毛利を変人にするべきか、アニキを変わった人にするべきか悩むところ
何故毛利だと変人なのか。なんか突き抜けそうな気がするから。
最初立ち場を逆で考えてたんだけど、こっちのがしっくりくるかなーと
悩むところ
何故毛利だと変人なのか。なんか突き抜けそうな気がするから。
最初立ち場を逆で考えてたんだけど、こっちのがしっくりくるかなーと
悩むところ
最後に見たのは、こちらに飛んでくる物体だった。それが何かも判らなかった。次の瞬間には意識を失って、気付いたら白い天井を真っ赤な視界と、真っ黒な視界で見上げていた。
医者は運が良かったと言った。左目だけですんだ、と。あの時誰かが叫ばなかったら、後頭部を強打した事は疑いようもなく、そうであったなら命は無かった。
運が良かったのだ。左目を失うだけですんだのだから。
高速旋盤の電源を入れた奴が居る。固定台の上に、物が乗っている事に気付かなかった奴が居る。そのまま何も考えずに動かした奴が居る。そして台の上に乗っていた、金属の固まりは、遠心力で飛んだ。その先で作業をしていた元親は、危ないという声に振り返って、そして、救急車で搬送された。
バイトだから、労災は下りない。バイトなりに精密作業をしていた。片目を失って、遠近感が無い以上、そんな仕事は出来ない。元親は仕事を失った。
運が、良かったのだ。
そう誰もが繰り返した。元親はただそれに頷いた。
運が、良かったのだ。
そう、運が良かったから、左目と、仕事と、夢と、居場所を失ったぐらいで、すんだ――!!
ガチャン、と家の鏡を叩き割って。それで元親は、町から去る事を決めた。残る事は出来なかった。仕事も金もない。左目もない。一人きりで残るには、町での暮らしは酷だった。
一山当てる、と夢だけを抱えて、町に出た。その時に散々反対した母は、元親が出したCDを大喜びで近所に配ったらしい。父はその時、身体は壊すんじゃねえぞ、とポツリと言っただけだった。
元親の郷里は山奥の小さな村で、村人の多くが地元でひっそりと農業や商業を営み、静かに人生を終える。元親はそんな村から飛び出した、珍しくはない若者の一人で、インディーズながらもCDデヴューを果たした、稀な人間の一人で、そしてその末に何も持たずに帰って来た、普通の人間だった。
周りから見ればその程度のものだったが、当事者である元親の心中は暗い。夢半ばに挫折し、しかも身体の一部を失っての帰宅。これほど情けない事が他に有るだろうか。これなら夢半ばに死んだほうがマシだった、と元親は何度も考えた。そのほうがよほど絵になるから。
誰にも見つからないように、そそくさと実家に帰るつもりだった。すぐにバレた。白い髪は田舎にそぐわない。町の派手な衣類は、この辺りでは奇妙な物だ。元親はすぐに誰かに声をかけられた。その度に元親は、微妙な笑みを浮かべて通り過ぎる。放っておいてほしかった。
実家にたどり着いても、母は泣いて泣いて仕方がなかったし、父はただ元親をじっと見て何も言わない。元親は酷く居心地が悪くて、すぐに自分の部屋に戻った。出て行った時そのままの部屋には、ダサいポスターや古くさいCDが置いてあった。
太陽の匂いのする布団に埋もれ、天井を見上げる。以前より狭い。全てが平坦に見える。慣れればある程度の距離間は掴めると、友人に聞いた。だが今はとてもそうとは思えない。何もかもが不自然で、元親はイライラと布団を被った。
何日も実家に閉じこもっていた。やる事は無かったが、何かしようという気にはとてもならなかった。それでも父親に「散歩でもしてこい」と言われれば、世話になっている手前、形だけでも従わなければいけない。
