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昨日試してみたら少なくとも2回まではOKでした
良かった良かった……
以下、あきらめの11 黒いです
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良かった良かった……
以下、あきらめの11 黒いです
「皆殺してさ、幸せになろうって言ってたんだぁ。だってそうするしかねぇじゃん? 連中だってさ、こうなるの判ってて、ああいう事したんだろ? 家にゴミ撒いてさ。死ねって手紙書いてさ。それが望みだったんだろ? 殺す気だったんだ、だからこれは正当防衛って奴だよ。なぁ。やられる前に、やれって……さ!」
「……っ、ぐ、ぁ、! ……っは」
「何処に行っても、安らげる場所なんて無かったよ。何処にも。でもよぉ、強姦の何がそんなにいけないってんだ? 女なんて、喜んで脚開いてるじゃねえか。その為の生き物だろ? 男は種を撒く、女はそれを受け入れてガキ作る、それだけじゃねえか。それの何処が悪いってんだ? 少子化っつってんだから、ガキでも出来りゃあそりゃ表彰もんじゃないかよお。なあ、なあ!」
「――っ、ぎ、……っ、」
「苦しいか? 苦しいよな? 俺達はずっと苦しかった! だからそれを思い知らせてやってんだよ! どんな場所でも俺達は居場所が無かった。どんな場所でも迫害された。どんな場所でも幸せになれなかった! だからこうするしかないんだよ! 報復するしか! 何人でもこうして殺してやる、俺達の苦しみを味あわせてやる……自業自得だろ? お前らが迫害したから、俺はこうなったんだ! 甘んじて受け入れろよ? なあ、なあ?」
「……っ、そ、れで……どうして、……毛利を……っ」
元親がなんとか言葉を紡ぐと、興元は狂ったように笑ってから、元親の顔を覗き込んだ。
「だってそれしか幸せになる方法なんて無かったんだぜ、そうだろ? だからせめて俺が楽に殺してやるって言ったのに……言ったのにアイツ、アイツ逃げたんだ。俺は悲しかった、どうして元就に逃げられたのか判らなかった……。今なら判るよ、元就はお前のせいで歪んじまったんだ。俺達の幸福を受け入れられなくなった! でも俺は優しい兄だからさぁ。ちゃんと許してやったよ。一瞬で殺してやった……」
「て、メ……っぇ……っ!」
「でも、お前は許してやらないよぉ? たっぷり時間かけて殺してやるからな。ジジイとババアのおかげで、結構コツ掴めたんだぜ。ほぉら、苦しいだろ、苦しいだろ? アハハ、ハハハハ!」
意識が朦朧としてくる。苦しい。息が出来ない。全身が引きつって、助けを求める。あるいは死を求める。なのに、しばらくすると緩められて、意識もはっきり戻って来る。それを何度も繰り返すのだ。元親の体力は次第に奪われていく。興元は疲れた様子も無く、楽しそうに元親の首を何度でも締め上げた。
「俺にだってさぁ、夢とか有ったんだよ。幸せとか有ったんだよ。でもさ、皆踏みにじった。皆でだ! 皆して俺達の全てを壊した。なのに、俺達が一人二人壊し返して、それの何が悪いってんだ? 合法ならいいってのか? 法に触れなきゃ何をしてもいいのか? ええ? 手を下して無けりゃあ、母さんは殺されたんじゃないってのか? どうなんだよ。ほら、言ってみろよ。母さんは誰に殺されたんだ。言ってみろよ……!」
「……、……っ、……」
「おい、まだ死ぬんじゃねえぞ。元就の事を教えてくれよ。お前はどんな嫌がらせをしてたんだ? 元就にどんな酷い事をしてやったんだ? なあ。ここに来て何をしようと思ってたんだ? 死んでもまだ元就を許さないつもりだったのか? なんだよこの家、元就は未開人か? まるで原始人だ。こんな暮らしに追いやってたんだろ? なあ、さぞ元就が愉快だったろ、なあ、なあ、なあ! 言ってみろよ、どうやって元就を傷付けた? なあ!」
