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めでぃのくの日記
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2025-01-19 (Sun)
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2008-05-26 (Mon)
 最近ちらほらと考えてた話の出だしだけ書いてみたけど
 うーん
 というかチカ受けですけどね 最初だけ 描写は無いけど
 そのうち明智毛利のチカナリになるんだろうですけど
 けどけど言い過ぎやで

 明智毛利の略をミツナリにするとなんだか違う人みたいだけど
 あけもーっていうとなんだか内容にそぐわない可愛い印象で
 どうしたもんか

 楽しく野を駆け回り、山菜や果物を食べて暮らす事の、何がそんなにいけなかったというのだろう。何故こんな事になってしまったのか、考えても考えても判らないから、そのうち考える事も止めてしまったけれど。

 確かに、今でも覚えている。山々の緑の鮮やかな事、小鳥達の歌の麗しい事、小川の流れの清い事、友人達と遊ぶ時間の喜ばしい事、空の広い事、風の優しい事、陽の光の厳しい事――。

 確かに今でも覚えているのだけれど。全ての思い出が沢山の不快の底に埋もれてしまって、よくよく考えないと思い出せない事が多い。まして思い出そうとしても、ふいに浮かんでくるのは例えば人間達の笑いの胸糞悪い事や、体液の恐ろしく不味い事、あるいは暴力の痛み、涙の味や抵抗する事の馬鹿らしさなどで。

 しかもそれらは過去の美しい思い出に触れると尚更気持ちの悪い感情になって戻って来るから、やはり思い出さないほうがましかもしれない、と過去をまた奥深い底に沈めてしまって、何も考えない努力を続けてきた。

 ただ何年も何年も続くこの生活に、身も心も病まない奴が居るならそれは動物か何かだと思う。だから俺は盛大に壊れてやったが、そういう事を冷静に考えられる自分がいるのだから、俺はまだ本当の意味で壊れていない。

 壊れる事が出来ないまま行動を起こしてしまった俺は、これからもっと酷い地獄に行くのか、それともあっさり死なせてもらえるのか、――いや人間というのはあくまで残酷を好む生き物だから、きっと更なる地獄に、――鬼に似合いの地獄に連れて行かれるに違いない。

 だから今だけでもこの暗闇の底であの日々を思い出す。空は眩かった、風は柔らかかった、陽の光は暖かく、そして俺は笑っていた、あの日々をただただ思い出して、……頬を濡らすこれがなんなのか、考えないまま眠るのだ。そうして俺はまた鬼らしく振舞ってみせるのだ。







「貴族というものは珍しい生き物を飼うものなのですよ、毛利殿。貴方も不服ではありましょうが、何か一匹ぐらい飼うといい。貴族として世間での発言権を得たいなら、貴方の……そうですね、貴方が特別目をかけて愛でたい家畜を手に入れるといいでしょう。無論貴方がその家畜をどう扱おうと誰も咎めません。要は、権力の証を持っているという事が大切なのですよ。判りますね?」

 明智光秀の言葉に、毛利元就は静かに頷いて。それから、「ではどうすれば家畜を手に入れられるのだ?」と尋ねた。

 その結果、毛利元就はとある闇市場に一人で向かう事になった。主に人身売買や密売などをするそこに元就は抵抗が有ったが、しかし貴族らしさを手に入れるためには仕方無い、と覚悟を決めてそこに踏み込んだ。

 怪しげな店々が立ち並ぶ夜の町並みを、元就は平静を装いながら歩いて行く。光秀の指定した店はすぐに見つかった。一際悪趣味な熊の置物の有る店だ。中に入るとすぐに店主らしき老人がやって来た。