のろのろと田舎の道を歩く。人に会いそうな広い道を避けて、田圃の畦道や林道を進んだ。それでも時折は人に会う。僅かに会釈して、何か話しかけようとするのを遮った。皆、元親に声をかけたが、詳しい話を聞きたくてたまらなそうな顔をしていたから、元親は嫌だった。
ふと、小川の有る道に差し掛かる。小さな橋が架かっていて、その奥に獣道にも見える筋が通っている。元親はその光景を思い出して、のろのろと獣道を進んだ。
山を登っていく。砂利道が長々と続いた。木々のアーチを潜りながら、しばらく上がると、そこに一軒の家が建っている。
廃屋、と呼べるかもしれない。そこに持ち主がまだ居るという確証は無かった。そっと家の前に行く。戸は開いていた。玄関をのぞき込む。人の気配はない。もう少し進むと、縁側と居間にたどり着く。
そこに、彼が居た。
ころん、と。猫が転がっている。首輪などはなかった。猫は元親を見ると、「ナァ」と鳴いた。その奥に、同じようにころんと、一人の青年が転がっている。こちらに背を向けているから、顔は見えなかった。けれど、判る。髪の柔らかさや、線の細さや、それに若いのに作務衣なんかを着ているところが、彼そのものだった。
「も……毛利……」
声をかける。猫が立ち上がって、伸びをした。猫は元親の方へ歩み寄り、そしてその右足をするりとかわして、背後へと行ってしまう。家の前は広い畑のようだった。ガーデン、と言ってもいいかもしれない。草だらけの荒れ地と違う点は、整合性が有るというそれだけの、酷い庭だった。少なくとも、元親にはそう見えた。
猫は庭の草をかき分けて、どこかに消えてしまった。元親が視線を戻すと、彼はこちらを見ていた。相変わらず横になったままで、頬杖を着いて、眉間に深い皺を寄せて。
「……」
「毛利……あの」
「待て、思い出す」
彼はしばらくそのままの姿勢で居て、やがて元親を指さし
「判った。……明智の従兄弟だ。……ち、……ち……、……ちま、……ちか……ああ、ちか、そうだ、長曾我部、元親だ」
大きな独り言を呟き、のろりと起き上がった。
「まぁ、上がれ」
彼は特に何も言わず、元親を手招いた。元親もそれに従い、そろりと居間に上がる。部屋の隅に羽と鳥の足が転がっていた。相変わらずだなあ、と元親は苦笑する。
「茶、麦茶、水、たんぽぽ……」
「麦茶で」
何か呟くのにそう返事をした。彼は冷蔵庫の方へ歩いていき、中からヤカンを取り出すと、湯呑みと共に持ってきた。
どん、とちゃぶ台において、湯呑みを元親に差しだし。それから彼は、元親の顔を見て。
「そなた、なんだその顔は!」
と、今気付いたように、声を上げた。
+++
書いてから気付いたけど、たぶんイメージしたものはきょーごくどーですよね
これ
どうしようかなあと考え中 続くならすぐエロくなるかも
医者は運が良かったと言った。左目だけですんだ、と。あの時誰かが叫ばなかったら、後頭部を強打した事は疑いようもなく、そうであったなら命は無かった。
運が良かったのだ。左目を失うだけですんだのだから。
高速旋盤の電源を入れた奴が居る。固定台の上に、物が乗っている事に気付かなかった奴が居る。そのまま何も考えずに動かした奴が居る。そして台の上に乗っていた、金属の固まりは、遠心力で飛んだ。その先で作業をしていた元親は、危ないという声に振り返って、そして、救急車で搬送された。
バイトだから、労災は下りない。バイトなりに精密作業をしていた。片目を失って、遠近感が無い以上、そんな仕事は出来ない。元親は仕事を失った。
運が、良かったのだ。
そう誰もが繰り返した。元親はただそれに頷いた。
運が、良かったのだ。
そう、運が良かったから、左目と、仕事と、夢と、居場所を失ったぐらいで、すんだ――!!