「……っ、傷付けたのは、……っテメェだ……!」
「……」
「どうして、……眼を潰した……っ、殺すだけで良かった、……はずだろうが……っ」
興元はしばらく黙って元親の首を絞め、そして手を離した。必死に呼吸をしている元親に、興元は言う。
「だって、俺の事、見てたんだ。アイツ、……俺の事、憐れむみたいな眼で。俺の事、見たんだ。だから……だから。俺達は不幸だった、だから幸せになるために……なのに、アイツが、……アイツはそれを否定したんだ。だから、だよ」
「……っ、馬鹿げてる……毛利は、毛利は……っが、ぁ……っ」
「もう喋んな、うぜぇから。そろそろ死なせてやるよ。先に元就んトコ行っとけ。それでテメェも文句無ぇだろ。なあ。幸せにしてやるんだ、嬉しいだろ? そら、そら、そら!」
ぐい、とこれまでにない強さで絞められて。元親は死を覚悟した。酷く苦しい、死だった。何も考えられなくなって、視界が霞む。
ふいに。
ふいに、何か、温かい物が、頬を掠めた気がした。
その直後、首を締めあげていたネクタイが緩む。元親は酸素を求めて激しく呼吸を繰り返した。まだ殺されないのか、と元親はぼんやり思ったが、耳だけは何か異常事態を察知していた。
「……そ、そんな……も、元就、そんな……そんなまさか、だって俺は、確かにお前を……」
興元が、何かうろたえている。
「嘘だ、嘘、嘘だ! そ、そんな眼で俺を見るな! どうしてだ、俺は、俺はお前を幸せに……! ま、待て、来るな、来るな! 来ないでくれ! う、うわぁあああ!」
興元は叫びながら、部屋を出て行った。元親はそれをぼんやりと感じていた。身体を起こす事も出来ず、ただ床に転がっていた。体力を使い果たしていた。ただ、自分は生き延びたのかもしれない、と思いながら、静かに眼を閉じた。
元親は元就の家の庭に立っていた。茫然と、立ちつくしていた。眼の前に元就が居て、誰かの背中を撫でている。元親ははっとして、「毛利!」とその名を呼んだ。
「どうした、長曾我部。暗い顔をして」
「どうしたって……お前、今まで何処に……っ、さ、探したんだ、探したんだぜ! なのに……。ま、……まぁいいや。帰ろう。帰ろう毛利。俺、お前が居なくなっちまったって、すごく、すごく怖かったんだ。帰ろう」
「我は帰れぬ」
元就は悲しげに笑った。元親は気付いた。これは現実ではないと。元就はもう、何処にも居ない。これは夢か何かだ。覚めれば消えてしまう幻だ。元親は途端に悲しくなって、元就を抱きしめたいと思った。けれど、身体が動かない。何故だか、先に進めなかった。
「毛利、一緒に帰ろう。大丈夫だよ、きっと何か、いい方法が有る」
「そんなものは無い」
「毛利」
「すまぬが我はこちらに残らねばならん。そなたは帰れ」
「嫌だ、嫌だよ毛利。一緒に居てくれ。お前が居ないと、俺……俺ダメだ。俺、幸せに何かなれない。お前が居ないと笑えない。お前が居ないと、歩けない、立てない、生きて、いけない……」
「そんな事は無い」
「毛利、毛利ぃ、頼む、頼むから……」
元就は困ったような笑みを浮かべて、元親に言う。
「そなたは大丈夫だ。支える者はいくらでも居る。我が居なくても、生きていける。それにな、我はずっとそなたの側に居るぞ。見えぬだけだ。心配するな。そなたを守ってやる。……だがな、長曾我部。兄には、我しか居ないのだ」
は、とよく見れば、元就はしゃがみこんだ興元の背を撫でていた。怒りが込み上げてきたが、やはり近寄る事は出来ない。元就は自分を殺した兄の背を、優しく撫でてやっている。