「明智様より申し付かっております。こちらにどうぞ」

 老人は元就を連れて店の奥へ向かった。二、三と部屋を通過すると、左右に牢の並ぶ部屋に辿り着いた。牢には老若男女の人間が詰め込まれていて、これは奴隷だなと元就はすぐに理解した。目の前の老人を蹴り殺してやりたくなったが、元就はやはり無表情を保って歩いて行く。時折売り物が声を上げて手を伸ばしてきたが、元就は見向きもしなかった。

 更に次の部屋に入るが、そこは行き止まりだった。老人は部屋の一角の箪笥を何度か開け閉めして、やがて箪笥そのものを押した。するすると箪笥はあっけなく動いて、その裏に穴が出て来た。秘密の部屋への入り口のようだ。

「なにぶん、近頃は監査が厳しゅうございますから」

 お国という奴は自分の不正は大いにするのに、いや私ども商人の不正はそれこそ部屋の隅の埃まで資産と言って奪うのに必死でございますからなあ。老人はそう笑って、二本の行灯に火を灯すと、片方を元就に差し出した。

 中は暗く、しかし蝋燭の光に照らされたそこは結構な広さが有るのが判った。ここにもやはり牢が沢山有ったが、少し見ただけでは中に何が入っているのか判らなかったが、確かに生き物の息遣いが感じられた。

「気味が悪ぅございましょう。こちらには人外ばかりを入れておりますゆえ」

「人外」

「左様にございます。暗くて見る事は出来ませんでしょうが、こちらには異国の鳥人が入っております。珍しいものでございますよ。こちらには龍の子が入っております。あちらには人と狼の子。どれも貴重な品でございますが……」

 老人は一度振り返ってにこりと笑うと、言った。

「他ならぬ明智様のご友人の貴方様には、格別の物をご案内致そうと思っております」

「ほう、格別の物」

 元就は嫌悪感を隠しながら興味深そうに頷いてみせた。老人は「ええそれはもう」と言って、部屋の奥へと向かった。

「少々凶暴ではございますが、何、焼け鉄ででも突いてやれば大人しくなりまする」

「凶暴」

「左様でございます。何しろ鬼でございますからな」

 元就はその言葉に僅かに眉を寄せた。

「鬼。黄泉に住まうというあれか」

「あれでございます。ここよりはるか南の、とある貴族が飼うておったらしいのですがね、この鬼がまた恩知らずでございまして、何年も育てたその貴族を食い殺したもので。処分されるところを私めが買い取ったのでございますよ。明智様は特にこのようなのがお好きでございますから」

 元就はその言葉にますます眉を寄せた。光秀と同類だと思われては困るのも有ったが、何よりもそんな物騒な物を勧めてきた光秀の感性を疑った。我が食い殺されてもいいのか、あの気狂いめ……と元就は心の中で毒づきながら、鬼が入っているという牢を見る。

 薄暗くてよく見えなかったが、確かに奥のほうに何かの気配は感じた。元就が少し離れた位置から中の様子を窺っていると、老人は「どうぞお近くへ」と言う。

「凶暴なのであろう。危険は無いのか」

「鬼と言えども物怪の一種である事に変わりはありませぬ故。この牢は特殊な造りをしておりますから、人が手を入れる事は出来ても人外は手を出せませぬ。格子より外には出て来れませぬゆえ、ご安心を」

「……」

 元就は一度老人を不審そうに見て、それからそろりと牢に近付いた。途端にすぐ側まで鬼とやらが駆けて来て唸ったが、それ以上何をしてくるわけでもなかった。

 元就は鬼とやらをじぃっと見詰める。見た目は単なる巨漢にも思えた。大きく異なるのは額から生えた角だ。いびつに曲がったそれは伝承の通り禍々しくも見えたが、それ以上に目立ったのはその鬼の体中に入った傷跡だ。老人の言うとおり焼け鉄でも当てられたのだろう、火傷の跡がいくつも有る。ましてその左眼は塞がっていた。

