命より大切なご主人様、という感覚があまり理解出来ないのですが
そりゃまぁ尊敬出来る師とかにまだ出会えてないからかも
私はいつだって傍観していたので、守るとか守られるとか
そういう事をできないような気もします
緊急事態が生じると脳みそがパンクするもので。
ただ近いことはしようとした事があるので、うーん、
咄嗟には動けないけど、長期的にはしようとするのかなあ。
そんな事態にはならないほうがいいけど。
以下かけつきです。
そりゃまぁ尊敬出来る師とかにまだ出会えてないからかも
私はいつだって傍観していたので、守るとか守られるとか
そういう事をできないような気もします
緊急事態が生じると脳みそがパンクするもので。
ただ近いことはしようとした事があるので、うーん、
咄嗟には動けないけど、長期的にはしようとするのかなあ。
そんな事態にはならないほうがいいけど。
以下かけつきです。
「アニキ」と声をかけられて、元親は飛び起きた。見ると側に部下の一人が座っていて、元親があまりに勢い欲起きた事に酷く驚いている様子だった。
「アニキ、大丈夫ですか?」
彼は心配そうに声をかけてくる。元親は起き抜けで何が起こっているのか判らず、部屋を見渡した。そこは厳島にある毛利家の屋敷で、ここ数日元親に寝室として用意されていた部屋だ。そしてここは、元就の夢の部屋ではない。元親はそれに安心して、ため息を吐いた。酷く疲れていた。
「何度声をかけても起きないもんで、まさかと思いましたよ」
「はは、そりゃまさかだな。……今いつ頃だ?」
「朝餉の時間です。皆アニキを待ってますよ」
「そいつは悪いな、先に食べていいぜ。……毛利は?」
「あの人はいつも通り、日の出と一緒に目を覚ましてまさぁ」
その言葉に元親は驚く。
「……まさか、そんなはずはねぇんだが……」
「アニキ?」
「……いや、なんでもねぇ。俺もしばらくしたら行くから、先に食っててくれ」
元親がそう言うと、部下は心配そうな顔をしながらも部屋を出て行く。それを確認して元親はもう一度布団に転がった。全身が酷く疲れていて、何故だか不安だった。
『あれは少々疲れますよ』
陰陽師がそう言っていたのを思い出し、こういう事だったのだろうか、と元親は思う。
それにしても、俺がまだ夢に居たのに、毛利の奴がさっさと目覚めてたってのはどういう事だ? もしかしてありゃあ、俺の見た悪夢だったのか? 馬鹿な、だとしたら俺は何をあんなに恐れてる? 違う、あれは何かの間違いだ。
元親はそう自分に言い聞かせて、そしてのろりと布団を出た。
身支度をして朝餉を食べる。部下達は律儀にも待っていたので、「すまねぇ」と頭を下げて食事をした。食べ終わると、元親は毛利の女中に尋ねる。
「あんたのとこの殿様は何処だ?」
「元就様は厳島神社に参っておられます。こちらにお泊りの際は毎朝神社で日輪を拝まれるのですよ」
「何か今朝、変わった様子は無かったか?」
「?」
女中は怪訝な顔をしたが、「あ」と声を出して答える。
「そう言えば、今日は御参りが長うございますね。普段ならこの頃には帰ってらっしゃるのですが」
元親は「そっか」と頷いて、神社へと向かった。
元親が神社を訪れた時も、元就は静かに空を見上げて居た。眩い太陽の下で、元就は身動きもせず、ただただ空を見上げている。
「……何か有るか?」
尋ねても、元就は驚かなかった。彼はゆっくりと振り返ると、元親を見る。その表情は少しだけ柔らかい。
「いつもと変わらぬ、天が有る」
「いい事かい?」
「良い事だ。何かが変わっても、変わらぬ物が有るという事は。諸行無常と申す故……」
元就は小さく笑って、元親に言う。
「そなた、我に説教をしたな。満ちぬ月は無いと」
「あぁ、そうだな」
「月は欠けるゆえに満ちるのだ。そして満ちるゆえに欠ける」
「……何が言いたい?」
「……そなたは満ちておるのか、欠けておるのか。満ちているならいずれ欠けようし、欠けているならいずれ満ちるもの。……その姿で留まるようなことがあれば、それは死んでおるというもの。……長曾我部、……我は、そなたを、」
「毛利」
元就が何か言おうとするのを遮って、元親は大きな声で言った。
「俺、四国に帰るわ」
元親はそう早口に言った。正直に言えば、元親は元就が恐かった。
夢で元就が元親に言おうとした事を、言うのかもしれない、と思うと恐かったのだ。そうして元親が知らない何かを突きつけてくるつもりなのではないのか、と。昨日まで救うべき対象だったはずの元就が、急に何か違うものに変わってしまったような気がしたのだ。
だから元親は思わず「帰る」と宣言してしまった。前後の脈絡も何も無い、突拍子も無い言葉だった。にもかかわらず、元就は「そうか」とあっさり頷いて、自分の出そうとしていた話題を引っ込める。
「そなたには世話になった。いずれなんらかの形で報いるとしよう。気をつけて帰れ」
中国はそなたらが攻めて来ぬ限り、そなたらを攻めぬ事を約そう、少なくとも我が生きている間は。
元就はそう言ってまた空を見上げた。
