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めでぃのくの日記
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2025-01-19 (Sun)
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2010-01-13 (Wed)
 小学2年ぐらいの話ですけど。友達と遊んでいたわけです。
 小川の中でザリガニが死んでいるというから、皆で座って見ていたわけで。
 まぁ高さ1.5mぐらい、水深30cmくらいのドブです
 じーっと見てたら、後ろからドンって。友達に押されて。飛んだわけです。
 空中で記憶が止まって、気付いたら号泣しつつ親にシャワー浴びせられてました
 間違いなく、溺れてるね
 些細なショックで意識を飛ばせるなら、楽なような致命的なような……
 お恥ずかしい話、人生で二回ほど失神しております
 1回目は上記、二回目は救急搬送された先で、立ってレントゲン取った時
 なんで、救急患者を、た、立たせて、レントゲ……
 と思った辺りで視界が紫色に混濁して、気付くと医者に抱えられていた……
「大丈夫ですか!?」大丈夫じゃねーよ!!! ねーから搬送されたんだよ!!!
 何が言いたかったかっていうと、
 どうしてドブでザリガニが死んでるから皆で見に行こうなんてそんな
 話になりえるのか、子供の頃って不思議だな、って事です

 以下、僕らが諦めと共に手に入れる幸せの一つのかたち の3
 間違いなくタイトル長過ぎ
 微エロ含み始めます

 実家に、毛利の家に泊まる、と連絡すると、電話を取った父親は、そうか、とただそれだけ答えて受話器を下ろした。元親が元就の家に泊まる事は、それほど珍しい事でもない。子供の頃はよく泊まりに来たものだった。

 元就と一緒に、正体不明の鍋を食べ、睡魔の住む居間でごろごろしながら、あれこれつまらない話をした。元親が話す事に、元就が素っ頓狂な返事をする妙な会話だった。それは子供の頃から変わっていなくて、元親はとても落ちついた。

 夜も更けてくると、元就は「風呂に入れ」と言った。太陽熱温水器から出てくる熱湯を水で薄めながら、風呂桶に湯を張る。そうして元親は、元就を呼んだ。一緒に入ろうと。元就は「狭いのに」と言いながらも、元親に従った。

 成長した体には、確かに風呂桶は狭い。結局二人してシャワーをしながら洗い合う羽目になった。元就は猫か犬でも洗うように、元親を乱暴に擦ったが、元親の方は充分に下心が有ったので、元就を丁寧に丁寧に洗った。

 体を撫でていると、時折元就がぴくりと跳ねる。それが嬉しい。普段澄ましている元就も、人間なのだと実感する。それを告げると、「犬猫も交尾の時は、妙な鳴き声を出す物ではないか」と反論した。

 元就はこの村で独りぼっちに近いし、彼がそれを求めているとも思わないから、恐らく元親がたった一人の性の相手なのだ。前回よりも敏感に反応する体を撫でながら、元親は妙に幸せな気分になった。

 こうして密着していれば、遠近感などは関係無い。ただ思うままに触れ、思うままに愛撫すればそれで良かった。



 +



 元親はいつも元就に驚かされた。

「勉強はしたくない」と言えば、「ならするな」と呆気なく言われたし、「親父は怒るから嫌いだ」と言えば、「なら殺せばいい」と言った。元親が呆気に取られていると、「そうしたくないのなら、愛せばいい」と続けた。

「愛する? 勉強を?」

「そうだ。したくないのに、しなくてはならない、などと考えるから辛いのだ。したくないならするな。しなくてはならないなら愛せ。知るという事は楽しいぞ。分数もルリビタキの鳴き声も、覚えてしまえば判るものだ」

「ルリビタキ?」

「青い鳥ぞ。綺麗で、えらくうるさく鳴く。だからカワセミに間違われる。見とれた人間は、高い確率で電柱にぶつかるか、側溝に落ちる」

「毛利も?」

「我は川に落ちた! 死ぬかと思った。つまりルリビタキとカワセミの違いを知らねば、人は死ぬかもしれないという事だ。分数が出来なければ、人は死ぬかもしれないという事だ。判るか?」

