ストック切れた……また書かなきゃ。でも試験近付いてきたのでペース落ちます。
いい加減受かりたいけど、でもたぶん無理だろうなあ……orz
以下、72の4
いい加減受かりたいけど、でもたぶん無理だろうなあ……orz
以下、72の4
ライトは、もしかして。何か言いたい事でも有ったんじゃ、ないだろうか。
風呂から上がって。寝る支度も整えて。客間に行こうとした時、ふいにライトがこちらを見ていたから、そう思った。あまり何かを見ているという事の無いライトだから、そうしてこちらを見送っている事に違和感を覚えたのだ。
だが引き返して聞くような気分にもならなかった。ライトは言いたい事は言うタイプの人間だと思っていたし、大事な事ならとっくに言っているだろう。言わないという事は、言いたくないという事なのだ。セブンはそう解釈して、客間のベッドに潜りこんだ。
知らない家というのは落ち着かないものだ。なかなか寝付けるものではない。セブンは最初から諦めていたから、持って来ていた雑誌などを読み、睡魔が降りて来るのを待った。
雑誌というものとライトは少し似ているな、と思う。取りとめの無いところが。しかしライトは一人の人間なのだから、セブンには突拍子の無い事ばかりに見えても、彼にとっては一つの彼の意思なのだ。
ふと、ここに来た理由を思い出す。ライトは四葉が来そうだから、という理由で、呼び出したのだ。客間は来た時の有様で、要するにセブンが初めて使っているという事になる。つまり、今日までライトの部屋には、他人は一人も来なかった可能性が有る。暗闇の世界で、ずっと一人。セブンはぞっとした。真夜中に眼が覚めてしまった時のような不安が、ずっと続くのではないかと思った。そんな中で一人で居て、ライトは大丈夫なのだろうかと。
眠気など全く来なかった。かえって眼が覚めたぐらいだ。セブンはしばらく考えて、リビングに顔を出した。セブンの為に、と電気を付けたままの部屋。布団に包まったライトは、すぐセブンの気配に気付いて顔を出す。
「セブン? どうしたの、眠れない?」
「ああ、……そう、……そうだな。ちっと眠れねえな」
セブンはゆっくりとライトのベッドに歩み寄る。ライトはもぞもぞと上体を起こして、セブンを見た。眠れないのはお互い様のようだ。
「お前も随分寝付きが悪そうだけどな」
「ああ、うん。ずっとこんな感じだよ」
ライトは苦笑して、身体を僅かに避ける。セブンがベッドに座れるようにしているらしい。セブンも遠慮無く腰掛けると、ライトはぽつぽつと言葉を漏らした。
「一人暮らしを始めて判ったんだけど……人は一人じゃあ生きていけないね。一人で居るとね、良くない事ばかり考えてしまうんだ。頭では判っている事が、全然腑に落ちなくなってね。嫌な事でいっぱいになる。どんどんね。……考えても仕方ない事がいっぱい有るし、それはきっとつまらない事なんだけど、……そういう時には、すごく大きく、重く感じる。極論して、何の為に生きてるんだろう……とかね。そういう馬鹿らしい事で沈み込んでしまうのさ。……」
こいつは、もしかして、うつ病にでもかかりかけてるんじゃないか。セブンはそう思って眉を寄せた。とてもそんなタイプには見えなかったから、気付かなかったが。ライトは暗い物を沢山持っているはずだし、危険性は有る。まして今は誰の監視下にも無い。放っておくと大変な事になるんじゃあないか、とセブンは思う。反応が無い事にライトは笑って「気にしないで。ちょっと言いたくなっただけだから……」というような事を呟いた。そうして誤魔化しているのだ。本当の事を隠しているのだ。セブンは直感的に判った。ライトはそうして本心を隠すタイプの人間で、しかもそれは普通の人間のそれより強いものだ。それ故に、心が歪んで潰れかけても、外からは全く見えない。
「言えよ、言いたい事、なんでも」
「……え?」
「俺は……俺は頭悪いから、お前に良い事の一つも言ってやれねえけど。でも、聞くぐらいなら、俺にだって出来るんだから。抱え込むなよ。……なあ、ライト。お前こう言っちゃなんだけどたぶん……寂しかったんだろ?」
この人になら甘えられると、そう思ったんなら。思う存分甘えて良いんだぜ。俺はお前の事、大切に思ってるし、お前の助けになれるんなら大抵の事は大丈夫だ。だからせめて俺の前でぐらい、我慢するんじゃねえよ。なあ。その為に俺を呼んだんじゃねぇのか。ライト。