 白い髪はそれらの仕打ちを苦に自ら染まった物ではないかと思うほど、鬼は傷だらけだった。呻く声の低さは恐ろしかったが、そうしても仕方無いだろうと元就は思った。ここまでされて人間に憎しみを抱かぬほうがおかしい、まして檻に入れられどうなるかも判らぬ身では当然の反応であろう……と元就は溜息を一つ吐く。まったく人間という生き物の残酷好きには呆れる……と元就は一度老人を振り返って、そしてそっと鬼に手を伸ばした。

「あっ、手を入れるのは危のうございますよ、なんだかんだ言ってこれは凶暴でございますから」

 老人は慌てて止めたが、元就は気にも留めず手を伸ばし、鬼の頬に触れた。鬼はちらと元就の手を見て更に唸ったが、噛み付くでなし、襲うでなし、じっと元就の顔を睨みつけてきた。
 
 二人はしばらくそうして見詰め合っていたが、やがて元就が手を引いた。鬼はその手を見ていたが、やはり手出しはしてこない。

「賢いな。今、我に手を出せば殺される事を理解しておる」

「ええ、賢い事は確かでございます。人語も解しておりますし」

「喋れるのか」

「声を聞いた事はございませんが、話によれば可能だと」

 元就は「ふむ」と頷いて、またしばらく黙って鬼を見ていた。鬼のほうも唸るのは止めてじっと元就を見ている。探っているのだ、と元就は感じて、薄く笑った。これは家畜ではない、と。

「……鬼。……我の所に来るか?」

「……」

 鬼は答えない。元就は気にせず、独り言のように続けた。

「我はまだ地位の低い人間でな。世に言う珍しいものが無ければその権利を示せず、またそれゆえに発言権も持てぬ。だが我が欲するのはその権利であって、そなたではない。ましてやそなたを他の者のように甚振り苦しめるつもりなど毛頭無い故、……どうだ、我の所に来るか。無論断っても良い。一つ頷けば我がそなたを貰う。一つ首を振れば我はそなたを諦める。……どうする、鬼よ」

 鬼はしばらくじっと元就の顔を見詰めていたが、やがて小さく、首を縦に振った。





 鬼にはその昔、長曾我部元親という名が有った。老人が元就に説明したとおり、元親はここより遥か南の、人からは黄泉と呼ばれる地で生まれ育った。

 不毛の地であるそこでの生活は辛いものだったが、元親も他の鬼達と静かに暮らしていた。四季を楽しみのんびりとした時間を送り、時折果実を見つけてはその甘味を皆で分けあって笑った。

 その生活に大きな不満は無かったが、刺激の無い生活は判断を狂わせるというもので。幼い元親は友人達と、入ってはならぬと言われていた洞窟を越えて、その先へ出てしまった。そこを人界と呼ぶ事を元親達も知っていた。人の世界は恐ろしい、と聞いていたが、その緑の美しい事、そして食べ物に溢れている事に元親達は驚いた。

 人界への恐れなどすぐに忘れ、元親達はこの素晴らしい楽園を楽しみ始めた。いけないと判っていても、どんどん元来た穴から遠ざかり、そこになる木の実を皆で美味しく食べた。
 
 哀れな元親達は、極楽に住んでいるのは仏だと信じていた。まさかそこに残酷な生き物が住んでいるとは思わなかった。

 元親達はそして村人達に見つかった。彼らは元親達を見ると、手に武器を持って元親達を追い回した。豊富な果実に誘われていた鬼達は、最早何処から来たのかも判らなくなっていた。まして皆、鬼の子供であったから、まだ非力で足も遅い。彼らはあっという間に捕まって、そして殴られ、あるいは殺された。

 元親は幸か不幸か生き永らえた。あんなに沢山有る果物を食べる事がそんなにいけない事なのか、と元親はがたがた震えながら思った。こんな極楽になんと恐ろしい生き物が住んでいるのだろうと怯えた。

