラエティを見ながら笑っていそうではないな、と小太郎は考えつつ、暇つぶしにテレビの側のDVDの棚を見る。こちらはうまい事いったらしく、自然ドキュメンタリー系のDVDが違うシリーズで3つ置いてあった。ただどれも海洋の神秘の特集で、やはり久秀の困った顔が目に浮かんだ。
久秀と三人衆の関係はそれなりに深いらしい。聞いた話をまとめて推測すると、どうやら三人衆をちゃんとした社会人にしたのが久秀らしい。なんらかの理由でそれまで埋もれていた三人衆を、久秀が拾い上げ、立派な地位を与えた。三人衆はきちんと成功してみせ、久秀も彼らを評価しているし、三人衆は久秀にこれ以上無いほど感謝し、尊敬もしているらしい。
引退した久秀に今でもちょくちょく助言を求めてくるのだそうだが、その内容も時期も答えも礼も何もかもそっくりで、久秀はもういっそ三人一緒に来なさいと要求したほどだった。そんなわけで久秀は彼らを三人衆と一括りにして呼んでいる。
嫌われているなんて言っているけど、好かれてもいるんじゃないか、と小太郎などは思うが、そう伝えても久秀は首を傾げるばかりで、自覚しない。だから「俺は貴方が好きですよ」と伝えれば、久秀は驚いたような顔をして、笑む。
「それはありがたい、卿に好いてもらえるなら他の何に嫌われても別段気に病む事は無いな」
と本気とも冗談ともつかない事を言って、はぐらかす。その反応が小太郎には新鮮に感じられた。
小太郎が好きだと言った相手は必ず「自分はそんな人間じゃない」とか「自分なんかは好かれるような人間じゃない」と否定したものだ。佐助もそうだ。彼も「こたちゃんが思っているほどいい人じゃないんだよ」と否定した。
けれど、久秀は何事も否定しない。肯定もしないけれど。
(そういえば、……手話を勉強してくれたのは、松永さんだけかもしれない)
佐助でさえ元々習得している手話に加えて、小太郎が使う単語をその場で覚えていったに過ぎない。それに比べて久秀は、小太郎に知り合ってから自力で勉強したらしい。その習得スピードに小太郎は驚いたほどだったので、よほど真面目に取り組んだとみえた。
松永さんは、特別な人だ。
小太郎はそう感じていたが、その「特別な人」というのを他にどう表現するべきか、また特別であるという事をどう伝えるべきか、ましてその特別な人とどうあるべきかを知らなかったので、何も言えないし何も出来なかった。
ただ休みの日にはなるべく、久秀の所に顔を出して、漬物や煮物等を土産に一緒に茶を飲んだ。
「目を悪くしないかね?」
いつも通り菓子をつつきながら、茶を飲んでいた時、久秀が脈絡も無く言った物だから、小太郎は何を言われたのかしばらく理解出来なかった。
「鬱陶しくはないか」
久秀が自分の顔を見ながら言っているのを見て、前髪の事を言っているのだと気付く。もう慣れました、と返せば「慣れたのかね」と他に意味を持っていそうな妙な言い方をされた。それが小太郎は少し怖い。
「卿の顔を見てみたいものだな」
その言葉に小太郎は僅かに落胆する。それは今まで知り合ってきた誰もが言う事だった。顔が見てみたい、声が聞いてみたい。そう言い出すと、彼らは間も無く小太郎に手を出した。無理矢理前髪を押し上げられ、ぎゅっと目を瞑れば叩かれた。声を出してみろと強要された。出ない物を出せと言われても、何も出来ない。小太郎はただ耐えるしかなかった。
だから久秀もそう言い出した事が、小太郎には少し悲しかった。結局、この人も他の人達と一緒なのかもしれない、と。
だから、「みっともないですから、見ても面白くないですよ」と伝える。そうすると皆、益々興味を持ってきたものだが、久秀の反応は少しだけ違った。
「面白い、とはどういう意味かね」
そんな風に尋ねられて、小太郎は困ってしまった。「面白い」という言葉の意味を聞かれるとは思ってもみなかったのだ。困惑する小太郎を他所に、久秀は呟く。
