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めでぃのくの日記
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2025-01-19 (Sun)
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2008-08-01 (Fri)
 昨日のテレビでやってた洋式便器を髣髴とさせる
 ウォータースライダーに挑戦する夢を見ました
 その後溺れたので飛び起きましたが要するに悪夢だったと思います
 海行きてぇー! プール行きてぇー!
 子供の頃 浮き輪に捕まってぷかぷかしていたら沖まで流された
 悪夢を思い出しました。すげぇ恐かった。
 プールでなら泳げるんだけど海では顔をつける事も出来ません
 何ででしょうね。海に浮き輪無しで入ったら溺死する自信が有る。
 水泳は50mまではいけるんですけどね……海はダメ。すっげ恐い。
 プールだと底に縋り付いて限界までそこでじっとしてるのが一番好き
 なんですけどもね。なんすかね、私は前世海で水死でもしたんですかね

 予定通り作品を下げました。気が向いたら気に入らないトコ削って
 再アップなんて可能性も無いわけじゃないですが……ひとまず。

 以下、緋扇6

 掘っ立て小屋に、少年が転がっていた。布団を何枚も着ているのに、かたかたと震えている。彼は元就の姿に気付くと、笑顔を浮かべた。その顔は蒼白で、事情を知らない元就も、もうその命が長くない事は判った。

「おじうえ」

 少年は震える声で言った。

「帰ってくださったのですね、おじうえ」

「幸松丸……」

 思わず駆け寄り、元就は彼の手を握ってやろうと思ったが、どういう事かどれほど探しても、彼の手を見つける事は出来なかった。変わりに布団の隙間から、黒く変色した体が見えて、元就は眉を寄せた。なんだ、これは。

「おじうえ、われは、毛利を守れませんでした」

「そなたのせいではない」

「われはおじうえを、信じていました。おじうえは毛利に必要な方です」

 少年はそう言って微笑むと、静かに、静かに。

「もうりは、お返しいたします、おじうえ……」

 そう呟くと、それきり動かなくなって、元就は幸松丸の側でただただ涙した。ややして眼を開けると、幸松丸の体から黒の色が抜けていくのが見えた。元就は怪訝に思い、広俊を見る。彼もまた泣きながら、元就に言う。

「何が起こっているのか、わしにも判らぬのです。ある朝、そう、いつもと何も変わらぬ朝でした。突然、大群が襲って来たのです。それを軍と言うべきか群れと言うべきか、わしにも良く判りませぬ」

「群れ?」

 元就が首を傾げると、広俊はそうですと大きく頷いて答える。

「人の形をした、人でないものと思いました。まるで亡者の群れでございます。切っても切っても、次から次へと……そのうえ、彼らに一撃切られた者は、幸松丸様のように黒いものに体を侵され、間も無く死んでしまいました」

「……なんだ、それは。……では、相手は織田ではないのか?」

「人が相手ならばどれ程、気が楽だったでしょう……我々は何とも判らぬ亡者の群れに、国を滅ぼされたのです、元就様、おかわいそうな幸松丸様、死ぬならこの爺が死ねば良かったのに……」

 元就はその事についてしばらく考えていたが、結論が出たのは唯一つの項目だけで、それ以外については考えるだけ無駄と判断した。元就はそのまま、広俊の背を撫でて言った。

「福原、そなたは長年毛利に尽くしてきた良い家臣だ。そなたが生き残ってくれれば、毛利は再興出来る。そなたの力を貸してくれ、幸松丸のためにも……」

「元就様、では……」

「毛利の直系の子孫はもはや我のみ、なれば継ぐしか有るまい……だが。……先ほどの幸松丸の言葉、……我に返す、とは、どういう意味だ?」

 元就の問いに、広俊は泣きながら指差す事で答えた。示された先に、小さな文机が有って、その上に紙が何枚か置かれている。元就はそれに近寄ると、そっと開き、目を通した。






「毛利殿、毛利殿」

 光秀は元就を探していた。結局、大した情報は得られなかった。皆口を揃えて、何が起こったのか判らない、化け物のようだったとそれしか言わない。光秀は元就と落ち合い、今後の事を話し合おうとしていた。だが元就の姿が何処にも無い。