ライトはしばらくぽかんとしていたが、やがて俯いて。そうだね、と何に対してかは判らなかったが、肯定をした。ぎゅ、と手を握り込んでいたから、触れてやる。それでも何も言わないから、勝手に抱きしめてやった。子供をあやすように、背中を撫でてやると、ライトは僅かに笑って、セブンの身体に腕を回す。
「セブンは大きいねえ。まるで熊みたいだ。そんなにぎゅうぎゅうされたら、僕は折れちゃうよ」
「うるせぇ。お前はそんなやわじゃねえよ」
「そうだね。人間は意外と丈夫だ。だから僕はまだ、ここで生きている――」
ライトはまた少し黙って、それから小さな声で呟く。大した事じゃあ無いんだ。大した事じゃあ。時間さえ有れば、そのうちどうでもよくなるような事ばかりだよ。馬鹿らしい事で悩んで。辛いよ。辛いけどでも……あの時の事を思い出したら、何だか元気が出たんだ。だから、セブンに会いたかった。会って話したかった。
ライトはそんな事をぽつぽつと言う。何時の間にやら身体が密着していたから、セブンはむず痒い気持ちになった。ふと細い首を見る。何故か見てはいけないような気がして、眼を反らした。こうして誰かに好意を寄せられた事はあまりない。見た目がおっかないので、誰も寄りついて来なかったから。なのにライトときたら、ぎゅうと抱きついて来ていて、セブンはなんだか妙な気分になった。
「セブンは優しいよね。今もこうして抱きしめてくれる。僕にとってセブンの存在がどれほど大切だったか……。僕はセブンに出会えて幸せだよ。大丈夫。明日には元気な僕に戻っているから……でも今は、もう少しだけ、こうしていて、いいかな……」
答えない事で肯定した。ライトは安心したように身を任せて来て、セブンはその背中を優しく撫でていた。妙な気分になった事は、秘密にしておこうと思った。ライトはこんなにも自分を信頼してくれているのだから、出来るだけ応えてやりたかった。自分の武骨な腕が、誰かの安らぎになるなら、存分にそうしてほしかった。
無気力に、何の為に生きているのか判らないまま過ごしていたのは、セブンも同じだ。それでも生きている。何かを支えに。セブンはその支えの一つに、ライトの面倒を見る、という事を加えようと思った。せめて月に何度かは顔を出してやろうと。甘えさせてやろうと、そう思った。
+++
時系列的にまだ72は性的な関係は発生しないので、ひたすらいちゃいちゃ
ニルス兄さんの大した事じゃあ無い悩みの一つは
狭い場所に閉じ込められたまま餓死するという夢をよく見る事です
続く……かな? どうかな。
風呂から上がって。寝る支度も整えて。客間に行こうとした時、ふいにライトがこちらを見ていたから、そう思った。あまり何かを見ているという事の無いライトだから、そうしてこちらを見送っている事に違和感を覚えたのだ。
だが引き返して聞くような気分にもならなかった。ライトは言いたい事は言うタイプの人間だと思っていたし、大事な事ならとっくに言っているだろう。言わないという事は、言いたくないという事なのだ。セブンはそう解釈して、客間のベッドに潜りこんだ。
知らない家というのは落ち着かないものだ。なかなか寝付けるものではない。セブンは最初から諦めていたから、持って来ていた雑誌などを読み、睡魔が降りて来るのを待った。
雑誌というものとライトは少し似ているな、と思う。取りとめの無いところが。しかしライトは一人の人間なのだから、セブンには突拍子の無い事ばかりに見えても、彼にとっては一つの彼の意思なのだ。
ふと、ここに来た理由を思い出す。ライトは四葉が来そうだから、という理由で、呼び出したのだ。客間は来た時の有様で、要するにセブンが初めて使っているという事になる。つまり、今日までライトの部屋には、他人は一人も来なかった可能性が有る。暗闇の世界で、ずっと一人。セブンはぞっとした。真夜中に眼が覚めてしまった時のような不安が、ずっと続くのではないかと思った。そんな中で一人で居て、ライトは大丈夫なのだろうかと。
眠気など全く来なかった。かえって眼が覚めたぐらいだ。セブンはしばらく考えて、リビングに顔を出した。セブンの為に、と電気を付けたままの部屋。布団に包まったライトは、すぐセブンの気配に気付いて顔を出す。
「セブン? どうしたの、眠れない?」
「ああ、……そう、……そうだな。ちっと眠れねえな」
セブンはゆっくりとライトのベッドに歩み寄る。ライトはもぞもぞと上体を起こして、セブンを見た。眠れないのはお互い様のようだ。
「お前も随分寝付きが悪そうだけどな」
「ああ、うん。ずっとこんな感じだよ」
ライトは苦笑して、身体を僅かに避ける。セブンがベッドに座れるようにしているらしい。セブンも遠慮無く腰掛けると、ライトはぽつぽつと言葉を漏らした。