「兄には敵ばかりだ。だから兄はこうなってしまった。兄には我が必要だ。我が支えてやらねば、兄は次の段階にいけぬ。……兄は責任持って、我が連れて行く故。そなたは憎み、恨む事をしてはならぬ。アレは人を壊す故な」
「でも、そいつはお前を……! 許す事なんて、出来ない……!」
「自分の顔を良く見てみるがいい。今のそなた、兄にそっくりだ」
元親は息を呑んで、そして自分の顔に触れる。そうかもしれない、と思った。憎悪が身体を蝕んで、心が張り裂けそうだった。今すぐ殺してやりたい相手が居た。彼の事を、どれほど苦しめて殺すかと考えた。……確かに、同じだった。
「そのような顔をさせたくは無いが、さりとて我は戻る事も出来ぬ。せめて、そなた周りの全ての人間に甘えておけ。大丈夫、皆支えてくれるだろう。今はどんなに辛くても、そのうち何もかも下らない事になるのだ」
「下らない!? お前が死んだ事が!? そんな事有るわけない! 俺は、……俺は乗り越えられない、お前の事をつまらない話になんか出来ない! 毛利、……元就、元就が居なけりゃあ、生きていけない……!」
「……元親、聞き分けろ」
元就はだだをこねる子供を諭すかのように、穏やかな声で言う。
「季節が廻れば、花は種を付けるし、虫は子を成して死ぬものだ。誰しもその大いなる流れに逆らう事は出来ぬ。だから我も、そういう流れの一つとして、今、肉体を失っただけだ。だからといって、我が消え失せる事は決して無い。少なくとも、そなたが我の事を覚えているうちにはな。……大丈夫だ、元親。側に居る。ほら、早く帰れ。……ああ、迎えが来たようだ。さあ、元親。大丈夫だ。眼を覚ませ」
「……元親殿、元親殿」
気付くと、眼の前に光秀が居た。何か言おうとしたが、酷く喉が痛んで、咳き込む。縛り上げてられていた物は取り外されていたが、全身が痛んで上手く動けない。
「大丈夫ですか。救急車は呼んだので、すぐ来てくれると思いますが……」
「……っ、光秀、お前どうして、ここに……」
「さあ……虫の報せとか、……そういうものです。毛利殿に、呼ばれた気がしましてね……」
「……あいつ……あの野郎……毛利を殺した奴が……っ、あいつを、捕まえなきゃあ……」
「ご心配無く、元親殿」
光秀は元親を制しながら、言った。
「彼ならもう、死にましたから」
+++
サイト史上稀に見る黒兄上
「……っ、ぐ、ぁ、! ……っは」
「何処に行っても、安らげる場所なんて無かったよ。何処にも。でもよぉ、強姦の何がそんなにいけないってんだ? 女なんて、喜んで脚開いてるじゃねえか。その為の生き物だろ? 男は種を撒く、女はそれを受け入れてガキ作る、それだけじゃねえか。それの何処が悪いってんだ? 少子化っつってんだから、ガキでも出来りゃあそりゃ表彰もんじゃないかよお。なあ、なあ!」
「――っ、ぎ、……っ、」
「苦しいか? 苦しいよな? 俺達はずっと苦しかった! だからそれを思い知らせてやってんだよ! どんな場所でも俺達は居場所が無かった。どんな場所でも迫害された。どんな場所でも幸せになれなかった! だからこうするしかないんだよ! 報復するしか! 何人でもこうして殺してやる、俺達の苦しみを味あわせてやる……自業自得だろ? お前らが迫害したから、俺はこうなったんだ! 甘んじて受け入れろよ? なあ、なあ?」
「……っ、そ、れで……どうして、……毛利を……っ」
元親がなんとか言葉を紡ぐと、興元は狂ったように笑ってから、元親の顔を覗き込んだ。
「だってそれしか幸せになる方法なんて無かったんだぜ、そうだろ? だからせめて俺が楽に殺してやるって言ったのに……言ったのにアイツ、アイツ逃げたんだ。俺は悲しかった、どうして元就に逃げられたのか判らなかった……。今なら判るよ、元就はお前のせいで歪んじまったんだ。俺達の幸福を受け入れられなくなった! でも俺は優しい兄だからさぁ。ちゃんと許してやったよ。一瞬で殺してやった……」