「そういう言い方をする人間は、大抵、見られたくない物を隠しているというよりはむしろ、見られた後の評価がどうなるか判らない事を恐れて隠しているものだがね」
「……」
「まあ私は別に構わないのだがね、卿は卿だ。どんな顔をしていようとね。また見てみたいと私は率直に言ってしまうだろうが、その事について卿はどう返答しても構わないよ、私は焦るつもりはないのだから」
そういう久秀に、小太郎はなんとなく情けない気持ちになる。それから静かに、言葉を紡ぐ。
「……ん? ……………………私になら、…………見せてもいい、と?」
解読したらしい久秀に、こくんと頷いてみせても、久秀は笑むだけで、手を伸ばしては来なかった。
「そうかね。それはありがたい。……だが、今手を出すのはフェアではないね。いつか、私がまた言い出した時に、……それまでに、卿が本当にどうしたいのか決めておくといい」
不思議だな、私は欲しい物は手に入れなければ気がすまないような人間なのだが、……卿の事は焦らないのだよ、こんなに欲しいのだが、妙に穏やかな気持ちになる。卿とこうして当ても無く喋って茶を飲むのが、どうしてこんなにも楽しいのだろうね。
久秀はそう静かに呟く。小太郎は返事も出来ず、ただ久秀の顔を見ていた。
松永さんは、特別だ。
小太郎は改めてそう思ったが、それを伝える事はついに出来なかった。
+++++++
現パラ松永氏はとことんずれた人だといいなあ。
車は4WDの軽トラとかでもいいと思う。いやだめだ。せめて乗用車。
むしろピッカピカにしてるのは小十郎っぽい。
以前浦崎さんに「お前は格好悪い松永が好きなのか」と聞かれましたが
格好悪いんじゃなくて、完璧じゃない松永氏がいいというか。
何食わぬ顔でシャツを裏返しに着ていて、
そのことに松永氏自身も気付いているけど別に気にしないとか、
そんな感じがいいんです。
バナナの皮にすっ転んでも何食わぬ顔で起き上がって
恥ずかしがるでもなく無言で立ち去る、そんな感じがいいんです。
あくまで現パラの話。
主語も述語も無い言葉に、小太郎はただ一度こくんと頷いた。それだけでその後の数時間が決まるのだから、言葉とは結局大した意味を持っていないのかもしれない、と小太郎は時々思う。
佐助は悪い人間を自称していたが、小太郎は佐助をそれほど悪い人間だと思わない。確かに彼は良い人間ではなかったが、この世に良いだけの人間が居たとしたらそれは死人だと小太郎は思っている。だから佐助は悪いだけの人間でもない。生きているのだから、と。
佐助にはかすがという幼馴染が居て、その存在を小太郎も名前だけでは頻繁に聞いている。まぁ大抵、佐助が小太郎に酔っ払って絡み、「なんでかすがは俺の気持ちに応えてくれないんだ」と愚痴って泣いて、挙句の果てに「ねぇ、いい?」と尋ねて来るわけだ。
なにが「いい」のか、小太郎は良く知っていたから、拒まない。拒むような理由も無い。
佐助は悪い人を自称しながらいい人を演じている。だから彼の中では色々と燻っているらしく、その負の感情は酒を飲んだ時に明らかになる。佐助自身も翌朝、少しぐらいは覚えているらしく、ぼろぼろの小太郎をぎゅうぎゅう抱きしめて、ごめんごめんねこたちゃんそんなつもりはなかったんだ、と皆と同じ事を叫びながら泣く。それすらも小太郎は慣れていたので、ただ佐助の頭を撫でて、気にしてない、と繰り返すのだ。
縛られたり殴られたり、そんなのはお決まりの展開で、時々流石に拒みたくなるような卑劣な事をされたりもするが、小太郎は受け入れる。そうされるという事は、そうされるだけの事を自分がした、という事なのだ。昔そうやって自分を抱いた大柄な中年に言わせれば、「お前が抱いて欲しいというから抱いているんだよ」だそうで、つまり自分は知らない間に誘ってしまっているのだから、どんな目にあっても自業自得なのだと考えていた。
それに、そうする事で相手が満たされるというなら、殴られてもいいし何をされてもいいと思っていた。そうやって自分が知らないうちに相手から何かを奪ったり、傷つけたりしたのなら、それが今度は自分に降りかかるのは当たり前だ、と。
