うみねこと一緒にチカナリの同人誌をいっぱい注文しました……
BASARA本を手に入れるのは初めてなのでわくわくです
ただ迷っている間に興味の有った本が無くなっていて
思い立ったが吉日って奴ですね……
更新が無くて申し訳無いので発掘品を……
一万リクを試してみて挫折したモンです。すごく途中で終わってます
しかもコメディに見せかけてこの後とても暗い展開になる予定でした
ファイル名は「なりえもん」
BASARA本を手に入れるのは初めてなのでわくわくです
ただ迷っている間に興味の有った本が無くなっていて
思い立ったが吉日って奴ですね……
更新が無くて申し訳無いので発掘品を……
一万リクを試してみて挫折したモンです。すごく途中で終わってます
しかもコメディに見せかけてこの後とても暗い展開になる予定でした
ファイル名は「なりえもん」
まだ大人でもなく、しかして子供でもない年頃の、長曾我部元親という男は困っていた。というよりむしろ、激しく落ち込んでいた。
自室に引きこもって、得意の綾取りで「必殺東京タワー!」とか一人でやっていると、軽く死にたくなってきた元親は、綾取りを放り捨てて、溜息を吐いた。
なんだかなあ……元親は畳の目を数えるというとても不毛な作業をしながら、再度溜息を吐き。
そして、ふと顔を上げた時に、自分の勉強机の引き出しから、生足が出ている事に気付いた。
「う、うわっ!」
本ぐらいしか入るはずが無い引き出しから脚が生えている事にも驚いたし、その脚が白くて綺麗な、早い話が魅力的な脚だった事に違う意味でドキドキしながら、元親はただその奇妙な光景を見ているしかなかった。
すると、
「元親、そこにおるのか」
と、若干くぐもった男の声が、脚の方からする。
「……え、あ、その、はい、居ますけど」
恐る恐る答えれば、脚が少し揺れる。
「引っ張れ。タイムマシンの出口でつっかえた」
「え……つっかえた? タイムマシンって……」
「詳しい話は正常な状態でしたい。とにかく引っ張らぬか」
脚の持ち主はそう言って、そしてイライラと脚を動かしている。元親は恐る恐る近付いて、そっと脚に手を触れた。
「ばっ、元親! くすぐったいではないか!」
「え、や、でも、その、引っ張らないと……」
「そっと掴むな気色悪い! 男なら思い切っていかぬか! 一思いに掴んで引き抜け!」
脚がそういうので、元親は思いっきりその脚を引っつかんで、そして力いっぱい引き抜いた。勢い余って、脚の持ち主を巴投げの如く放り投げる事になってしまい、彼はガゴーンという音を立てて押入れに突っ込む事になった。元親は慌てて押入れの中から彼を救い出して、驚いた。
生脚の持ち主は、猫耳に猫尻尾という奇妙な格好をしていた。スレンダーな体に半袖半ズボン。表情は冷たいながらも、顔は整っていて、元親は相手が男だというのにドギマギしてしまった。思わずその生脚が見ていられず、側に有った毛布を勝手に巻きつけたほどだ。
「気が利くではないか、元親のクセに」
猫耳男はそう感心したような見下しているような事を言いながら、元親の椅子に堂々と腰掛け、そしてそこにおいてあった元親のおやつであるどらやきを勝手に食べ始めた。
「……あ、あの、誰ですか? なんで、ぼ……俺、の、机に……」
「む? そうだな、説明せねばなるまい。その前に茶を持って来い」
猫耳男は実に偉そうにそう言って、そして元親はその尊大な態度に負けて、素直に茶を持って来た。どらやきを食べ終わり、茶を飲んで一息吐くと、猫耳男は事情を説明し始めた。
彼は毛利元就というちょっと未来のロボット、カッコ良く言ってアンドロイドである。旧式のリサイクルなので人格破綻しているが気にするな、規格はギリギリで合格しているとは元就の弁。恨むなら己を恨め、とも言っている。
「ど、どういう意味……?」
元親が尋ねると、元就は呆れた溜息を吐いて言った。
「貴様は幼い頃から女子に混じって遊ぶヘタレ中のヘタレで、姫などと仇名されて落ち込んでいる。今まさに、これではいけないと自己変革を考え、実行している最中だが、実際はそれは上手く行かず、貴様はどんどん落ち込んで引きこもり、最終的に世間一般にキモヲタと呼ばれる人種になってしまった。心配した親に無理にさせられた結婚生活は悲惨なもので、家事を散々やらされたあげく妻は全財産を持って逃亡。貴様は今、悲嘆にくれて自殺さえ考えているのだ」
「え? な、なんだか話が、お、重いよ! や、嫌だよそんな未来!」
「そう思ったのは未来の貴様も同じだ。未来の貴様は昔拾ったっきり電源を入れなかった我を再起動した。ところが長年打ち捨てられていた我は、機能障害を起こしており、こういう乱暴な言葉遣いと主人に対する軽蔑が見られるが、単なる機能障害だ、気にするな」
「き、きのうしょうがい……元就は、本当にアンドロイドなの? とてもそうは見えないけど」
「……我の製造目的が、人間に近い事を最重要としていたから、それは当然だ。だが我は紛れも無くアンドロイドであり、未来の貴様の命令に従って、今、過去の貴様の元に来ている」
「どんな命令をされたの?」
「人生を変えてくれと。貴様を男らしい男にするよう命じられて我は来た」
元就はそう言って、深い溜息を吐く。
「しかし貴様は見るからに鬱陶しいぐらいの女々しさだ。さて、何から始めたものか」