「て、メ……っぇ……っ!」
「でも、お前は許してやらないよぉ? たっぷり時間かけて殺してやるからな。ジジイとババアのおかげで、結構コツ掴めたんだぜ。ほぉら、苦しいだろ、苦しいだろ? アハハ、ハハハハ!」
意識が朦朧としてくる。苦しい。息が出来ない。全身が引きつって、助けを求める。あるいは死を求める。なのに、しばらくすると緩められて、意識もはっきり戻って来る。それを何度も繰り返すのだ。元親の体力は次第に奪われていく。興元は疲れた様子も無く、楽しそうに元親の首を何度でも締め上げた。
「俺にだってさぁ、夢とか有ったんだよ。幸せとか有ったんだよ。でもさ、皆踏みにじった。皆でだ! 皆して俺達の全てを壊した。なのに、俺達が一人二人壊し返して、それの何が悪いってんだ? 合法ならいいってのか? 法に触れなきゃ何をしてもいいのか? ええ? 手を下して無けりゃあ、母さんは殺されたんじゃないってのか? どうなんだよ。ほら、言ってみろよ。母さんは誰に殺されたんだ。言ってみろよ……!」
「……、……っ、……」
「おい、まだ死ぬんじゃねえぞ。元就の事を教えてくれよ。お前はどんな嫌がらせをしてたんだ? 元就にどんな酷い事をしてやったんだ? なあ。ここに来て何をしようと思ってたんだ? 死んでもまだ元就を許さないつもりだったのか? なんだよこの家、元就は未開人か? まるで原始人だ。こんな暮らしに追いやってたんだろ? なあ、さぞ元就が愉快だったろ、なあ、なあ、なあ! 言ってみろよ、どうやって元就を傷付けた? なあ!」
「……っ、傷付けたのは、……っテメェだ……!」
「……」
「どうして、……眼を潰した……っ、殺すだけで良かった、……はずだろうが……っ」
興元はしばらく黙って元親の首を絞め、そして手を離した。必死に呼吸をしている元親に、興元は言う。
「だって、俺の事、見てたんだ。アイツ、……俺の事、憐れむみたいな眼で。俺の事、見たんだ。だから……だから。俺達は不幸だった、だから幸せになるために……なのに、アイツが、……アイツはそれを否定したんだ。だから、だよ」
「……っ、馬鹿げてる……毛利は、毛利は……っが、ぁ……っ」
「もう喋んな、うぜぇから。そろそろ死なせてやるよ。先に元就んトコ行っとけ。それでテメェも文句無ぇだろ。なあ。幸せにしてやるんだ、嬉しいだろ? そら、そら、そら!」
ぐい、とこれまでにない強さで絞められて。元親は死を覚悟した。酷く苦しい、死だった。何も考えられなくなって、視界が霞む。
ふいに。
ふいに、何か、温かい物が、頬を掠めた気がした。
その直後、首を締めあげていたネクタイが緩む。元親は酸素を求めて激しく呼吸を繰り返した。まだ殺されないのか、と元親はぼんやり思ったが、耳だけは何か異常事態を察知していた。
「……そ、そんな……も、元就、そんな……そんなまさか、だって俺は、確かにお前を……」
興元が、何かうろたえている。
「嘘だ、嘘、嘘だ! そ、そんな眼で俺を見るな! どうしてだ、俺は、俺はお前を幸せに……! ま、待て、来るな、来るな! 来ないでくれ! う、うわぁあああ!」
興元は叫びながら、部屋を出て行った。元親はそれをぼんやりと感じていた。身体を起こす事も出来ず、ただ床に転がっていた。体力を使い果たしていた。ただ、自分は生き延びたのかもしれない、と思いながら、静かに眼を閉じた。
元親は元就の家の庭に立っていた。茫然と、立ちつくしていた。眼の前に元就が居て、誰かの背中を撫でている。元親ははっとして、「毛利!」とその名を呼んだ。
「どうした、長曾我部。暗い顔をして」