そういう考え方を佐助は酷く嫌うけれど、そういう彼もやる事は他の多くの人間と変わらない。普段温厚に、こたちゃんとちゃん付けで名を呼んで、優しくしてくれて、世話を焼いてくれて、撫でてくれて、そしてある時を境に人が変わったように乱暴になって、やりたいようにして、そして朝になると決まって泣きながら謝罪するのだ。だから小太郎は変わろうとは思わなかったし、その必要性も感じなかった。
松永さんも、そのうち俺を抱くんだろうか。
小太郎は久秀に接待されながら考える。七月も終わろうという頃で、蒸し暑さはより殺人的なものになりつつある。久秀は家の窓という窓を開け放っていて、洒落た風鈴が三つ並んで揺れて、ちりちりと唄っている。あれもなんとか三人衆のお土産なのかな、と小太郎は考えながら、ただただ正座している。
良く見ると久秀の家には三つ似たような物が揃って置いてある事が多かった。風鈴もそうだし、座布団もそうだ(小太郎用と思われる一枚だけ違うデザインになっていて、小太郎は時折気恥ずかしくなる)
テレビも三つ並べておいてあるし、DVDプレイヤーまで3つもあるのだ。以前、何故3つ有るのか尋ねたが、久秀は、
「いやあの連中は本当に仲が良いというか、別に相談したわけでもなかろうに、大体同じ時期に大体同じ物を私にくれるのだよ。皆その度に申し訳無さそうにするものだから、私も要らないとも言えず、こんな有様だ。まぁ便利は便利だよ、チャンネルを替える必要が無いからね。尤も、私はあまりテレビを見ないのだが」
そう答えた。確かにテレビは3つとも違うメーカーだったが、それを仕方無くでも受け取る久秀はきっと悪い人ではないな、と小太郎は思う。普通、テレビが3つは久秀でなくても困る。それを突っ返さないのだから、随分と優しい人だと小太郎などは感じた。
確かに松永さんはゴールデンタイムにバラエティを見ながら笑っていそうではないな、と小太郎は考えつつ、暇つぶしにテレビの側のDVDの棚を見る。こちらはうまい事いったらしく、自然ドキュメンタリー系のDVDが違うシリーズで3つ置いてあった。ただどれも海洋の神秘の特集で、やはり久秀の困った顔が目に浮かんだ。
久秀と三人衆の関係はそれなりに深いらしい。聞いた話をまとめて推測すると、どうやら三人衆をちゃんとした社会人にしたのが久秀らしい。なんらかの理由でそれまで埋もれていた三人衆を、久秀が拾い上げ、立派な地位を与えた。三人衆はきちんと成功してみせ、久秀も彼らを評価しているし、三人衆は久秀にこれ以上無いほど感謝し、尊敬もしているらしい。
引退した久秀に今でもちょくちょく助言を求めてくるのだそうだが、その内容も時期も答えも礼も何もかもそっくりで、久秀はもういっそ三人一緒に来なさいと要求したほどだった。そんなわけで久秀は彼らを三人衆と一括りにして呼んでいる。
嫌われているなんて言っているけど、好かれてもいるんじゃないか、と小太郎などは思うが、そう伝えても久秀は首を傾げるばかりで、自覚しない。だから「俺は貴方が好きですよ」と伝えれば、久秀は驚いたような顔をして、笑む。
「それはありがたい、卿に好いてもらえるなら他の何に嫌われても別段気に病む事は無いな」
と本気とも冗談ともつかない事を言って、はぐらかす。その反応が小太郎には新鮮に感じられた。
小太郎が好きだと言った相手は必ず「自分はそんな人間じゃない」とか「自分なんかは好かれるような人間じゃない」と否定したものだ。佐助もそうだ。彼も「こたちゃんが思っているほどいい人じゃないんだよ」と否定した。
けれど、久秀は何事も否定しない。肯定もしないけれど。
(そういえば、……手話を勉強してくれたのは、松永さんだけかもしれない)
佐助でさえ元々習得している手話に加えて、小太郎が使う単語をその場で覚えていったに過ぎない。それに比べて久秀は、小太郎に知り合ってから自力で勉強したらしい。その習得スピードに小太郎は驚いたほどだったので、よほど真面目に取り組んだとみえた。