「毛利は分数が出来るのか?」

「出来るとも。学校などに行かずとも、勉強をする事はいくらでも出来る」

「じゃあ、毛利は勉強が好きなのか」

「まさか。勉強をしたいと思ったらするだけだ。風呂に入りたい、遊びたい、果物を食べたい、そういう中に勉強が紛れてきたらやる。そういうものだろう?」

 また元就と付き合っていて一番驚いたのは、ある日彼の家に行ったら、縁側に明智光秀が腰掛けていた事だった。

 光秀は元親の従兄弟で、生まれつき病弱だった。元就と同じ年ぐらいで、滅多に外出も出来ず、一年中家の中に閉じこもっているような、そんな少年だった。色白で、酷く細い。そんな彼が、この不衛生極まりない元就の家の縁側で、のんびりと座っていたのだ。

「光秀、お前大丈夫なのか?」

「ああ、元親殿。そうでしたか。毛利殿のお友達は、貴方だったんですね」

「友達」

 元親はその言葉に驚いたが、光秀は柔らかく笑んで答える。

「どうせ閉じこもっていても、長生きできるわけでなし。私は死ぬまで好きなようにして生きていたい。だから毛利殿の所に遊びに来るのです。ここはいい。静かで、暖かで……っ」

 けふこふ、と光秀が咳込む。大丈夫かよ、と背中をさすってやると、彼はまた笑った。

「大丈夫、人はいずれ死ぬのです。それが早いか遅いかだけ。私の命が少々長引く為に、あんな陰気な家に閉じこもっているより……ここに居たいんです。ここで、毛利殿と馬鹿な事をしていたい……」

 と、庭から元就が帰って来て、二人に何か黄色い花を見せてきた。

「今日はこれを食ってみよう。天ぷらにすると旨いのだぞ」

「そうですね。天ぷらにすれば、大抵の物は美味しいです」

「そうだろう。さあ長曾我部、手伝え。天ぷらの用意をするのだ。籠いっぱい取ってきてやる。光秀もたんと食べろ。栄養をつけねばな」

「食中りには気をつけないといけませんね」

 結局その日は、元就の言うとおり山のように天ぷらを揚げて、そして結局、山のように食べさせられた元親だけが腹を壊した。




 +




「う、ぁ……っ、ちょ、長曾我部、何をしておる!」

 そっと尻を撫でて、奥に指を伸ばした時、元就は初めて慌てたような声を出した。ぎゅ、と抱きしめて離さず、くいくいと触ってやると、元就はますます震えた。

「長曾我部……っ!」

「ここ、使うんだよ。男同士だと」

 町に出ている間に、何度かそういう経験をした元親は優しくそう教えてやる。元就は首を振って、「そんな所を交尾に使う生き物など、居らぬ」と弱弱しく言った。

「そうだな。人間様だけの特別な場所だよ。……なぁ、毛利」

 もう片方の手で、元就の前に触れる。既に熱くなっているそれを撫でると、元就の肩が震えた。

「俺が居ない間、自分でしてたのか?」

「……っ、聞くな……っ」

「なぁ。教えてくれよ。なぁ」

「……こういう時ばかり、偉そうに……っ」
 
 元就は元親の腕に顔を寄せ、隠すようにしながら小さく、「生理現象には逆らえぬ」と答えた。

「そっか。……俺の事、考えた?」

「うるさい……っ」

「毛利、毛利可愛い……」

 ちゅ、と耳たぶに口づけ、首筋を吸う。元就はその度に小さく震え、僅かに息を吸い込んだ。その反応全てが愛しくて、元親は優しく元就を愛撫し続けた。




 +



 元就はあらゆる事を元親より知っていた。同じ田舎暮らしなのに、元就の方が鳥や草、花や虫の名前を知っている。遊び方も多彩だった。元親はその度に驚かされた。

 ある日元就の家に行くと、庭に元就がうつ伏せで倒れていた。元親は慌てて彼に駆け寄り、抱き起こす。眼が合った。すると元就が笑う。

「どうした長曾我部、そんなに驚いた顔をして。実に面白い顔だぞ」

「どうしたって……お前が倒れてるから」

「我が? 我は遊んでおったのだ」

「遊んで???」

 元親が眉を寄せると、元就は空を指差す。

「見ろ、雲一つ無い。綺麗だろう? だから全部見ようと、仰向けになった。しかし眩し過ぎたので、うつ伏せになって眼を休めていたのだ。地面には無数の命が蠢いているぞ、長曾我部。何時間かこうしていたら、我はきっと虫だらけだぞ」

