という事で、ついでなのでラストも。
プレイしてないと飛び飛びで意味不明な仕様ですね。
以下、斬撃。
プレイしてないと飛び飛びで意味不明な仕様ですね。
以下、斬撃。
巨神族との最終決戦はあまりにも過酷で、人などが生き残れるようなものではなかった。それでも戦士達は戦う。勇敢な兄妹神の盾となり、囮となり、戦い続ける。最後の一人になるまで。死ぬその時まで、戦い続ける。
最初にやられたのは、ヴェルンドだった。彼は最後に、シグムンド達に何か叫んだ。恐らく危険を知らせたのだろう。その声でシグムンドも、レギンも、ヘルギも救われた。巨神の攻撃を間一髪、避ける事が出来た。
その代わり、ヴェルンドが。
巨神の大槌に薙ぎ払われて、木の葉のように飛ばされた。見なくても、死んだろう事ぐらいは判った。それでもヘルギは走った。シグムンドもレギンも止めはしなかった。分散した方が良い。もう戦士も殆ど生き残っていなかった。
草の中にヴェルンドが倒れていた。ヘルギは急いで駆け寄る。うつ伏せに倒れていた彼は、まだ息をしていたが、身体を見ただけでもうダメだと判った。仰向けにしてやると、彼は何かを言おうとして、ごぼりと血を吐き出した。
「ヴェルンド……」
「……は、ハ……っ、確かに、俺一人だと、ロクな事にならない……ッ、ようやく、死ぬみたいだな……」
散々死ぬと言っておいて、随分長生きをした。ヴェルンドはそう笑って、ヘルギを見る。笑っていた。
「……お前には、世話になった。ありがとう……」
「いいって事よ。仲間じゃねぇか」
「そうか、……仲間、か……」
ヴェルンドは何か言いたげだったが、恐らくそれを言わないまま、ただ一言。
「……ヴァルハラで、また会おう……」
それだけ呟いて、ゆっくりと、眼を閉じた。
ヘルギは走った。走った。走った。
シグムンドもレギンも、何処に居るかさえ判らない。ただ一面の、巨神族の群れ。その王フリムと戦い続ける、フレイとフレイヤ。あの日ヴェルンドを見捨てたフレイも、今なら同じ事はしないだろう。もうブルグント兵も、ヴェルンドも居ないけれど。
「うすのろ共! ヘルギ様はここに居るぞ!」
叫ぶ。力の限り叫び、命の限り駆けた。大地を揺るがす巨神達の足音。振り下ろされる大槌。何処かで誰かが叫んだ。フレイのために。フレイヤのために。世界のために。雄叫びを返して、力一杯弓を引き絞る。
俺達はきっと勝つ。その時、俺達が生きていなかったとしても。
矢を有る限り撃ち、それも無くなると、巨神族へと剣を振りかざし、走っていく。どうか、どうかこの戦いが、多くの死が無駄にならないように。それを願いながら、ヘルギはただ一人で、巨神達へ向かい、駆けた。
+++
高校の入学式における心情は複雑な物だ。これから新しい学生生活が始まるという期待と、上手くやっていけるだろうかという不安が混ざって、そわそわしてしまう。彼はまた特別体格が立派だったものだから、早くも体育系のクラブに目をつけられてしまったらしく、声をかけようとする先輩達からひたすらこそこそと逃げていた。
同い年の従兄弟と同じ学校。彼はそうして良く出来た従兄弟と同じ場所に居るのが好きだった。比べられる事は心地良い。従兄弟があまりに優秀だから、相手が悪いと皆思ってくれる。真っ向から勝負しない為に、側に居た。そうして自分を守っていた。
放課後。先輩達から逃げ惑っている間に、彼は迷子になってしまった。初めての学校をうろうろするべきじゃないな、と思いながら、彼は校舎内を歩いていた。どっちに行けば下駄箱だろうか、と思いながら、ふと窓の外を見る。
明るい髪の男が、一人中庭を歩いていた。彼は何故かそれが気になって、大急ぎで下に向かう。何故だか追いつかねばならない気がした。
彼は男を追って、校舎裏へと走る。見失ったか、と辺りを見回して、ようやく見つけた。そちらに向かっていると、男がこちらに振り向いた。端正な顔に不思議そうな表情を浮かべていたが、やがて何故だか柔らかく笑った。それにつられて、彼も笑った。
何故だか、何故だか判らない。判らないが、とても、嬉しかった。
おわり。
+++
公式で転生+現代だから遊びやすそうなんだけど、
問題は日本の高校生で「ヴェルンド」とか「ヘルギ」とかの名でいけるのかって事ですね。