ガチャン、と家の鏡を叩き割って。それで元親は、町から去る事を決めた。残る事は出来なかった。仕事も金もない。左目もない。一人きりで残るには、町での暮らしは酷だった。
一山当てる、と夢だけを抱えて、町に出た。その時に散々反対した母は、元親が出したCDを大喜びで近所に配ったらしい。父はその時、身体は壊すんじゃねえぞ、とポツリと言っただけだった。
元親の郷里は山奥の小さな村で、村人の多くが地元でひっそりと農業や商業を営み、静かに人生を終える。元親はそんな村から飛び出した、珍しくはない若者の一人で、インディーズながらもCDデヴューを果たした、稀な人間の一人で、そしてその末に何も持たずに帰って来た、普通の人間だった。
周りから見ればその程度のものだったが、当事者である元親の心中は暗い。夢半ばに挫折し、しかも身体の一部を失っての帰宅。これほど情けない事が他に有るだろうか。これなら夢半ばに死んだほうがマシだった、と元親は何度も考えた。そのほうがよほど絵になるから。
誰にも見つからないように、そそくさと実家に帰るつもりだった。すぐにバレた。白い髪は田舎にそぐわない。町の派手な衣類は、この辺りでは奇妙な物だ。元親はすぐに誰かに声をかけられた。その度に元親は、微妙な笑みを浮かべて通り過ぎる。放っておいてほしかった。
実家にたどり着いても、母は泣いて泣いて仕方がなかったし、父はただ元親をじっと見て何も言わない。元親は酷く居心地が悪くて、すぐに自分の部屋に戻った。出て行った時そのままの部屋には、ダサいポスターや古くさいCDが置いてあった。
太陽の匂いのする布団に埋もれ、天井を見上げる。以前より狭い。全てが平坦に見える。慣れればある程度の距離間は掴めると、友人に聞いた。だが今はとてもそうとは思えない。何もかもが不自然で、元親はイライラと布団を被った。
何日も実家に閉じこもっていた。やる事は無かったが、何かしようという気にはとてもならなかった。それでも父親に「散歩でもしてこい」と言われれば、世話になっている手前、形だけでも従わなければいけない。
のろのろと田舎の道を歩く。人に会いそうな広い道を避けて、田圃の畦道や林道を進んだ。それでも時折は人に会う。僅かに会釈して、何か話しかけようとするのを遮った。皆、元親に声をかけたが、詳しい話を聞きたくてたまらなそうな顔をしていたから、元親は嫌だった。
ふと、小川の有る道に差し掛かる。小さな橋が架かっていて、その奥に獣道にも見える筋が通っている。元親はその光景を思い出して、のろのろと獣道を進んだ。
山を登っていく。砂利道が長々と続いた。木々のアーチを潜りながら、しばらく上がると、そこに一軒の家が建っている。
廃屋、と呼べるかもしれない。そこに持ち主がまだ居るという確証は無かった。そっと家の前に行く。戸は開いていた。玄関をのぞき込む。人の気配はない。もう少し進むと、縁側と居間にたどり着く。
そこに、彼が居た。
ころん、と。猫が転がっている。首輪などはなかった。猫は元親を見ると、「ナァ」と鳴いた。その奥に、同じようにころんと、一人の青年が転がっている。こちらに背を向けているから、顔は見えなかった。けれど、判る。髪の柔らかさや、線の細さや、それに若いのに作務衣なんかを着ているところが、彼そのものだった。
「も……毛利……」
声をかける。猫が立ち上がって、伸びをした。猫は元親の方へ歩み寄り、そしてその右足をするりとかわして、背後へと行ってしまう。家の前は広い畑のようだった。ガーデン、と言ってもいいかもしれない。草だらけの荒れ地と違う点は、整合性が有るというそれだけの、酷い庭だった。少なくとも、元親にはそう見えた。
猫は庭の草をかき分けて、どこかに消えてしまった。元親が視線を戻すと、彼はこちらを見ていた。相変わらず横になったままで、頬杖を着いて、眉間に深い皺を寄せて。
「……」
「毛利……あの」
「待て、思い出す」
彼はしばらくそのままの姿勢で居て、やがて元親を指さし
「判った。……明智の従兄弟だ。……ち、……ち……、……ちま、……ちか……ああ、ちか、そうだ、長曾我部、元親だ」
大きな独り言を呟き、のろりと起き上がった。
「まぁ、上がれ」
彼は特に何も言わず、元親を手招いた。元親もそれに従い、そろりと居間に上がる。部屋の隅に羽と鳥の足が転がっていた。相変わらずだなあ、と元親は苦笑する。
「茶、麦茶、水、たんぽぽ……」
「麦茶で」
何か呟くのにそう返事をした。彼は冷蔵庫の方へ歩いていき、中からヤカンを取り出すと、湯呑みと共に持ってきた。
どん、とちゃぶ台において、湯呑みを元親に差しだし。それから彼は、元親の顔を見て。
「そなた、なんだその顔は!」
と、今気付いたように、声を上げた。
+++
書いてから気付いたけど、たぶんイメージしたものはきょーごくどーですよね
これ
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