どうしようかなと色々考えてます。色々。
でも所詮自分が読みたい物を書くわけですよね。
受けがなよなよしているようなそんなのがいい。
前も言ったけど、FEシリーズで最愛のキャラは未だにクロード
神の預言を受け取っても何も出来ずに殺されないままずっと惨状を見守らされる
素晴らしい 陛下に色々されればいい 素晴らしい あと陛下の曲最高
何の話してたんだっけ
あぁなよ受け最高 ですます口調の大人しい人が受け最高
冷静な目で見れば「キメェ!」ってぐらいがちょうどいい 大好物
前ジャンルでそういうの書いたけど今みたら若干自分がきめぇ!です
毛利じゃ無理だけどまぁ近いものは既に書いた気がする
以下、SFねこの4 ちょっと読みづらいですね、なんか
でも書いてみる
でも所詮自分が読みたい物を書くわけですよね。
受けがなよなよしているようなそんなのがいい。
前も言ったけど、FEシリーズで最愛のキャラは未だにクロード
神の預言を受け取っても何も出来ずに殺されないままずっと惨状を見守らされる
素晴らしい 陛下に色々されればいい 素晴らしい あと陛下の曲最高
何の話してたんだっけ
あぁなよ受け最高 ですます口調の大人しい人が受け最高
冷静な目で見れば「キメェ!」ってぐらいがちょうどいい 大好物
前ジャンルでそういうの書いたけど今みたら若干自分がきめぇ!です
毛利じゃ無理だけどまぁ近いものは既に書いた気がする
以下、SFねこの4 ちょっと読みづらいですね、なんか
でも書いてみる
猫達は実験動物である。
即ち、元就もまた、猫を実験体として使用していた。ただし、自らの手ではない。同業の明智光秀に実験を依頼し、研究した酵素などを預けて、データを受け取っている。それでも、実験をして多くを殺している事は間違いないし、だからこそ元就は最初、猫を飼うという事に抵抗が有った。
「猫、いいな。留守番だ。判るか?」
「ナァ?」
猫は不思議そうに首を傾げる。元就が外出用の服を着ていたからかもしれないし、首輪をつけられたからかもしれない。言葉が判っているとも思えないが、どうやら何を言わんとしているかぐらいは表情や動作などから伝わっているようだ。だから元就は身ぶり手ぶりを交えて説明する。
「その首輪には、チップが入っておる。ラボには入れるが、外には出られない。この間のように外に出て、帰れなくなったら大変だろう。本来は実験体に取り付け、脱走を防ぐものだが……まぁその事はいい。とにかく、ここから出てはいけない。ラボにも入っていいが、物を壊したりはするな。判るか?」
猫はラボが気に入ったらしく、用も無いのにラボで座っていたり、寝転がったりしていた。そこで作られた酵素達が、彼ら猫を何匹も殺した事を、元就は知っている。だから元就は複雑な思いで猫を見ていた。
「……我は出かけてくる。帰りは遅くなる。もし何か困った事が有れば、このモニターから清水を呼べ。二回叩けば清水に繋がる。もし我を呼びたければ、一回叩いて3回だ。判るか?」
「ナァ?」
判っていそうにない。元就は「うむ、そうだ」と適当に頷いて、そして「行ってくる。良い子にしておれ」と言い残し、エレベーターに乗った。
光秀との関係は一言「同僚」と言えるものでもあり、でもなかった。というのも、「前の元就」と「前の光秀」は恋人関係に有った。子を成す事が出来なかった二人は、互いにクローン体を作り、世代交代をした。今はもう、二人とも死んでいる。
あくまで「前の」二人の話であるから、「今の」元就達には関係無い。とはいえ、幼い頃から互いに紹介されており、知人ではある。研究のみを生きる目的とする人種の中で、そうした利害関係あるいは競争関係無しの知り合いというのは珍しい。だから元就も光秀を、多少意識はしている。光秀もそのようだが、しかし彼らは互いにそれ以上近づこうとはしなかった。
クローンは細胞や遺伝子を引き継ぐが、記憶や性格を受け継ぐものではない。無論、限りなく近づけようと教育は行われるが、双子が全く同じにならないように、彼らクローン体にも個体差が有る。オリジナルとは性格も体系も多少異なる。劣化もするし、オリジナルに無い才能が開花したりもする。
