暖かいような寒いような微妙な……季節ですね
しんどいです
以下、ガチの11?
次で終わります
しんどいです
以下、ガチの11?
次で終わります
駐車場に車を停めて。元就を見る。彼は相変わらずジャケットを抱いてじっとしている。エンジンを切って、車内がしんと静まると、また元就の呼吸が聞こえた。やはり酒以外にもクスリが入っているようだ、と元親は溜息を吐く。後で処理してやらないといけないかもしれない。
静かに車を出て、助手席のドアを開く。元就を出そうとするが、今度はジャケットを抱いたまま放さない。
「元就ぃ……部屋に行こうぜ。な、ほら、本物の俺だよ。こっちに掴まれ」
元就はやはりのろのろと元親を見て、そっと腕を伸ばしてきた。その手を取って首の後ろに回してやり、横抱きにする。元就が男らしくなくて良かった、と思いながら、脚で車のドアを閉めた。あまり重くはないし、何より人に見られても女と勘違いしてもらえそうだった。
なんとか部屋まで戻り、扉を開けるとそのままベッドルームに運ぶ。そっとベッドに横たえてから、「皺になっちゃいけないから、脱ごうな」と優しく声をかけてやる。元就はなにやらむずがったが、抵抗はしないので、また絡まったりしないよう、慎重に服を脱がせた。
下着を脱がせて元親は溜息を吐いた。元就の体は明らかに熱を持っている。時折はぁと熱い息を漏らしているし、こりゃたまらねぇだろうな、と元親は思い、一度その場を離れた。
玄関に鍵をかけ、元就の服と自分の服を洗濯機に放り込む。恐らく欲しがるだろうと水を用意して、元就の所へ向かう。一緒に布団に潜って、身体を撫でてやった。元就は「んん」と声を漏らして、元親に身を寄せた。
「……なぁ、元就。それ以上はしないって約束するからさ……触ってもいいか? このままじゃ、辛いだろ?」
優しく言葉をかけながら抱き寄せ、そこに触れる。元就は一瞬びくりと身を引きつらせたが、何も言わなかった。
「いい子だ。大丈夫だからな」
そっと撫でながら様子を伺う。元就は僅かに目を開けて、元親を見ていた。相変わらず不安そうな顔をしている。
「大丈夫、怖い事も、痛い事しないから、な。……にしてもお前、なんだってあんな所に行ったんだ? 下手したらあいつらに食われちまってたぜ」
「食べられる……?」
「犯されるって事。……もう着いて行っちゃだめだぞ、もし興味が有るなら、俺に相談してから……」
「相談、したのだ」
「……何?」
「明智に相談したのだ。そなたの事」
どうも話がかみ合わない。
「誰だその、明智って」
「明智はな、悪い奴ではないのだ。ちょっと酷いだけで……」
全くかみ合わない。
「……まぁいいや。それで、相談したって? 俺の事?」
「ん」
「……想像するに、……信用されてないのか?」
「していない事もない、ただ信じきるのは怖いのだ」
それを信用されていないというのだ。
「……まぁ俺も自慢出来ねぇ生き方してきたから、文句は言えねえけどよ。……俺、本当にお前の事好きなんだぜ? 今までで一番だ。ほんとだよ。……あー、なんかいくら言葉並べても、ますます信用が無くなっていくような気がしてきた……どうしたらいいのかな、元就……」
元親は元就を撫でて尋ねたが、彼はぼんやりとして特に返事も無い。元親は溜息を吐いて元就を抱き寄せた。今ほど己の素行を悔やんだ事は無い。やはりこんなに純粋な人間と、自分とでは釣り合わないのだと感じた。こいつにはたぶん、清楚なお嬢様とかが似合うんだ。世間知らず同士で、あれこれ考えながら、何もかも初々しい暮らしをするような、そんな。
「そなたになら、食われてもよい」
そんな女と、幸せな家庭を……。
「……って、な、な、な……」
元就が急にとんでもない事を言ったものだから、元親は仰天してしまった。元就の方は相変わらずの表情で、「そなたになら」と繰り返す。
「も、元就……」
「本当の事を言うと、疑ってなどいないのかもしれぬ。我はただそなたが好きで、たまらないのだ。もう誤魔化しようはないし、どうにもならないのだから、……だから後悔するような事も決して無いのに、我は何を悩んでいたのだろう……」
「元就、」
「そなたになら、何をされてもいい、元親」
