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めでぃのくの日記
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2025-01-19 (Sun)
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2008-01-19 (Sat)
 個人的な一線を越えてしまったぜ……ははは
 あとはのとなれやまとなれ……げひゃひゃひゃひゃ

 ……こえええぇええええ。どうなっちゃうんだろう胃が痛い。
 ものすごい小心者ですから。もう。

 でも知らない、人間は自分のしたいようにしかしないんだから。
 

 以下、かけつき。
 だんだん文章が雑になっていると判っているのですが。
 普段からこんぐらいのクオリティです。
 パソ画面見てないしな。

 元親は四国に帰らず、奥州に行った。
 
 奥州筆頭の伊達政宗とは酒を酌み交わす仲だ。同じような境遇であるし、軍の雰囲気も良く似ていて二人は気の合う友でもあった。領地が離れ過ぎていて、攻める攻めないの話にならない事もあって、元親は頻繁に政宗の領地を訪れていた。
 
 その時も、元親は政宗と酒を飲むつもりで、奥州へ向かったのだ。この良く判らない不安な感覚も、きっとあいつと酒を飲んでる間に忘れるだろう、と思っての事だ。

 だがいざ政宗の屋敷を訪れると、中は静まり返っていて不気味なほどだった。いつも威勢のいい彼の家臣達が走り回っているのに、今日は誰も居ない。仕方なく、屋敷の中を歩いていると、片倉小十郎を見つけた。彼は縁側に腰掛けて、背中を丸めていた。いつも厳しく己を律している彼が、そんな姿で居る事に元親は心底驚いた。