 光秀は声を上げて元就を探していた。と、

「ここだ」

 と元就の声がした。振り返ると、元就がこちらに歩いて来ている。

「毛利殿、ここに居ましたか」

「すまぬ。一言断って行けば良かったな」

 元就がそう言うと、光秀は一瞬怪訝そうな顔をして、それから「構いませんよ」と首を振った。

「それより、毛利殿。私は至急、尾張に帰ろうと思うのです」

「ほう」

「織田の仕業にしろ、そうでないにしろ、これほどの騒ぎになれば、織田の家臣が視察にぐらいはくるはずですが、その様子が見受けられません。織田の動きが止められているか、あるいは織田で何かが有ったかだと思うのです。私は情勢を見極めるために、織田に帰ろうと思います」

「そうだな、それが良かろう」

「毛利殿は中国の事がお有りでしょうから、ここに残られるがいいでしょう」

「いや、我も尾張に行く」

 元就がさらりとそう言ったものだから、光秀は目を丸くした。

「毛利殿?」

「幸松丸派の家臣団は殆ど死んだそうだ、佞臣も忠義には厚いと見える。幸いな事に我の外祖父である福原が生き残っておった。あれは老いてはおるが出来る男だ。桂、井上などの有力家臣も散り散りにはなったが、各々の領地の再興を目指し尽力しておる。今しばらくはこのような荒地を奪おうなどという奇特な者も現れるまい。念のため、中国に重大な伝染病が、……そうだな、全身が黒変し、死に到る病が流行しておるとの噂を広め、うかつに他国が攻め入れぬようにしておく」

「毛利殿、ですが……毛利には今、長が居ません。貴方はここに残り、中国を纏めるべきでは?」

「今、我があっさりと毛利の長になるとな、……色々問題が有るのだ。あるいは、中国を襲った軍勢が我の手下と言われかねまい」

 その言葉に光秀は納得した。つまり、元就かあるいは元就の熱心な信奉者が、謀反を起こしたという可能性も捨てきれないのだ。他ならぬ被害を受けた住民が、何が起こり誰に襲われたか判らない状況で、元就が長の座に戻ってしまえば、全てが自演だったのではないかと疑われてしまう。だから元就はすぐに中国の長になる事は出来ない。

「この上は真の敵を探り出し、討伐の名目を立ててから戻らねばな。それでも疑いは残るであろうが、少なくとも反感は減ろうというもの。……それに、……此度の事、織田の仕業ではないと、感じておる。……図々しい事だが、そなたと共に尾張に行き、状況を確かめたい。……そなたが嫌ならば、別の道で行くが」

 そう言う元就が目を伏せるので、その歯切れの悪い言葉が何を示しているのか、光秀にも判った。つまり、これまで疑った事に対して負い目を感じているのだ。光秀はそう考えて、それからにこりと笑んで言った。

「いえ、二人で行った方がいいでしょう。何しろ、正体不明の軍勢が出没しているのですから、一人旅は危険ですしね」

「だが……」

「もう一度言いましょうか? 私には貴方が必要なんですよ。無事、尾張に着くためにもね」

 光秀がそう言うと、元就は顔を上げた。僅かに眉を寄せている。

「あのように言われても、我が必要と申すか。我はそなたを殺そうとしたのだぞ」

「ええ、でも私、生きていますし」

「そういう問題では、」

「貴方だって、あれほど冷遇されておいて毛利家毛利家と言っているじゃあありませんか。同じ事ですよ」

「……」

 元就は困ったような顔をして黙り、それから静かに、

「では、……共に行っても良いのだな?」

 と尋ねた。その随分と下手な言葉に、光秀は微笑んで「もちろん」と頷いた。





 絶望にくれるのは光秀の番だった。

 東へ行く道はいつまで行っても荒れていた。変わらず滅び、変わらず嘆きの満ちたその様に、二人は嫌でも気付かされた。

 この滅びは、中国から東へと向かったものなのだ、と。

 もし東から滅びが来たのなら、東に行くほど復興するだろうに、その景色は変わらず、誰に何を聞いても答えは同じ、まるで何が起こったのか判らず、何に襲われたのか判らず、強いて言えば化け物か亡者に、そして切られた者は黒く変色して――。