それは、もう、反則だろうがよ。
元親はそう叫びたかった。それさえ出来ず、元親は硬直して、しばらくしてやっと、元就をぎゅうぎゅう抱きしめた。
+++
その後も彼らの生活は、劇的には変わらなかった。
ただ翌日の元就は、二日酔いによる頭痛と、訳が判らないうちにしてしまった告白に布団をかぶって苦しんだ。厳密に言えば後者は恥ずかしくてたまらなかった。悪い事には記憶が残っている。自分がどんな爆弾発言をしたか判っているから、どうにも顔が熱くなってしまう。
告白を受けた元親のほうは、いつにも増して上機嫌で元就を世話をする。抱いたりキスを落としたりと忙しい。しかも昨夜には多少の行為はしてしまった。それは性交と言うにはあまりに稚拙で、おまけに元親のほうは全く満足出来なかっただろうに、彼は酷く幸せそうな顔で、元就の名を呼んだりする。
元就はしばらく生きた心地がしなかったが、やがて開き直った。
つまり、我らは付き合う事になったのだ。
元就の年齢と同じ独り身歴が、ようやく終わったのだった。
一緒に住もう、と言われたのはそれからしばらくした時で。元就は困ってしまった。家族に説明しなければ、家を出る事は出来ないだろう。だがなんと説明すればいいのか。下手をしたら、卒倒されてしまうかもしれない。
元就は長い間悩んで、そしてようやく、兄にだけ事実を打ち明ける事にした。ところが、大事な話が有ると呼び出しても、なかなか話を切り出せなかった元就に、
「なんだ、元親君とついに結婚するのか?」
と興元が言ったものだから、元就のほうが卒倒しそうになった。
慌てて話を聞くと、どうやら興元も、ましてや父も義母も、かなり前から元就の性癖にも、付き合っている相手が元親だという事にも気付いていたらしい。その上で温かい目で見守っていたというのだ。元就は本当に倒れて消えてなくなりたいと思った。
「いいんだよ、あのな、元就。俺はな、お前に今度こそ幸せになって欲しいんだ。それだけでいいんだ」
今度こそ、という言葉の意味は判らなかったが、元就はありがとうございます、と何度も頭を下げて。
そして彼らはめでたく同棲する事になった。
+++
兄上は元就が大好きなのです
静かに車を出て、助手席のドアを開く。元就を出そうとするが、今度はジャケットを抱いたまま放さない。
「元就ぃ……部屋に行こうぜ。な、ほら、本物の俺だよ。こっちに掴まれ」
元就はやはりのろのろと元親を見て、そっと腕を伸ばしてきた。その手を取って首の後ろに回してやり、横抱きにする。元就が男らしくなくて良かった、と思いながら、脚で車のドアを閉めた。あまり重くはないし、何より人に見られても女と勘違いしてもらえそうだった。
なんとか部屋まで戻り、扉を開けるとそのままベッドルームに運ぶ。そっとベッドに横たえてから、「皺になっちゃいけないから、脱ごうな」と優しく声をかけてやる。元就はなにやらむずがったが、抵抗はしないので、また絡まったりしないよう、慎重に服を脱がせた。
下着を脱がせて元親は溜息を吐いた。元就の体は明らかに熱を持っている。時折はぁと熱い息を漏らしているし、こりゃたまらねぇだろうな、と元親は思い、一度その場を離れた。
玄関に鍵をかけ、元就の服と自分の服を洗濯機に放り込む。恐らく欲しがるだろうと水を用意して、元就の所へ向かう。一緒に布団に潜って、身体を撫でてやった。元就は「んん」と声を漏らして、元親に身を寄せた。
「……なぁ、元就。それ以上はしないって約束するからさ……触ってもいいか? このままじゃ、辛いだろ?」
優しく言葉をかけながら抱き寄せ、そこに触れる。元就は一瞬びくりと身を引きつらせたが、何も言わなかった。
「いい子だ。大丈夫だからな」
そっと撫でながら様子を伺う。元就は僅かに目を開けて、元親を見ていた。相変わらず不安そうな顔をしている。
「大丈夫、怖い事も、痛い事しないから、な。……にしてもお前、なんだってあんな所に行ったんだ? 下手したらあいつらに食われちまってたぜ」
「食べられる……?」
「犯されるって事。……もう着いて行っちゃだめだぞ、もし興味が有るなら、俺に相談してから……」
「相談、したのだ」
「……何?」