元就も光秀も、どちらかと言えば劣化した。光秀は性格面で、元就は知能面で。それ故、元就も光秀も、穏やかとはとても言えない両親に酷くけなされた。「クズ」と罵られ、激しく折檻された。
その末に、彼らは二人揃って仲良く楽園に行ってしまった。一応遺族扱いになるので、その死に顔も見たが、馬鹿らしいほど穏やかな顔で死んでいた。元就はオリジナルの事が好きではないし、光秀も同様だ。だから彼らはこれ以上触れ合えない。オリジナルと同じ道を歩む事を、そういう形で拒否しているのだ。
元就と光秀の研究は同様のものだ。政府から依頼を受けている。その内容は、クズどもの有効利用法を編み出す事。
コロニーの環境が落ち着いて長い。人々は働く事を忘れ、堕落し、不満ばかりを口にする。些細な不幸を大げさに取り上げて正当化し、罪を犯す。そうしたクズ達にも人権が有り、政府は今まで何も出来なかった。
その政府がクズ達を見限ろうとしている。クズに時間を与えても仕方ない。更生を待つような余裕は無い。人為的に更生する方法を探している。つまり、クズ達をまっとうな労働力へ変え、二度と堕落しない人間を作り上げる研究だ。
研究者達は皆等しく、政府から支援を受けている。文明的に発達しきったこのコロニー内で、更なる技術開発を行う者は丁重に扱われる。研究者の認定を受ければ、全ての資金が保障される。衣食住、必要なラボ、実験体、資材、果ては配偶者まで、何もかもをだ。
それ故、労働する者達には嫌われている。金の無駄遣いをしている、と彼らは研究者達を批難していた。研究者達は彼らを資源の無駄遣いと呼んでいたので、彼らが相容れようはずも無かった。
それに研究者達は同性婚を好んだ。体外受精、クローン技術が確立すると、男女は交わらなくなったのだ。あまりに考え方の違う個体同士が苦労して繋がるより、同性で愛し合った方がよほど楽だった。夫婦というものは激減し、それにより子供も貴重な存在になった。数合わせにとクローンを作り、世代交代を繰り返していた。
「残念ですが、今回も失敗です」
光秀がラボの中を案内しながら、元就に言う。光秀のラボは広い。元就のそれと違い、何区画にも分かれていて、元就もその全てを見た事は無い。実験体を収容する施設や、実験室、手術室などが有る。元就はそれ以上を望まなかったから、実験の結果が安置された部屋だけを見る。今のところそれは、死体安置室以外ではなかった。
「そうか……被検体も酵素も、これ以上無駄にするわけにはいかぬな。しばらく我の実験は凍結する」
「よろしいのですか?」
「仕方有るまい。結果が出せないのだ。無理に粘っても損失が膨らむだけだ。もう少し我のラボで実験をしてからこちらに頼もう。いつもすまぬな」
「いいえ、いいんですよ。貴方はこういうの、苦手でしょうしね」
私は好きだ、とでも言いたげな微笑みを光秀は浮かべる。元就は曖昧に頷いて、先にラボを出た。苦手というのは事実である。己の業に向き合いたくない。そういう自分が確かに居て、嫌になる。向き合ってやらなければ、無駄死にだ。彼らが望んでいたわけでもないのに。
元就の心情を理解しているのか、光秀も引き止めたりはしない。共にラボを出て、生活スペースへと戻る。元就はたくさんの理由から、光秀とあまり親しくしないようにしていたが、それでも茶を勧められれば断りはしなかった。仮にも同業であり、良くしてくれている知り合いであるから、多少の事は我慢した。それが出来る時点で、光秀が特別な存在の一人である事を、元就は未だに認めてはいない。
「いっそ、クズどもを使えればいいんですけどね。人間への効能を調べるのが大事なのですから、猫でいくら実験しても、最終的には意味が無いじゃあないですか。二度手間もいいところですよ」
カップに茶を淹れて、元就に渡しながら光秀は言う。彼はいつもそういう事を言っていた。つまり、つまらない人間達を実験体にすればいい、と。