「どうしたって……お前、今まで何処に……っ、さ、探したんだ、探したんだぜ! なのに……。ま、……まぁいいや。帰ろう。帰ろう毛利。俺、お前が居なくなっちまったって、すごく、すごく怖かったんだ。帰ろう」
「我は帰れぬ」
元就は悲しげに笑った。元親は気付いた。これは現実ではないと。元就はもう、何処にも居ない。これは夢か何かだ。覚めれば消えてしまう幻だ。元親は途端に悲しくなって、元就を抱きしめたいと思った。けれど、身体が動かない。何故だか、先に進めなかった。
「毛利、一緒に帰ろう。大丈夫だよ、きっと何か、いい方法が有る」
「そんなものは無い」
「毛利」
「すまぬが我はこちらに残らねばならん。そなたは帰れ」
「嫌だ、嫌だよ毛利。一緒に居てくれ。お前が居ないと、俺……俺ダメだ。俺、幸せに何かなれない。お前が居ないと笑えない。お前が居ないと、歩けない、立てない、生きて、いけない……」
「そんな事は無い」
「毛利、毛利ぃ、頼む、頼むから……」
元就は困ったような笑みを浮かべて、元親に言う。
「そなたは大丈夫だ。支える者はいくらでも居る。我が居なくても、生きていける。それにな、我はずっとそなたの側に居るぞ。見えぬだけだ。心配するな。そなたを守ってやる。……だがな、長曾我部。兄には、我しか居ないのだ」
は、とよく見れば、元就はしゃがみこんだ興元の背を撫でていた。怒りが込み上げてきたが、やはり近寄る事は出来ない。元就は自分を殺した兄の背を、優しく撫でてやっている。
「兄には敵ばかりだ。だから兄はこうなってしまった。兄には我が必要だ。我が支えてやらねば、兄は次の段階にいけぬ。……兄は責任持って、我が連れて行く故。そなたは憎み、恨む事をしてはならぬ。アレは人を壊す故な」
「でも、そいつはお前を……! 許す事なんて、出来ない……!」
「自分の顔を良く見てみるがいい。今のそなた、兄にそっくりだ」
元親は息を呑んで、そして自分の顔に触れる。そうかもしれない、と思った。憎悪が身体を蝕んで、心が張り裂けそうだった。今すぐ殺してやりたい相手が居た。彼の事を、どれほど苦しめて殺すかと考えた。……確かに、同じだった。
「そのような顔をさせたくは無いが、さりとて我は戻る事も出来ぬ。せめて、そなた周りの全ての人間に甘えておけ。大丈夫、皆支えてくれるだろう。今はどんなに辛くても、そのうち何もかも下らない事になるのだ」
「下らない!? お前が死んだ事が!? そんな事有るわけない! 俺は、……俺は乗り越えられない、お前の事をつまらない話になんか出来ない! 毛利、……元就、元就が居なけりゃあ、生きていけない……!」
「……元親、聞き分けろ」
元就はだだをこねる子供を諭すかのように、穏やかな声で言う。
「季節が廻れば、花は種を付けるし、虫は子を成して死ぬものだ。誰しもその大いなる流れに逆らう事は出来ぬ。だから我も、そういう流れの一つとして、今、肉体を失っただけだ。だからといって、我が消え失せる事は決して無い。少なくとも、そなたが我の事を覚えているうちにはな。……大丈夫だ、元親。側に居る。ほら、早く帰れ。……ああ、迎えが来たようだ。さあ、元親。大丈夫だ。眼を覚ませ」
「……元親殿、元親殿」
気付くと、眼の前に光秀が居た。何か言おうとしたが、酷く喉が痛んで、咳き込む。縛り上げてられていた物は取り外されていたが、全身が痛んで上手く動けない。
「大丈夫ですか。救急車は呼んだので、すぐ来てくれると思いますが……」
「……っ、光秀、お前どうして、ここに……」
「さあ……虫の報せとか、……そういうものです。毛利殿に、呼ばれた気がしましてね……」
「……あいつ……あの野郎……毛利を殺した奴が……っ、あいつを、捕まえなきゃあ……」
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