「明智に相談したのだ。そなたの事」
どうも話がかみ合わない。
「誰だその、明智って」
「明智はな、悪い奴ではないのだ。ちょっと酷いだけで……」
全くかみ合わない。
「……まぁいいや。それで、相談したって? 俺の事?」
「ん」
「……想像するに、……信用されてないのか?」
「していない事もない、ただ信じきるのは怖いのだ」
それを信用されていないというのだ。
「……まぁ俺も自慢出来ねぇ生き方してきたから、文句は言えねえけどよ。……俺、本当にお前の事好きなんだぜ? 今までで一番だ。ほんとだよ。……あー、なんかいくら言葉並べても、ますます信用が無くなっていくような気がしてきた……どうしたらいいのかな、元就……」
元親は元就を撫でて尋ねたが、彼はぼんやりとして特に返事も無い。元親は溜息を吐いて元就を抱き寄せた。今ほど己の素行を悔やんだ事は無い。やはりこんなに純粋な人間と、自分とでは釣り合わないのだと感じた。こいつにはたぶん、清楚なお嬢様とかが似合うんだ。世間知らず同士で、あれこれ考えながら、何もかも初々しい暮らしをするような、そんな。
「そなたになら、食われてもよい」
そんな女と、幸せな家庭を……。
「……って、な、な、な……」
元就が急にとんでもない事を言ったものだから、元親は仰天してしまった。元就の方は相変わらずの表情で、「そなたになら」と繰り返す。
「も、元就……」
「本当の事を言うと、疑ってなどいないのかもしれぬ。我はただそなたが好きで、たまらないのだ。もう誤魔化しようはないし、どうにもならないのだから、……だから後悔するような事も決して無いのに、我は何を悩んでいたのだろう……」
「元就、」
「そなたになら、何をされてもいい、元親」
それは、もう、反則だろうがよ。
元親はそう叫びたかった。それさえ出来ず、元親は硬直して、しばらくしてやっと、元就をぎゅうぎゅう抱きしめた。
+++
その後も彼らの生活は、劇的には変わらなかった。
ただ翌日の元就は、二日酔いによる頭痛と、訳が判らないうちにしてしまった告白に布団をかぶって苦しんだ。厳密に言えば後者は恥ずかしくてたまらなかった。悪い事には記憶が残っている。自分がどんな爆弾発言をしたか判っているから、どうにも顔が熱くなってしまう。
告白を受けた元親のほうは、いつにも増して上機嫌で元就を世話をする。抱いたりキスを落としたりと忙しい。しかも昨夜には多少の行為はしてしまった。それは性交と言うにはあまりに稚拙で、おまけに元親のほうは全く満足出来なかっただろうに、彼は酷く幸せそうな顔で、元就の名を呼んだりする。
元就はしばらく生きた心地がしなかったが、やがて開き直った。
つまり、我らは付き合う事になったのだ。
元就の年齢と同じ独り身歴が、ようやく終わったのだった。
一緒に住もう、と言われたのはそれからしばらくした時で。元就は困ってしまった。家族に説明しなければ、家を出る事は出来ないだろう。だがなんと説明すればいいのか。下手をしたら、卒倒されてしまうかもしれない。
元就は長い間悩んで、そしてようやく、兄にだけ事実を打ち明ける事にした。ところが、大事な話が有ると呼び出しても、なかなか話を切り出せなかった元就に、
「なんだ、元親君とついに結婚するのか?」
と興元が言ったものだから、元就のほうが卒倒しそうになった。
慌てて話を聞くと、どうやら興元も、ましてや父も義母も、かなり前から元就の性癖にも、付き合っている相手が元親だという事にも気付いていたらしい。その上で温かい目で見守っていたというのだ。元就は本当に倒れて消えてなくなりたいと思った。
「いいんだよ、あのな、元就。俺はな、お前に今度こそ幸せになって欲しいんだ。それだけでいいんだ」
今度こそ、という言葉の意味は判らなかったが、元就はありがとうございます、と何度も頭を下げて。
そして彼らはめでたく同棲する事になった。
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兄上は元就が大好きなのです
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