元就が元親の作り出した夢によって救われたのかどうか、元親には判らなかった。上手く救えたかどうかの確証も無い。それほど元就は常と変わらぬ所作だった。だが確かめるにも方法は無いし、今しばらくは元親は元就の内面に触れたくない気持ちだった。そこに触れれば、恐ろしい目に合うような気がしていたのだ。そんな風に他人を感じる事など初めてで、元親はただうろたえるしかなかった。
+++
元親さん逃走。
「アニキ、大丈夫ですか?」
彼は心配そうに声をかけてくる。元親は起き抜けで何が起こっているのか判らず、部屋を見渡した。そこは厳島にある毛利家の屋敷で、ここ数日元親に寝室として用意されていた部屋だ。そしてここは、元就の夢の部屋ではない。元親はそれに安心して、ため息を吐いた。酷く疲れていた。
「何度声をかけても起きないもんで、まさかと思いましたよ」
「はは、そりゃまさかだな。……今いつ頃だ?」
「朝餉の時間です。皆アニキを待ってますよ」
「そいつは悪いな、先に食べていいぜ。……毛利は?」
「あの人はいつも通り、日の出と一緒に目を覚ましてまさぁ」
その言葉に元親は驚く。
「……まさか、そんなはずはねぇんだが……」
「アニキ?」
「……いや、なんでもねぇ。俺もしばらくしたら行くから、先に食っててくれ」
元親がそう言うと、部下は心配そうな顔をしながらも部屋を出て行く。それを確認して元親はもう一度布団に転がった。全身が酷く疲れていて、何故だか不安だった。
『あれは少々疲れますよ』
陰陽師がそう言っていたのを思い出し、こういう事だったのだろうか、と元親は思う。
それにしても、俺がまだ夢に居たのに、毛利の奴がさっさと目覚めてたってのはどういう事だ? もしかしてありゃあ、俺の見た悪夢だったのか? 馬鹿な、だとしたら俺は何をあんなに恐れてる? 違う、あれは何かの間違いだ。
元親はそう自分に言い聞かせて、そしてのろりと布団を出た。
身支度をして朝餉を食べる。部下達は律儀にも待っていたので、「すまねぇ」と頭を下げて食事をした。食べ終わると、元親は毛利の女中に尋ねる。
「あんたのとこの殿様は何処だ?」
「元就様は厳島神社に参っておられます。こちらにお泊りの際は毎朝神社で日輪を拝まれるのですよ」
「何か今朝、変わった様子は無かったか?」
「?」
女中は怪訝な顔をしたが、「あ」と声を出して答える。
「そう言えば、今日は御参りが長うございますね。普段ならこの頃には帰ってらっしゃるのですが」
元親は「そっか」と頷いて、神社へと向かった。
元親が神社を訪れた時も、元就は静かに空を見上げて居た。眩い太陽の下で、元就は身動きもせず、ただただ空を見上げている。
「……何か有るか?」
尋ねても、元就は驚かなかった。彼はゆっくりと振り返ると、元親を見る。その表情は少しだけ柔らかい。
「いつもと変わらぬ、天が有る」
「いい事かい?」
「良い事だ。何かが変わっても、変わらぬ物が有るという事は。諸行無常と申す故……」
元就は小さく笑って、元親に言う。
「そなた、我に説教をしたな。満ちぬ月は無いと」
「あぁ、そうだな」
「月は欠けるゆえに満ちるのだ。そして満ちるゆえに欠ける」
「……何が言いたい?」
「……そなたは満ちておるのか、欠けておるのか。満ちているならいずれ欠けようし、欠けているならいずれ満ちるもの。……その姿で留まるようなことがあれば、それは死んでおるというもの。……長曾我部、……我は、そなたを、」
「毛利」
元就が何か言おうとするのを遮って、元親は大きな声で言った。
「俺、四国に帰るわ」
元親はそう早口に言った。正直に言えば、元親は元就が恐かった。
夢で元就が元親に言おうとした事を、言うのかもしれない、と思うと恐かったのだ。そうして元親が知らない何かを突きつけてくるつもりなのではないのか、と。昨日まで救うべき対象だったはずの元就が、急に何か違うものに変わってしまったような気がしたのだ。
だから元親は思わず「帰る」と宣言してしまった。前後の脈絡も何も無い、突拍子も無い言葉だった。にもかかわらず、元就は「そうか」とあっさり頷いて、自分の出そうとしていた話題を引っ込める。
「そなたには世話になった。いずれなんらかの形で報いるとしよう。気をつけて帰れ」
中国はそなたらが攻めて来ぬ限り、そなたらを攻めぬ事を約そう、少なくとも我が生きている間は。
元就はそう言ってまた空を見上げた。
元就が元親の作り出した夢によって救われたのかどうか、元親には判らなかった。上手く救えたかどうかの確証も無い。それほど元就は常と変わらぬ所作だった。だが確かめるにも方法は無いし、今しばらくは元親は元就の内面に触れたくない気持ちだった。そこに触れれば、恐ろしい目に合うような気がしていたのだ。そんな風に他人を感じる事など初めてで、元親はただうろたえるしかなかった。
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元親さん逃走。
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