「犯罪率も上がっているし、馬鹿は増えているし。生きていても仕方が無い人間はいくらでもいるじゃあないですか。猫のほうがよほど堅実です。しかも猫は猫であって人ではない。薬効も異なる。ここで猫達を殺す行為が、完全に無駄になる可能性も高い。いい加減動いてほしいんですけれど。そのために信長公についているわけですし……」
政府要人の織田信長は、まだ発言権こそ大したことではないが、過激な思想を掲げている。その一部は光秀の「クズを利用する」という点で一致している。光秀は早く信長が被検体としてクズを使えるようにする事を期待しているが、なかなか上手くいかないらしい。
「……どんな人間にも、人権は有る。そしてどんな人間もつまらぬ存在、つまりクズだ。我らが偉そうに言っても仕方が無い……」
茶を飲み、呟く。「前の元就」に散々愚弄された記憶が蘇りそうになって、元就は小さく首を振った。クズ、というのはつい最近まで、元就を指す言葉だった。クズ、という言葉を口にすると、いつも少しだけ嫌な気持ちになった。
「そんなものは建前ですよ。本音ではない。だから政府も我々にこんな依頼をしてきたんです。さっさと法律も変えてしまえばいいのに」
光秀はため息を吐いて、そして元就を見て微笑む。
「貴方だって、本当はそう思っているんでしょう?」
「……」
「……愚問でしたね。……そちらの研究はどうですか? 進んでいますか」
「いや、こちらも滞っておる。次の実験はしばらく先になるだろう」
「そうですか。またしばらく会えませんね」
光秀は少しだけ(本当に少しだけ)寂しそうな顔をした。元就はそれを、見なかった事にした。
認めれば、同じになるのだと、心の奥で誰かが囁くから、決して認めなかった。
自分のラボに戻ると、猫が出迎えてくれた。ニコニコ笑っている。元就は「帰った」と素っ気なく告げて、猫の頭を撫でる。
白い髪は驚くほど綺麗だったし、顔立ちも良い。左眼の傷は、本当に残念だと元就も思う。だがそれが幸いしたのかもしれない、と思わなくもない。見目が良ければ、慰み者にされる可能性も有る。
猫は少し成長したようだった。服がキツくなってきている。新調してやらなければならないな、と思いながら、元就はラボに入る。
G188の様子を見る。相変わらず生きている。しかも僅かながら、増殖の気配が有る。完全に蘇生したと言える。これはいったい何なのだろうか、と元就は首を傾げながら、データをコンピューターに取り込む。猫はその間も足元で、「ナァナァ」鳴いたり、擦り寄ったりしていた。
一通りの作業が終わると、元就は柔らかく猫の頬を撫でた。猫の方も幸せそうな顔で撫でられている。元就も思わず笑んで、それから、嫌な気持ちになった。
これは、偽善だ。
そう判っているのに、元就は足元で甘える猫が、愛しくて仕方が無い。
+++
即ち、元就もまた、猫を実験体として使用していた。ただし、自らの手ではない。同業の明智光秀に実験を依頼し、研究した酵素などを預けて、データを受け取っている。それでも、実験をして多くを殺している事は間違いないし、だからこそ元就は最初、猫を飼うという事に抵抗が有った。
「猫、いいな。留守番だ。判るか?」
「ナァ?」
猫は不思議そうに首を傾げる。元就が外出用の服を着ていたからかもしれないし、首輪をつけられたからかもしれない。言葉が判っているとも思えないが、どうやら何を言わんとしているかぐらいは表情や動作などから伝わっているようだ。だから元就は身ぶり手ぶりを交えて説明する。
「その首輪には、チップが入っておる。ラボには入れるが、外には出られない。この間のように外に出て、帰れなくなったら大変だろう。本来は実験体に取り付け、脱走を防ぐものだが……まぁその事はいい。とにかく、ここから出てはいけない。ラボにも入っていいが、物を壊したりはするな。判るか?」
猫はラボが気に入ったらしく、用も無いのにラボで座っていたり、寝転がったりしていた。そこで作られた酵素達が、彼ら猫を何匹も殺した事を、元就は知っている。だから元就は複雑な思いで猫を見ていた。