松永さんは、特別な人だ。
小太郎はそう感じていたが、その「特別な人」というのを他にどう表現するべきか、また特別であるという事をどう伝えるべきか、ましてその特別な人とどうあるべきかを知らなかったので、何も言えないし何も出来なかった。
ただ休みの日にはなるべく、久秀の所に顔を出して、漬物や煮物等を土産に一緒に茶を飲んだ。
「目を悪くしないかね?」
いつも通り菓子をつつきながら、茶を飲んでいた時、久秀が脈絡も無く言った物だから、小太郎は何を言われたのかしばらく理解出来なかった。
「鬱陶しくはないか」
久秀が自分の顔を見ながら言っているのを見て、前髪の事を言っているのだと気付く。もう慣れました、と返せば「慣れたのかね」と他に意味を持っていそうな妙な言い方をされた。それが小太郎は少し怖い。
「卿の顔を見てみたいものだな」
その言葉に小太郎は僅かに落胆する。それは今まで知り合ってきた誰もが言う事だった。顔が見てみたい、声が聞いてみたい。そう言い出すと、彼らは間も無く小太郎に手を出した。無理矢理前髪を押し上げられ、ぎゅっと目を瞑れば叩かれた。声を出してみろと強要された。出ない物を出せと言われても、何も出来ない。小太郎はただ耐えるしかなかった。
だから久秀もそう言い出した事が、小太郎には少し悲しかった。結局、この人も他の人達と一緒なのかもしれない、と。
だから、「みっともないですから、見ても面白くないですよ」と伝える。そうすると皆、益々興味を持ってきたものだが、久秀の反応は少しだけ違った。
「面白い、とはどういう意味かね」
そんな風に尋ねられて、小太郎は困ってしまった。「面白い」という言葉の意味を聞かれるとは思ってもみなかったのだ。困惑する小太郎を他所に、久秀は呟く。
「そういう言い方をする人間は、大抵、見られたくない物を隠しているというよりはむしろ、見られた後の評価がどうなるか判らない事を恐れて隠しているものだがね」
「……」
「まあ私は別に構わないのだがね、卿は卿だ。どんな顔をしていようとね。また見てみたいと私は率直に言ってしまうだろうが、その事について卿はどう返答しても構わないよ、私は焦るつもりはないのだから」
そういう久秀に、小太郎はなんとなく情けない気持ちになる。それから静かに、言葉を紡ぐ。
「……ん? ……………………私になら、…………見せてもいい、と?」
解読したらしい久秀に、こくんと頷いてみせても、久秀は笑むだけで、手を伸ばしては来なかった。
「そうかね。それはありがたい。……だが、今手を出すのはフェアではないね。いつか、私がまた言い出した時に、……それまでに、卿が本当にどうしたいのか決めておくといい」
不思議だな、私は欲しい物は手に入れなければ気がすまないような人間なのだが、……卿の事は焦らないのだよ、こんなに欲しいのだが、妙に穏やかな気持ちになる。卿とこうして当ても無く喋って茶を飲むのが、どうしてこんなにも楽しいのだろうね。
久秀はそう静かに呟く。小太郎は返事も出来ず、ただ久秀の顔を見ていた。
松永さんは、特別だ。
小太郎は改めてそう思ったが、それを伝える事はついに出来なかった。
+++++++
現パラ松永氏はとことんずれた人だといいなあ。
車は4WDの軽トラとかでもいいと思う。いやだめだ。せめて乗用車。
むしろピッカピカにしてるのは小十郎っぽい。
以前浦崎さんに「お前は格好悪い松永が好きなのか」と聞かれましたが
格好悪いんじゃなくて、完璧じゃない松永氏がいいというか。
何食わぬ顔でシャツを裏返しに着ていて、
そのことに松永氏自身も気付いているけど別に気にしないとか、
そんな感じがいいんです。
バナナの皮にすっ転んでも何食わぬ顔で起き上がって
恥ずかしがるでもなく無言で立ち去る、そんな感じがいいんです。
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