「なんだよその遊び……俺の心臓に悪いから、止めてくれよ」

「そうだな。そなたの寿命を縮めるわけにはいかぬ。そなたは我の友人だからな」

 友人、という言葉を使われる度に、元親はどきりとした。何故だか胸が熱くなって、とてつもなく嬉しくなる。元親は元就と一緒に縁側に行き、ひとしきり学校についての愚痴を話した。そうしていて元親は、元就が殆ど自分の事を話さない、という事に気付いた。

「なあ、お前は何か、不満とか無いのか?」

 元親が尋ねると、元就は「そうだな」と空を見上げて、それから首を振る。

「語れぬ」

「どうしてだ?」

「大抵の不幸、不満は、自分で思っているよりよほど有りふれた、つまらぬものだからだ。口にすれば、己の価値が下がる。それなら、そなたにこうして不思議がられているほうが、よほど楽しいではないか」

「……じゃあ、俺はお前の中で評価がすごく低い事になるぜ?」

 元親はそう不安げに言ったが、元就はくすくす笑って元親を見る。

「そなたの不幸、不満は実にちっぽけだ。だがそれは本人にとっては大きな問題だ。そなたがその段階を乗りきったなら、恐らくそなたも笑い飛ばすような下らぬ事よ。だがその段階を超えるには、支えが要る。だからそなたが望むなら、我はその支えになる。早く上がって来るがいい、元親。そうしたら、今のそなたの話がとても面白く聞こえるぞ」

「……馬鹿にされてんの?」

「まさか。そなたは優しい。そなたは可愛い。我はそなたが好きだ」

「……っ」

 好きだ、と言われて、元親は顔を赤くしてしまった。何故だかドキドキして、とても元就の顔を見ていられなかった。

「我はこの村が好きだ」

「……どうしてだ? 皆……皆お前達の事、嫌ってるぜ。居心地は悪いだろ?」

 元親が素直にそう告げると、元就はころんと居間に転がる。

「嫌っているからなんだ? 皆、何もしてこない。攻撃されない。素晴らしい事ではないか。存在する事は、許されているのだから……よほど幸せだ」

 一瞬、元就の表情が曇った。あまりに短かったから、元親は見間違えたのかと思うほどだった。いつも飄々として、余裕の有る彼とは思えない、泣きそうな顔だった。

 元就にも、何か有るのだ。不幸や、不満が。けれどそれは、吐き出す事が出来ないもの。吐き出す相手の居ないもの。上の段階に上がるために、支える者が居ないから。

「……俺、……俺、頑張って上がるよ。それで、そん時はお前のその……ちっぽけな問題を、教えてくれよ。俺が、……俺が聞いてやるから」

「それはいい。楽しみだ。……そうだ、長曾我部。そなたは我の友達だから、してやろう」

「? 何を……っ!!??」

 何をしてやるというのか。問う暇も無かった。元就の顔が、限り無く近くに有って、ピントが合わない。唇に柔らかく触れるものが有る。元親は眼を大きく見開いて、硬直してしまった。

 ほんの一瞬だったかもしれない。数分か、あるいは数時間だったかもしれない。元就はゆっくりと離れて、そして笑んだ。

「友達の証だ。好きだという証だ」

「……」

「そなたが3人目だ」

 元就はそう言って笑うと、縁側から飛び出して草むらに走って行った。元親は唇に手を当て、しばらく茫然としていたが、やがて元就を追って草むらへ入った。

 追いつき、元就を後ろから抱きしめて、仕返しをするのに随分時間がかかった。元親はいつ唇を離していいのか判らず、ずっと元就に口付けていた。やがて元就がぺろりと唇を舐めたものだから、びっくりして離れる。

 元就はやはり愉快そうな顔で元親を見ている。元親はドキドキする胸を押さえながら、「あとの二人は?」と尋ねる。元就は「父と、明智だ」とあっさり答えた。

 +

 妙にいやらしい世界を目指したのですが、元就がヒロインすぎますね

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