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めでぃのくの日記
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2008-01-09 (Wed)
 うみねこ、なんとか親族会議の直前まで……

 オリジンもセリフだけは完成したからあとは肉付けして
 一番時間がかかるのは仕上げなのだよ。

 ノルマ音読6回だから。すげぇキツいよ。
 文章のヤバさは音読しない限り気付かないところだと……

 以下かけつき。

 今治の港に、一隻の船が有る。それに元親は大きな荷物を抱えて乗ろうとしていた。

「アニキ、持ちましょうか?」

 布に包まれたそれを抱え上げた元親は、気を利かせてきた部下に「いいや、貴重品だから俺が丁重に扱いたくてよ」と答えて、船に乗る。

 その会話は予め決められた物で、他ならぬその「荷物」を安心させるための言葉だった。

 元就は湯に浸かれるようになった。その足で、今治から中国へ戻りたいと言い出したのだ。元親はまだ無理だと言ったが、元就は帰ると言って聞かない。仕方無く今治の港まで連れて来たはいいが、元就は元親から引っ付いて離れない。

 このまま乗船するのか、と尋ねれば、そんなみっともない事が出来るか! と怒り出す始末、困り果てた元親は元就に「あんたを荷物として俺が直々に運んでる事にしよう」と提案した。元就もそれ以外に方法が無いと思ったのだろう、渋々承諾した。
 
 一方元親のほうはその一部始終を部下に話してしまい、「毛利に気付いたりしちゃならねぇぞ」とあれこれ画策したのだ。元親と元就以外が居てはいけない場所を作り、そこを元親の領域と決めた。そこは元就が出歩いても人目につかないから心配ない場所、という事だ。

 そんな話し合いがなされたとは知らないだろう元就は、大人しく荷物のふりをしているわけで、そして元親は「じゃあよろしく」と部下に目配せし、部下も大きくうなづいて出航したのだった。




「中国まではどれほどかかる?」

「さぁ、風によっちゃあ5日ほどか、嵐が来りゃあ来世になるか……」

「……」

 元親の適当な返事に元就は僅かに顔をしかめ、そして手すりにもたれて海を見下ろした。

 元親の領域、というのは船の後部で、元親の船室と、その船室からしか繋がっていない船の最後部だ。ちょうど船室の壁があるので、周りからは見えないようになっている。船が出てしばらくすると、元就は気分が悪いと言い出して、外に出る事を望んだのだった。

 あれほど恐がっていたわりに、元就はあっけなく手すりにもたれると、海を眺め始めた。風に揺れる髪を押えたり空を見上げたりと、随分余裕のある様子に、元親は呆れる。

「あんた、平気なんじゃねえか」

「船は平気だ。……良い事に、我が乗っていた船が沈んだ事は無いのだ」

「じゃあなんで船に乗るのはだめなんだよ」

「小さい頃に小舟に乗ろうとしたらひっくり返った事が有る。それから平気だからとそそのかされて船に乗ろうと桟橋を渡っておったら落ちたことがあるのだ」

「……」

 その話が本当なのか嘘なのかは判らなかったが、要するに元就は船の上なら平気なのだ。それだけは事実なので、元親も曖昧にうなづいておく事にする。

「……なぁ」

「なんだ」

「あんたの事、聞いていいか?」

 尋ねても返事らしい返事も、拒絶も無かったので、元親は言葉を続ける。

「確か、あんたの親父さんもお兄さんも、若い頃に死んでんだよな?」

「……ああ。……酒の害だそうだ。恐ろしいものよ。あれ以来、我は酒を飲めぬ」

 元就は動揺した様子も無く、そうさらりと言ってのけた。じゃああんたのあの夢はなんなんだ、と元親は問いたくても問えない。

 知らないはずの事を知っていると言えば、せっかく築いた信頼関係は崩れてしまうのだ。不気味がられて警戒されるだけだろうから、元親は元就の言葉をひとまず素直に受け入れる。

「確か弟も……」

「腹違いのな。あれは、……あれはかわいそうな男であった。欲深にそそのかされてな……素直な良い子であったが、それゆえ殺すしかなかった。……逆に言えばな、長曾我部。あれは我を殺せるほど強い男ではなかったのだ。強くない者に、毛利は任せられぬ。だから殺したのだ。……仕方なかった」

「……じゃあ、親父さん達も、仕方なかった?」

 境界線をさぐるように尋ねれば、元就は僅かに眉を寄せた。踏み込みすぎたか、と元親は後悔したが、元就は静かに、

「……仕方、無かったのだ」

 と呟く。

「父も兄も、良い領主だった。そなた好みの、他者への思いやりに満ちた素晴らしい方々だった。……だがそれだけでは生きていけない場所だったのだ、かつての毛利は」

「今は違うのか?」

「我が変えた。……かつての毛利家とは簡単に言ってしまえば貧乏くじのようなものでな。責任ばかり負って、何の権限も無い家だった。だが我が当主となり、我は毛利を強い国にしようとした。……実際、上手くいった。毛利は我が居なくても強い国になった」

「……でもそりゃあ、……あんたは必要無いって事にならないか? あんたは、求められたくないのか? あんたの望みとか、無いのか?」

 なんともいえない虚しい気持ちになって、尋ねると、元就は僅かに悲しげな表情を浮かべて、答えた。

「我がこの世に生きておる理由は、兄の子を残さねばならぬからだ。それ以外に何も無い。求められるはずもない。我の望みは毛利を強い国にする事、何事にも脅かされぬ事、それだけだ。……我には何も無い。……奴の申した事は真だ、何もかもが正し過ぎて、何も感じらぬ……」

 最後のほうは独り言になっていたが、そこに現れた「奴」という単語に元親は首を傾げる。

「奴?」

「……」

 元就はしばらく反応せず、海を見ていたが、やがて大きくため息を吐いて言った。

「中国もまだまだ安楽とは言えぬものよ。戻り次第防衛策を改善せねば」

 その言葉にようやく元就が誰の事を言ったのか理解して、元親もうなづいた。

「まぁとりあえずは、あんたの水嫌いから改善しなけりゃ、ご自慢の厳島に誘い出す事も出来そうにないけどな」

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