「一人暮らしを始めて判ったんだけど……人は一人じゃあ生きていけないね。一人で居るとね、良くない事ばかり考えてしまうんだ。頭では判っている事が、全然腑に落ちなくなってね。嫌な事でいっぱいになる。どんどんね。……考えても仕方ない事がいっぱい有るし、それはきっとつまらない事なんだけど、……そういう時には、すごく大きく、重く感じる。極論して、何の為に生きてるんだろう……とかね。そういう馬鹿らしい事で沈み込んでしまうのさ。……」
こいつは、もしかして、うつ病にでもかかりかけてるんじゃないか。セブンはそう思って眉を寄せた。とてもそんなタイプには見えなかったから、気付かなかったが。ライトは暗い物を沢山持っているはずだし、危険性は有る。まして今は誰の監視下にも無い。放っておくと大変な事になるんじゃあないか、とセブンは思う。反応が無い事にライトは笑って「気にしないで。ちょっと言いたくなっただけだから……」というような事を呟いた。そうして誤魔化しているのだ。本当の事を隠しているのだ。セブンは直感的に判った。ライトはそうして本心を隠すタイプの人間で、しかもそれは普通の人間のそれより強いものだ。それ故に、心が歪んで潰れかけても、外からは全く見えない。
「言えよ、言いたい事、なんでも」
「……え?」
「俺は……俺は頭悪いから、お前に良い事の一つも言ってやれねえけど。でも、聞くぐらいなら、俺にだって出来るんだから。抱え込むなよ。……なあ、ライト。お前こう言っちゃなんだけどたぶん……寂しかったんだろ?」
この人になら甘えられると、そう思ったんなら。思う存分甘えて良いんだぜ。俺はお前の事、大切に思ってるし、お前の助けになれるんなら大抵の事は大丈夫だ。だからせめて俺の前でぐらい、我慢するんじゃねえよ。なあ。その為に俺を呼んだんじゃねぇのか。ライト。
ライトはしばらくぽかんとしていたが、やがて俯いて。そうだね、と何に対してかは判らなかったが、肯定をした。ぎゅ、と手を握り込んでいたから、触れてやる。それでも何も言わないから、勝手に抱きしめてやった。子供をあやすように、背中を撫でてやると、ライトは僅かに笑って、セブンの身体に腕を回す。
「セブンは大きいねえ。まるで熊みたいだ。そんなにぎゅうぎゅうされたら、僕は折れちゃうよ」
「うるせぇ。お前はそんなやわじゃねえよ」
「そうだね。人間は意外と丈夫だ。だから僕はまだ、ここで生きている――」
ライトはまた少し黙って、それから小さな声で呟く。大した事じゃあ無いんだ。大した事じゃあ。時間さえ有れば、そのうちどうでもよくなるような事ばかりだよ。馬鹿らしい事で悩んで。辛いよ。辛いけどでも……あの時の事を思い出したら、何だか元気が出たんだ。だから、セブンに会いたかった。会って話したかった。
ライトはそんな事をぽつぽつと言う。何時の間にやら身体が密着していたから、セブンはむず痒い気持ちになった。ふと細い首を見る。何故か見てはいけないような気がして、眼を反らした。こうして誰かに好意を寄せられた事はあまりない。見た目がおっかないので、誰も寄りついて来なかったから。なのにライトときたら、ぎゅうと抱きついて来ていて、セブンはなんだか妙な気分になった。
「セブンは優しいよね。今もこうして抱きしめてくれる。僕にとってセブンの存在がどれほど大切だったか……。僕はセブンに出会えて幸せだよ。大丈夫。明日には元気な僕に戻っているから……でも今は、もう少しだけ、こうしていて、いいかな……」
答えない事で肯定した。ライトは安心したように身を任せて来て、セブンはその背中を優しく撫でていた。妙な気分になった事は、秘密にしておこうと思った。ライトはこんなにも自分を信頼してくれているのだから、出来るだけ応えてやりたかった。自分の武骨な腕が、誰かの安らぎになるなら、存分にそうしてほしかった。
無気力に、何の為に生きているのか判らないまま過ごしていたのは、セブンも同じだ。それでも生きている。何かを支えに。セブンはその支えの一つに、ライトの面倒を見る、という事を加えようと思った。せめて月に何度かは顔を出してやろうと。甘えさせてやろうと、そう思った。
+++
時系列的にまだ72は性的な関係は発生しないので、ひたすらいちゃいちゃ
ニルス兄さんの大した事じゃあ無い悩みの一つは
狭い場所に閉じ込められたまま餓死するという夢をよく見る事です
続く……かな? どうかな。
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