「……我は出かけてくる。帰りは遅くなる。もし何か困った事が有れば、このモニターから清水を呼べ。二回叩けば清水に繋がる。もし我を呼びたければ、一回叩いて3回だ。判るか?」
「ナァ?」
判っていそうにない。元就は「うむ、そうだ」と適当に頷いて、そして「行ってくる。良い子にしておれ」と言い残し、エレベーターに乗った。
光秀との関係は一言「同僚」と言えるものでもあり、でもなかった。というのも、「前の元就」と「前の光秀」は恋人関係に有った。子を成す事が出来なかった二人は、互いにクローン体を作り、世代交代をした。今はもう、二人とも死んでいる。
あくまで「前の」二人の話であるから、「今の」元就達には関係無い。とはいえ、幼い頃から互いに紹介されており、知人ではある。研究のみを生きる目的とする人種の中で、そうした利害関係あるいは競争関係無しの知り合いというのは珍しい。だから元就も光秀を、多少意識はしている。光秀もそのようだが、しかし彼らは互いにそれ以上近づこうとはしなかった。
クローンは細胞や遺伝子を引き継ぐが、記憶や性格を受け継ぐものではない。無論、限りなく近づけようと教育は行われるが、双子が全く同じにならないように、彼らクローン体にも個体差が有る。オリジナルとは性格も体系も多少異なる。劣化もするし、オリジナルに無い才能が開花したりもする。
元就も光秀も、どちらかと言えば劣化した。光秀は性格面で、元就は知能面で。それ故、元就も光秀も、穏やかとはとても言えない両親に酷くけなされた。「クズ」と罵られ、激しく折檻された。
その末に、彼らは二人揃って仲良く楽園に行ってしまった。一応遺族扱いになるので、その死に顔も見たが、馬鹿らしいほど穏やかな顔で死んでいた。元就はオリジナルの事が好きではないし、光秀も同様だ。だから彼らはこれ以上触れ合えない。オリジナルと同じ道を歩む事を、そういう形で拒否しているのだ。
元就と光秀の研究は同様のものだ。政府から依頼を受けている。その内容は、クズどもの有効利用法を編み出す事。
コロニーの環境が落ち着いて長い。人々は働く事を忘れ、堕落し、不満ばかりを口にする。些細な不幸を大げさに取り上げて正当化し、罪を犯す。そうしたクズ達にも人権が有り、政府は今まで何も出来なかった。
その政府がクズ達を見限ろうとしている。クズに時間を与えても仕方ない。更生を待つような余裕は無い。人為的に更生する方法を探している。つまり、クズ達をまっとうな労働力へ変え、二度と堕落しない人間を作り上げる研究だ。
研究者達は皆等しく、政府から支援を受けている。文明的に発達しきったこのコロニー内で、更なる技術開発を行う者は丁重に扱われる。研究者の認定を受ければ、全ての資金が保障される。衣食住、必要なラボ、実験体、資材、果ては配偶者まで、何もかもをだ。
それ故、労働する者達には嫌われている。金の無駄遣いをしている、と彼らは研究者達を批難していた。研究者達は彼らを資源の無駄遣いと呼んでいたので、彼らが相容れようはずも無かった。
それに研究者達は同性婚を好んだ。体外受精、クローン技術が確立すると、男女は交わらなくなったのだ。あまりに考え方の違う個体同士が苦労して繋がるより、同性で愛し合った方がよほど楽だった。夫婦というものは激減し、それにより子供も貴重な存在になった。数合わせにとクローンを作り、世代交代を繰り返していた。
「残念ですが、今回も失敗です」
光秀がラボの中を案内しながら、元就に言う。光秀のラボは広い。元就のそれと違い、何区画にも分かれていて、元就もその全てを見た事は無い。実験体を収容する施設や、実験室、手術室などが有る。元就はそれ以上を望まなかったから、実験の結果が安置された部屋だけを見る。今のところそれは、死体安置室以外ではなかった。
「そうか……被検体も酵素も、これ以上無駄にするわけにはいかぬな。しばらく我の実験は凍結する」
「よろしいのですか?」
「仕方有るまい。結果が出せないのだ。無理に粘っても損失が膨らむだけだ。もう少し我のラボで実験をしてからこちらに頼もう。いつもすまぬな」
「いいえ、いいんですよ。貴方はこういうの、苦手でしょうしね」