「どうした、何かあったのか?」

 そうする事を許されていたので、元親が気軽に声をかけても、小十郎は僅かに元親を見やっただけで、うなだれるばかりだった。

「なぁ、どうしちまったんだ? 独眼竜は何処だ?」

「……政宗様は今、出て来れねぇ。今日は帰ってくれ」

 小十郎はそうそっけなく答えてまた黙る。それがまた不安で、元親は彼に近寄ると、改めて尋ねる。

「なぁ、教えてくれよ。何が有ったんだ?」

「……」

 小十郎はしばらく黙っていたが、一つため息を吐き出すと、事の次第を語り始めた。

 つい先日の事、松永久秀という男が軍を率いて、突然奥州を攻めてきた。攻めてきた上に、小さな城を一つ落とすと、それで黙ってしまった。しかも城から出て行ってしまった。
 
 軍を率いて駆けつけた時にはもう、何もかもが奪われた後で、政宗は大変に怒った。彼は軍を率いて久秀の後を追う。当然その中に小十郎も居た。

 久秀は捕らえた兵達を人質にして、政宗の刀と引き換えだと言った。政宗は素直に刀を差し出した。

 久秀は刀を受け取ると、満足げに、政宗の足元を爆破し、彼は衝撃と火傷で重症を負った。小十郎はそんな政宗を抱えて、そこから逃げ帰る事しか出来なかった。

 そうして意識の無い主君を抱えて、屋敷まで戻ったが、主君は未だ目覚めず、今はただ回復を待っているだけなのだ――と、小十郎は教えてくれた。

 その言葉に深い憤りと、何故だか少々の焦りを覚えた元親は、

「俺が取り返して来てやる」

 と咄嗟に言ってしまった。が、それに対して小十郎は鋭い視線を投げて、「余計な世話だ」と呟くだけだった。

「俺とあいつは友だ。そんな卑劣な事をした奴を許しちゃおけねえ。俺が行って取り返してやる」

「止めておけ」

「なんでだ」

「これはな、俺達の、政宗様の問題だ。てめぇが首突っ込んでいい話じゃねぇんだ」

 それよりお前、政宗様の事を本当に思ってくれるなら、悪いが今日のところは帰ってくれねえか。

 小十郎が静かに退場を促す。元親はやりきれない思いを抱えていたが、仕方なく屋敷を後にした。

 それから元親は、再び中国へ戻る事にした。目的は元就だった。

 毛利の屋敷に着いた頃は既に夕刻で、元就は庭で夕日を寂しげに見つめていた。そんな元就に声をかけ、部屋に入ると元親は奥州の件を説明した。

 元就は始終黙って話を聞いていたが、元親が大切なことを切り出す前に、

「ならぬ」

 と元就は一言答えた。

「ま、まだ何も言ってないじゃねぇか!」

「どうせ独眼竜の敵討ちに、松永を攻めたいなどと言い出すつもりであろう。ならぬ」

「なんでいけねぇんだよ」

「理由は三つ有る。一つは松永の所在は不明だ。そんなもの攻めていたら時間がいくらかかるか判らない。二つ目は松永を攻めたところで何の利益も無いからだ。最後の一つは、これは独眼竜と松永の問題であって、他人がどうこうするべき事ではない。ゆえに、ならぬ」

「あんたに許可は求めてねえ。俺が知りたいのは松永の事だけだ」

「我はそなたに教えるつもりは無い」

「毛利!」

 元親が低く唸ると、元就は悲しげな目で元親を見る。

「そなたは、松永に会ってどうするつもりなのだ?」

「どうって、そりゃあ、」

「刀を取り戻して独眼竜に届けてやる、それが誰のためなのか判って言っておるのか?」

「何?」
 
 元親が顔をしかめても、元就は淡々と言葉を連ねる。

「そもそも、そなたは一度、独眼竜と戦って勝っておる。その実力は認めよう。だがそなたは一度、竜から爪を奪い、そして返した経歴が有るそうではないか」

「ああ、……まぁな」

 元親は苦い顔をして頷いた。元親は以前、奥州を攻めた事が有る。それは政宗の実力を測るための戦で、大規模なものではなかったし、死人も出さなかった。その勝負に勝った時、元親は竜の爪を宝として持って帰ろうとした事が有る。

 だがいざ船に乗ろうという段になって、竜の爪を人やまして鬼が持って居ても仕方ないだろうという気持ちになり、返しに行ったのだ。そこでこれまでの事は水に流して、という事で酒を酌み交わし、仲良くなった。

「良いか、爪を抜かれて痛くない竜が何処に居ろう。それも六本ともなれば耐えがたき苦痛、屈辱。それを押し込めてそなたと酒を酌み交わす独眼竜の度量を考えた事が有るのか、そなたは」

「……そりゃあ……」

「その無作法な鬼に、此度また爪を勝手に取り戻されたとあれば、竜の心がどれ程傷付くか、そなた考えはせぬのか。それはそなたが優しいのか、愚かなのか、あるいは……恐れておるのか、そなたは」

「恐れる? 俺が、何を?」

「……ともかく。松永の事は捨て置け。そなたが首を突っ込む事ではないのだ。そなたに教える事は何も無い」

「……」

 てめぇ俺がお前に何をしてやったのか忘れたのか、と元親はちらりと思う。お前の悪夢を止めてやったのは、お前をお兄さんに撫でさせたのは誰だと、この恩知らず、と僅かに考え、すぐにその気持ちを捨てる。

 元就は何も知らないのだし、そうやって恩を着せたと意識するのは恥ずかしい事だ、と元親は思う。素直に諦めて、自分で松永の所在を探ろう……元親がそう考えていると、元就はふいに、

「盟を結ばぬか」

 と言い出した。

「盟?」

「同盟だ。瀬戸内を共にする者として」

「そりゃ……えらく急な話だが……」

「そなたにとっても悪い話ではあるまい。中国は四国に情報と流通をもたらし、中国は南の安全とからくりを得られる。良い話だ」

 良い話だ、と自分で言うあたりが怪しいと元親は思ったが、元就は「嫌なら嫌で構わぬのだぞ」とさして執着している様子は無い。
 
 だが次の言葉が、元就は同盟を結ばない気がない事を示していた。

「近々、松永と戦をする予定でな。同盟を結び、いかばかりか兵を出してもらおうかと思っておるのだが」

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