 村人は元親を領主に突き出した。村人は見せしめに盛大に殺そうといったが、領主は元親の見目が良い事に気付くと、飼い慣らそうと言った。鬼を飼い、鬼がどのような生き物か判れば、退治する方法も判るだろうと領主は大層真面目くさった顔で言った。

 そして元親には鎖と枷と、……そして十数年に及ぶ地獄が与えられた。





 がたごとと。荷馬車が揺れる。荷は元親だった。中身が判らないよう、何重にも隠されて、元親は運ばれていた。暴れたり叫んだりしても自分に得は無いと元親は知っていたので、彼は大人しくしていた。

 あの男もそうだ、人間なのだから、恐ろしい奴に違いない。

 元親はそんな事を考えながら、ただぼうっと座っていた。真っ暗な箱の中で、元親は運命に身を任せる以外に何も出来なかった。

「起きとるかね?」

 ふと外から声をかけられた。商人の老人が、馬を歩かせながら元親に語りかけてきたようだ。元親は返事をしなかったが、老人はなおも話し続けた。

「まぁ寝ておってもいい、これは私の独り言だ。いいかい、あの方は毛利様とおっしゃるんだ。毛利元就様」

 名前など知った事か、と元親は思いながらも、それ以外にする事も無いので仕方なく耳を傾けた。どうせ地獄に行くならどのような地獄に行くのか、先に判っていたほうが楽かもしれない、と。

「毛利様はいわゆる成金という奴でね。元は平民だかなんだか……とにかく明智様の御好意で、地位をもらったらしい。だからそこらの貴族とは違うはずだ、良くも悪くもね。成金という連中は清楚なままで居るか、横暴になって自ら壊れるかのどちらかだ。毛利様が前者だといいねえ。

 ……いいかい、私は商売人だ。商品にはこだわりが有る。お前も大切な商品だ。だからお前がこれからどうなるのか、私だって心配なんだよ。身勝手な話だがね。……よく聞くんだ。いいね。決して逃げ出そうとしたり、毛利様を傷付けたりしてはいけないよ。お前は知らないだろうが、明智様というのが大変に良い趣味をしていてね。

 以前、私の商品をお買い上げになられた明智様が返品を要求なさったので、何事かと思ったら、その商品が明智様を噛んだらしくてね。私が行った時にはあの子の歯という歯は毟り取られて、……それはそれは可哀想だったよ、あの時は本当に心が痛んだ。それでも私は商売人だ。こうしてお前達を売って生きるしかないんだよ。

 けれど私達にも商品が愛される事を望む心ぐらいは有るんだよ。もしお前が勝手に脱走したり、毛利様を傷付けまして殺すような事があれば、必ず明智様が動かれる。明智様を敵に回してはいけないよ、それはそれは恐ろしい事になる。お前も今までたくさん恐ろしい目に合ったとは思うが、きっと明智様の方が何倍も何倍も恐ろしい事をするだろう。だからね。よく考えてから毛利様への態度を決めるのだよ。

 お前は今日、代金を戴いた時から、毛利様の物だ。だから私はお前が毛利様の所でどうしてどうなろうと知らない。逃げるなり毛利様に噛み付くなり、あるいは従順に過ごすなり好きにすればいい。だが判断を誤ってはいけないよ。人間はお前の思っているとおり薄汚く残忍で卑怯だが、時には誠実な人も居ないでもない。それが毛利様とは言わないが、可能性は有る。
 
 何しろ毛利様はあの明智様のお気に入りだ。人間は面白くてね、似たような人の事は嫌うものなのだよ。だから明智様に愛されている毛利様は、明智様とは違う人間だ。どう違うかは判らないがね。だが可能性は有る。お前も人の事など憎くてたまらないだろうが、……私も信じろとなどとても言えないが、早まった事だけはしないほうがいい。判ったね。もう一度言うよ、明智様を敵に回すような事だけはしてはいけない。いいね?」

 ++++++

 続くかなあ。どうかなあ。

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