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めでぃのくの日記
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2025-01-19 (Sun)
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2009-11-26 (Thu)
 この歳になっても学生という生き物が怖くてたまりません。
 若い女性も当てはまるかな。無条件で危害を加えられそうで。
 そんな事は無いんだけど、でも怖くてたまらないから
 お店とか行ってもそこに若い人が居たら欲しい物が有ってもそこには行かないです
 という事で初めて行ったドンキはすごく楽しかったけどすごくこわかったです


 以下、SFネコの6

 明智の言う通り、クズはやはり死ねばいいのだ、と元就は改めて思った。

 生かしておくべきでないし、価値も意味も無い。むしろ害だ。だから我々は彼らを有効活用する技術を開発しなくてはならないし、そんなクズどもに人権など保障する方が間違っているのだ。守られたいなら人として真っ当に生きればいい。そうでないならクズとして生きればいい。クズがクズの権利を主張するから、話がおかしくなるのだ。

 元就は床に踏みつけられ、肩に刺さったナイフの痛みに顔を顰めながら、ただ祈っていた。猫が、あの馬鹿な猫が、ラボの扉を開けて来ない事を。




 事の始まりは今朝の朝食を頼んだ辺りからと見るべきか、それとも少々前の事件からと見るべきか。あるいは、猫と出会った日と見るべきか。いずれにしろ、その日の朝、朝食を清水に頼み、お届けにあがりました、という清水に入室許可を出した。

 それから清水がエレベーターに乗るまでに、事件は起こったようだ。コンピューターから離れて、茶を用意していた元就は最初気付かなかった。エレベーターに乗って降りて来たのは、破壊された清水と、4人の男達で、そのうち二人には見覚えが有った。以前猫に手を出そうとして、元就が銃で脅した二人だった。

 元就は彼らに気づくとすぐにコンピューターに向かった。が、研究ばかりに打ち込んだ元就が、彼らのような無法者に敵うはずも無かった。警備隊を呼ぶ操作をする前に、彼らに拘束され、暴れると蹴られ、殴られ、倒れた所を踏みつけられ、それでもなお、抵抗すれば容赦なく左肩にナイフが突き立てられた。

 痛みのあまりに気を失いそうだったが、なんとかこらえた。憎悪が元就を現実に引き止めた。彼らはなにやら笑いながら、元就を見ている。

「裕福な暮らしをしてるんだなあ、学者さんってのは」

「大層立派な研究をして下さってるんだろうけどな、俺達の暮らしは一つも良くならねえや。結果も出さないでこんなに優遇されるなんて、本当にいい御身分って奴だ」

 元就は何も言わなかった。裕福な暮らし、というのが、無限に許された研究をし続ける事なのかは判らない。コロニーの住人には等しく労役の権利と、職業選択の自由が保障されている。この暮らしが裕福だと思うなら、研究者になればいい。彼らが何を不満に思って、何を皮肉っているつもりなのか、元就には理解出来なかった。

「なぁ、哀れな俺達に少し恵んでくれよ。研究者は幾らでも金使っていいんだろ? 何処に有るんだ? その金」

 彼らが言わんとしている事を理解して、元就は笑った。すると踏みつけていた男がますます力を込めて、すぐに呻き声しか出せなくなる。が、なんとか言葉を作り出した。

「我々は政府より資金援助を受けているが、その全ては我々が現金として所持しないという条件が有る。ここには現金はおろか財産の一つも無い」

「そんな事、信じると思うか? おい、探せ」

 リーダー格と思われる男が指示する。元就を踏みつけているのと違う二人が、部屋の中を探った。物を掻き落とされ、戸棚は開かれた。食料程度しか無い事が判ると、彼らはもう一つの扉に目を向ける。いつぞの二人組の片方が、その扉を開けようとしたが、開かなかった。そこはラボだからだ。

「開かない。ここが怪しいな」

「そこは、ラボだ。今は実験中の酵素と、猫しか居らぬ……」

「猫? そういやあ猫はこの中か。あいつらは馬鹿だから、呼んだら出てくるかもしれないな」

 男が笑って、扉に向かって「おーい」と声をかける。元就は青ざめて、「止めろ」と叫んだが、また蹴られてすぐに黙り込む事になった。

 暴力沙汰などと言う事はフィクションの世界だけのものだと思っていた。元就はこんな痛みを受けた事が無い。今にして思えば、あれでもオリジナルは加減していたのだ。本気では無かった。自分の痛みのはけ口の為に、机を叩くのと同じで、自分の手が痛くなる以上、ある程度の力しか入っていないのだ。彼らは違う。靴で蹴り、踏みにじる。相手には痛みが無い。こちらにばかり痛みが有る。だから幾らでも残酷になれる。

 こんな連中に好きにされたら、と元就は己の事より猫を案じた。馬鹿な猫はそれでも抵抗しないに違いない。そして殺されるまで嬲られるのだ。そういうニュースは何度も見たし、そのうち大した事ではなくなった。だから元就は猫を守らなくてはならない、と何度も抵抗を試みたが、その度に蹴り上げられ、肩から滲んだ血が床に飛び散った。

「おい、出て来いよ猫、可愛がってやるから」

 何度目かの言葉に、反応が有った。扉がカチャリと音を立てて、開いたのだ。

「猫、出て来るな――!」

 元就が叫ぶのと、ラボから猫がすさまじいスピードで飛び出し、眼の前の男を何かで殴りつけたのは、ほぼ同時だった。

 


 そこからはもう、あまりにも早かった。
 
 一人目の男が吹っ飛んで、他の3人が唖然としている間に、猫は銃を構えていた。そして躊躇無く引き金を引く。バシュン、と青い弾丸が、男のすぐ右に当たり、爆ぜる。慌てて逃げようとした男に次に一発は当てた。男は声も無く痙攣して、その場に倒れる。

 猫はもう二人も素早く銃で仕留めると、ダッと床を蹴る。そのまま元就の側まで来ると、元就を踏みつけていた男を銃で殴りつけ、引き倒し、何度も蹴りを入れる。男はその度に悲鳴を上げて、そして彼もまた、弾丸を食らって気絶した。

 元就はそのあまりにも早い流れについていけなかった。何が、何が起こって、何が。頭の中で同じ言葉ばかりがぐるぐる回って、答えが出ない。この状況はいったい、なんだ。

 やがて猫は銃を床に捨て、元就に近づいてくる。いつもの愛らしい微笑みを浮かべてはいない。真剣な顔だ。猫は元就の側に膝を着くと、唐突に、

「大丈夫か」

 と声を発した。

「……ね、猫……」

 喋れたのか、とか、どうやって銃を、とか、どうしてそんなに強いのか、とか、聞きたい事は山ほど有ったが、他ならない猫が、質問を許さなかった。

「話は後だ。あんたの怪我が心配だから、今すぐ警備隊と救急隊を呼びな。俺は例の格納庫に隠れておくから」

「猫」

 元就が何を言うべきか悩んでいる間に、猫は元就に肩を貸して、メインコンピューターまで移動させる。猫はそのままラボへと戻ってしまった。そうか、格納庫の中には銃が、いやしかし、何故格納庫を開けられた。元就は未だ整理が出来ず、混乱したままで、警備隊にコールをかけた。

 +++

 アニキが喋った!

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