私は好きだ、とでも言いたげな微笑みを光秀は浮かべる。元就は曖昧に頷いて、先にラボを出た。苦手というのは事実である。己の業に向き合いたくない。そういう自分が確かに居て、嫌になる。向き合ってやらなければ、無駄死にだ。彼らが望んでいたわけでもないのに。
元就の心情を理解しているのか、光秀も引き止めたりはしない。共にラボを出て、生活スペースへと戻る。元就はたくさんの理由から、光秀とあまり親しくしないようにしていたが、それでも茶を勧められれば断りはしなかった。仮にも同業であり、良くしてくれている知り合いであるから、多少の事は我慢した。それが出来る時点で、光秀が特別な存在の一人である事を、元就は未だに認めてはいない。
「いっそ、クズどもを使えればいいんですけどね。人間への効能を調べるのが大事なのですから、猫でいくら実験しても、最終的には意味が無いじゃあないですか。二度手間もいいところですよ」
カップに茶を淹れて、元就に渡しながら光秀は言う。彼はいつもそういう事を言っていた。つまり、つまらない人間達を実験体にすればいい、と。
「犯罪率も上がっているし、馬鹿は増えているし。生きていても仕方が無い人間はいくらでもいるじゃあないですか。猫のほうがよほど堅実です。しかも猫は猫であって人ではない。薬効も異なる。ここで猫達を殺す行為が、完全に無駄になる可能性も高い。いい加減動いてほしいんですけれど。そのために信長公についているわけですし……」
政府要人の織田信長は、まだ発言権こそ大したことではないが、過激な思想を掲げている。その一部は光秀の「クズを利用する」という点で一致している。光秀は早く信長が被検体としてクズを使えるようにする事を期待しているが、なかなか上手くいかないらしい。
「……どんな人間にも、人権は有る。そしてどんな人間もつまらぬ存在、つまりクズだ。我らが偉そうに言っても仕方が無い……」
茶を飲み、呟く。「前の元就」に散々愚弄された記憶が蘇りそうになって、元就は小さく首を振った。クズ、というのはつい最近まで、元就を指す言葉だった。クズ、という言葉を口にすると、いつも少しだけ嫌な気持ちになった。
「そんなものは建前ですよ。本音ではない。だから政府も我々にこんな依頼をしてきたんです。さっさと法律も変えてしまえばいいのに」
光秀はため息を吐いて、そして元就を見て微笑む。
「貴方だって、本当はそう思っているんでしょう?」
「……」
「……愚問でしたね。……そちらの研究はどうですか? 進んでいますか」
「いや、こちらも滞っておる。次の実験はしばらく先になるだろう」
「そうですか。またしばらく会えませんね」
光秀は少しだけ(本当に少しだけ)寂しそうな顔をした。元就はそれを、見なかった事にした。
認めれば、同じになるのだと、心の奥で誰かが囁くから、決して認めなかった。
自分のラボに戻ると、猫が出迎えてくれた。ニコニコ笑っている。元就は「帰った」と素っ気なく告げて、猫の頭を撫でる。
白い髪は驚くほど綺麗だったし、顔立ちも良い。左眼の傷は、本当に残念だと元就も思う。だがそれが幸いしたのかもしれない、と思わなくもない。見目が良ければ、慰み者にされる可能性も有る。
猫は少し成長したようだった。服がキツくなってきている。新調してやらなければならないな、と思いながら、元就はラボに入る。
G188の様子を見る。相変わらず生きている。しかも僅かながら、増殖の気配が有る。完全に蘇生したと言える。これはいったい何なのだろうか、と元就は首を傾げながら、データをコンピューターに取り込む。猫はその間も足元で、「ナァナァ」鳴いたり、擦り寄ったりしていた。
一通りの作業が終わると、元就は柔らかく猫の頬を撫でた。猫の方も幸せそうな顔で撫でられている。元就も思わず笑んで、それから、嫌な気持ちになった。
これは、偽善だ。
そう判っているのに、元就は足元で甘える猫が、愛しくて仕方が無い。
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