 二人は自然に急ぎ、休む暇も無く東へと向かい、そして絶望の地へと足を踏み入れた。

 尾張もまた、滅んでいた。織田信長の居城、安土城も焼け落ち、今や第六天魔王の威厳の欠片も残ってはいなかった。

「公、信長公!」

 光秀は馬から飛び降りるなり、城に駆けて行った。元就は馬を二頭とも木に繋ぎ止めると、呆然と城を見上げた。土台と僅かな部分しか残していないそれは、もはや城と呼べる有様ではなく、一目で織田信長がどうなったのか予想出来る。だが元就が毛利家の滅亡を認めなかったように、幸松丸の死を見届けるまで動けなかったように、光秀もそうなるだろう事は判っていたので、元就は彼を追わなかった。代わりに、己が中国で錯乱している間、光秀がしていたように、生存者に事情を聞こうとした。

 周辺をのろのろと歩き、人の姿を探す。元々魔王の居城を恐れて、辺りに民家は殆ど無く、戸を開いても中は無人だった。これではどうにもならぬ、他の場所に行くか、と元就が思っていると、ふいに人の気配を感じた。

「明智?」

 元就はそう名を呼んで振り返ったが、そこに立っていたのは一人の女だった。その容貌は整っていて、美しいと形容するに相応しい様子だったが、彼女の表情は暗く、酷く憔悴している様子だった。彼女をどうして光秀だと思ったのか、元就は不思議に思ったが、話を聞こうと近寄る。

「女、何が有った。生き残ったのはそなただけか?」

 元就が問うたが、女は不思議そうな目で元就を見るばかりだった。女、ともう一度声を掛けると、彼女は小さな声で、呟くように言った。

「あなたは、光、あなたは、蝶」

 その言葉に元就は眉を寄せ、思わず立ち止まった。何処かで聞いた事が有る言葉だった。

「あなたは、自分を誤解している哀れな月。白く全てを惑わす闇夜の光。……あなたの声は、私達に悲しいほど届くの……」

「女……何を、言ってる?」

 元就はそう問いながら刀に手をかけた。辺りの空気が急に冷え込んでくる。首筋がぞくりと粟立ち、全身が危険を感じた。戦の前、人を切り殺す前の感覚だ。女はそれでも身動き一つせず、元就をぼうっと見ながら言葉を続ける。

「……ねぇ、もし……夜の空に、光る蝶が飛んだらどうなると思う……?」

 元就は答えなかったが、女は僅かに笑って言った。

「かわいそうな蝶は、蛾の群れに襲われて……月になれれば良かったのに、ましてや、太陽になれれば良かったのに、ね……」

「……」

「光は闇と番なのよ、……でもね、光は……相応しい姿になれないと……ふふ、おかわいそうな毛利様……」

「……っ、何故我の名を知っている……!?」

 元就が問うても、女は明確には答えなかった。だが女がゆらりと動き、その背後から二本の薙刀を出すのが見え、元就は自らも刀を抜いた。

「あなたは、自分が焼き殺した人に怯えたの……そうしてあなたは蝶になったの……蝶はね、羽根を毟られて、……かわいそう、飛ぶ事も出来ない蟻に屠られてしまうのよ……おかわいそうな毛利様……」

「黙れ……っ」

 元就が声を出したが、女は不思議そうに首を傾げて問う。

「だけどあなた、まだ生きているのね……不思議……あなた……もしかして……あの人と一緒に居るの……?」

「あの人?」

「あの子は帰らなくちゃいけないの……私と一緒に……なのに……そう、あなたと……」

 だったら、まずはあなたを、相応しい形にしないとね……。

 女はそう呟き、そして元就に向かって駆け出した。元就は咄嗟に刀を構えようとしたが、何かに阻まれて叶わない。はっとして足元を見ると、無数の黒い手が元就の足や腕に絡みつき、彼の動きを封じ込めている。元就は力の限り暴れ、その手を刀で切り飛ばしたが、蠢くそれは増えるばかりで。

 そしてはっと顔を上げた元就は次の瞬間、女の刃で切り捨てられていた。



 +++

 もしかしなくても確認してませんが蝶のくだりは某めっちゃ絵が上手い漫画とかぶってますかね。書いてからなんかどっかで見たような気がしたので……後々修正しよう。

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