最後は短いです。
もうちょっと書こうかなと思ったけど元気が出たらにします。
もうちょっと書こうかなと思ったけど元気が出たらにします。
小太郎君へ
そういえば卿の名字を知らないな。私だ。卿に私の事をなんと名乗って良いのか判らない。普段なら長々と挨拶文を書くところなのだが、さて卿になんと挨拶していいかも判らない。
私は酷く気まぐれなものだからこの手紙も、手紙と言うよりは覚書のような物になって話題が右往左往するだろうが気にしないでくれ、私はそういう人間なのだよ、すまないね。
さて冬もますます厳しくなってきた今日この頃……ああしまった挨拶文だな、これは。白々しい。ああ手紙に何を書いているのだろうな私は。まったく落ち着きのない文章だ。
そうだな、本題に入ろう。
私は卿の事が好きなのだが、この好きが今までのどの分野にも一致しない事に大層おどろいているのだよ。漢字がわからない、いや、年は取りたくないな。かといって連中に辞書を頼んだらどうせ同じ物を3つ、ああ話がそれたな。
似たような感覚を覚えた事はあるのだが、それは不思議とババアと外道でね。ああこういうと誰かわからないな、つまり母と父だ。
実は私は両親の名を知らないのだよ。いや知っているはずなのだが、記憶していないというかね。もう43年も知らないのだから知らないほうがしっくりくるはずなのに、何故だか最近気になってね。
外道は私そっくりの外道でね、ババアをよく泣かせたものだが、あれでいて連中は愛し合っていたらしい、最後は要介護になったババアを外道が愛情こめて介護したそうだよ、ババアは先に死んでしまって、それから外道は毎晩泣いて暮らしたそうだ、私は勘当されていたから後になって知ったのだがね。
外道は毎夜私とババアの名前を呼びながら暮らして、間も無くババアの後を追うように死んだそうだ。喪主は外道の兄弟だったのだがね、いやまったく似ていない兄弟だった。だから私は外道の墓にも葬式にも行っていないから、外道とババアの名前を今でも知らないというわけだ。だが知りたい、しかし知りたくない。
考えてもみたまえ、もしこれほど気にしている連中の名前が「久子」と「秀雄」だったりしたら私はどう反応すればいいんだ。情け無い事この上ない。だから私は行かない、知らない、思い出さない。そうだろう。その方が面白いじゃないか。世の中には知らないほうがいい事は沢山ある。無論、知ったほうがいい事も沢山あるのだがね。
だが私は、……そうだな、もしかしたら私はあの滑稽な家庭を、それでいながら愛していたのかもしれないな。今でも時折夢に見るのだよ、あの頃の事を。決していい思い出ではないのに、不思議なものだ。
本題に戻ろう。私は卿の事が好きだが、卿にどう接していいか判らない。今までは好きでもないのに腰を抱えてベッドに連れ込んでしまえば良かったのだが、いやすまない、若かったのだという事にしてくれ。
私は男でも女でもいける性分だが、卿にどうしたらいいか判らないのだよ。ただ私には卿といる時間が心地良い。だから卿とこれからも茶を飲んでぼうっと時間を過ごせればいいと願うばかりだ。こんな事を考えているから年を取るんだろうか。
卿とこれからどうするかはその間に見つけるとして、まずはお互いの理解を深めるべきかと思ってこの手紙を書いている。もし良かったら卿からも返事をくれ。率直に言えば卿の事が知りたい。
それでは失礼するよ、小太郎君。迷惑をかけてすまなかった、これからもよろしく頼む。
松永久秀
そういえば卿の名字を知らないな。私だ。卿に私の事をなんと名乗って良いのか判らない。普段なら長々と挨拶文を書くところなのだが、さて卿になんと挨拶していいかも判らない。
私は酷く気まぐれなものだからこの手紙も、手紙と言うよりは覚書のような物になって話題が右往左往するだろうが気にしないでくれ、私はそういう人間なのだよ、すまないね。
さて冬もますます厳しくなってきた今日この頃……ああしまった挨拶文だな、これは。白々しい。ああ手紙に何を書いているのだろうな私は。まったく落ち着きのない文章だ。
そうだな、本題に入ろう。
私は卿の事が好きなのだが、この好きが今までのどの分野にも一致しない事に大層おどろいているのだよ。漢字がわからない、いや、年は取りたくないな。かといって連中に辞書を頼んだらどうせ同じ物を3つ、ああ話がそれたな。
似たような感覚を覚えた事はあるのだが、それは不思議とババアと外道でね。ああこういうと誰かわからないな、つまり母と父だ。
実は私は両親の名を知らないのだよ。いや知っているはずなのだが、記憶していないというかね。もう43年も知らないのだから知らないほうがしっくりくるはずなのに、何故だか最近気になってね。
外道は私そっくりの外道でね、ババアをよく泣かせたものだが、あれでいて連中は愛し合っていたらしい、最後は要介護になったババアを外道が愛情こめて介護したそうだよ、ババアは先に死んでしまって、それから外道は毎晩泣いて暮らしたそうだ、私は勘当されていたから後になって知ったのだがね。
外道は毎夜私とババアの名前を呼びながら暮らして、間も無くババアの後を追うように死んだそうだ。喪主は外道の兄弟だったのだがね、いやまったく似ていない兄弟だった。だから私は外道の墓にも葬式にも行っていないから、外道とババアの名前を今でも知らないというわけだ。だが知りたい、しかし知りたくない。
考えてもみたまえ、もしこれほど気にしている連中の名前が「久子」と「秀雄」だったりしたら私はどう反応すればいいんだ。情け無い事この上ない。だから私は行かない、知らない、思い出さない。そうだろう。その方が面白いじゃないか。世の中には知らないほうがいい事は沢山ある。無論、知ったほうがいい事も沢山あるのだがね。
だが私は、……そうだな、もしかしたら私はあの滑稽な家庭を、それでいながら愛していたのかもしれないな。今でも時折夢に見るのだよ、あの頃の事を。決していい思い出ではないのに、不思議なものだ。
本題に戻ろう。私は卿の事が好きだが、卿にどう接していいか判らない。今までは好きでもないのに腰を抱えてベッドに連れ込んでしまえば良かったのだが、いやすまない、若かったのだという事にしてくれ。
私は男でも女でもいける性分だが、卿にどうしたらいいか判らないのだよ。ただ私には卿といる時間が心地良い。だから卿とこれからも茶を飲んでぼうっと時間を過ごせればいいと願うばかりだ。こんな事を考えているから年を取るんだろうか。
卿とこれからどうするかはその間に見つけるとして、まずはお互いの理解を深めるべきかと思ってこの手紙を書いている。もし良かったら卿からも返事をくれ。率直に言えば卿の事が知りたい。
それでは失礼するよ、小太郎君。迷惑をかけてすまなかった、これからもよろしく頼む。
松永久秀
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浦崎谺叉琉と美流=イワフジがてんやわんや。
二人とも変態。永遠の中二病。
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