最初にやられたのは、ヴェルンドだった。彼は最後に、シグムンド達に何か叫んだ。恐らく危険を知らせたのだろう。その声でシグムンドも、レギンも、ヘルギも救われた。巨神の攻撃を間一髪、避ける事が出来た。
その代わり、ヴェルンドが。
巨神の大槌に薙ぎ払われて、木の葉のように飛ばされた。見なくても、死んだろう事ぐらいは判った。それでもヘルギは走った。シグムンドもレギンも止めはしなかった。分散した方が良い。もう戦士も殆ど生き残っていなかった。
草の中にヴェルンドが倒れていた。ヘルギは急いで駆け寄る。うつ伏せに倒れていた彼は、まだ息をしていたが、身体を見ただけでもうダメだと判った。仰向けにしてやると、彼は何かを言おうとして、ごぼりと血を吐き出した。
「ヴェルンド……」
「……は、ハ……っ、確かに、俺一人だと、ロクな事にならない……ッ、ようやく、死ぬみたいだな……」
散々死ぬと言っておいて、随分長生きをした。ヴェルンドはそう笑って、ヘルギを見る。笑っていた。
「……お前には、世話になった。ありがとう……」
「いいって事よ。仲間じゃねぇか」
「そうか、……仲間、か……」
ヴェルンドは何か言いたげだったが、恐らくそれを言わないまま、ただ一言。
「……ヴァルハラで、また会おう……」
それだけ呟いて、ゆっくりと、眼を閉じた。
ヘルギは走った。走った。走った。
シグムンドもレギンも、何処に居るかさえ判らない。ただ一面の、巨神族の群れ。その王フリムと戦い続ける、フレイとフレイヤ。あの日ヴェルンドを見捨てたフレイも、今なら同じ事はしないだろう。もうブルグント兵も、ヴェルンドも居ないけれど。
「うすのろ共! ヘルギ様はここに居るぞ!」
叫ぶ。力の限り叫び、命の限り駆けた。大地を揺るがす巨神達の足音。振り下ろされる大槌。何処かで誰かが叫んだ。フレイのために。フレイヤのために。世界のために。雄叫びを返して、力一杯弓を引き絞る。
俺達はきっと勝つ。その時、俺達が生きていなかったとしても。
矢を有る限り撃ち、それも無くなると、巨神族へと剣を振りかざし、走っていく。どうか、どうかこの戦いが、多くの死が無駄にならないように。それを願いながら、ヘルギはただ一人で、巨神達へ向かい、駆けた。
+++
高校の入学式における心情は複雑な物だ。これから新しい学生生活が始まるという期待と、上手くやっていけるだろうかという不安が混ざって、そわそわしてしまう。彼はまた特別体格が立派だったものだから、早くも体育系のクラブに目をつけられてしまったらしく、声をかけようとする先輩達からひたすらこそこそと逃げていた。
同い年の従兄弟と同じ学校。彼はそうして良く出来た従兄弟と同じ場所に居るのが好きだった。比べられる事は心地良い。従兄弟があまりに優秀だから、相手が悪いと皆思ってくれる。真っ向から勝負しない為に、側に居た。そうして自分を守っていた。
放課後。先輩達から逃げ惑っている間に、彼は迷子になってしまった。初めての学校をうろうろするべきじゃないな、と思いながら、彼は校舎内を歩いていた。どっちに行けば下駄箱だろうか、と思いながら、ふと窓の外を見る。
明るい髪の男が、一人中庭を歩いていた。彼は何故かそれが気になって、大急ぎで下に向かう。何故だか追いつかねばならない気がした。
彼は男を追って、校舎裏へと走る。見失ったか、と辺りを見回して、ようやく見つけた。そちらに向かっていると、男がこちらに振り向いた。端正な顔に不思議そうな表情を浮かべていたが、やがて何故だか柔らかく笑った。それにつられて、彼も笑った。
何故だか、何故だか判らない。判らないが、とても、嬉しかった。
おわり。
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公式で転生+現代だから遊びやすそうなんだけど、
問題は日本の高校生で「ヴェルンド」とか「ヘルギ」とかの名でいけるのかって事ですね。
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浦崎谺叉琉と美流=イワフジがてんやわんや。
二人とも変態。永遠の中二病。
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