「ほ、放っといてよ。ぼ……俺が元就のご主人様なんでしょ? もうちょっと、その……優しい言い方出来ないの?」
「機能障害だ、気にするな。悪気は無い。主人を敬愛しているし、絶対服従の原則は守られているが、言動は不遜だ。許せ」
「許せ、って……なんだかなあ」
元親は溜息を吐いて、元就から目を反らした。
「悪いけど、もう手遅れだよ元就……ぼ……俺、もう立ち直れそうに無いんだ……」
「ほう。何が有った? 貴様ほど落ちぶれている人間にこれ以上の不幸が有るとは思えぬが」
「……あのね、もうちょっと優しく……機能障害なんだよね、本当に機能障害なんだよね」
「アンドロイドは嘘を吐かぬ」
「……僕、……あ、僕って言っちゃった……お、俺、好きな子に、ふ、フラれちゃったんだ……」
「ほう、失恋か。トドメだな。もう立ち直る事は出来まい」
「い、いや、そこをなんとかするのが元就の仕事でしょ?」
「ふむ、そうであったな。元親も無理難題を押し付けてくれたものよ……」
元就もまた溜息を吐いて、そして元親に尋ねた。
「それで貴様、フラれた理由は判っているのか」
「お、俺が、女々しい、から……だと思う」
「ならば簡単だ。男らしいところを見せてやれば良い」
「男らしいって、どういう感じなの?」
「ふむ。そうだな、例えば……」
そして元就は真顔でとんでもない事を言った。
「床上手であれば、男として一流ぞ」
「…………」
「雰囲気の演出も出来ねばな。空気を読めねば男としては二流ぞ。まずは相手を良く見定めるのだ。女というものはな、とにかく己を気にかけている人間が好きだ。細かい変化や具体的なポイントを見つけて女を褒め、喜ばせ、そしてさりげなく、手を、ま」
「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って、元就!」
「何だ? 講義の途中だぞ」
元就は不快そうに眉を寄せたが、元親は焦って言った。
「お、俺が言ってるのは、たぶん、そういう男らしさじゃなくて……!」
「他にどんな男らしさが有るというのだ。男はSEXが上手でナンボだぞ」
「な、な、何言ってるの! 他にもいっぱいあるでしょ!? 頼りがいが有るとか、たくましいとか、その、賢いとか、色々!」
「ふむ? 我の辞書には載っていないが」
「元就ってどんなアンドロイドなんだよう!」
元親が思わず怒鳴れば、元就は、
「我? 我は厳島産業製アンドロイドP10006739D毛利タイプ個体識別名元就。製造目的は購入者の生活補助、及び性欲処理だ」
「……え?」
「我々は別名、セクシャロイドと呼ばれておる」
我等は女を犯すために生まれたのだ。
元就のとんでもない発言に、元親は頭を抱え、
「俺の、俺の馬鹿!!!!」
と、思わず未来の自分に怒鳴った。
元就と元親の間に、目指す所のズレが有る事が判ったらしい。元就は引き出しの中に頭を突っ込んで、モソモソと何かをし始める。
「な、何してるの……?」
引き出しから下半身だけ出ているような、なんともいやらしい光景に元親が顔を赤くしながら尋ねると、元就はくぐもった声で、
「情報のダウンロードをしておる。インストールまでしばらく時間がかかるから待っておれ」
と答えた。元就が喋ると、尻尾がものものと揺れて、元親はなんとなくそれを握ってみた。すると元就が
「☆□○×!」
とても人間の言葉とは思えないような声を出したので、元親は驚いて手を離す。
「元親!」
「は、はい!」
「我の尻尾を握るな! そこには電源ユニットが搭載されているのだ!」
「ええっ、こんな無防備な所に?」
「……2000年代だな、今は。USBとかいうシステムを使っていた時代か? そういう感じだ。それは我の腰に接続してある自動発電装置で、電源を供給しておるのだ。元親が我をこちらに派遣する際に購入したのだが、奴は貧乏も極まったりで、他に買えなかった。もっと目立たない小さなものも有るのだがな」
「じゃあ、その猫耳も……?」
「これは貴様のキモヲタ属性的な趣味だ。すぐにでも取れる」
「あ、そう……ですか」
取って良いよ、と元親が言うと、元就は「ではそのうち取ろう」と答え、そして引き出しから出て来た。
「よし、良い男の作り方.exeをインストールした」
「なんだか胡散臭いファイル名だね……」
「2000年代に合わせた、良い男を合成せねばならぬからな。全く、流行り廃りの激しい事よ」
「元就の時代には、どんな男がモテてるの?」
「家庭的で役立たず、大金持ちでルックスは良いが、女無しでは生きていけないような男だ」
「……」
「あと30年、生まれてくるのが遅ければ良かったな、元親」
「いや、それって遠まわしに、俺がダメ人間だって言ってない……?」
「よし。一人称は「俺」だな。まずは合格点。元親は男らしい男が良いと言っていたからな……原始的だが粗暴でない、絶妙なバランスを目指すか?」
「げ、原始的……」
「この時代の女は、意外性を好む。なよなよとした外見でいざという時に解決策を見出せるとか、優しそうでいて結婚したら暴力を振るうだとか」
「前者はともかく、後者は好かれてないような……」
「この時代で言う所のイケメンで有りながら、内面は超ヲタクというのも良いらしいぞ」
「そ、そうかなあ? もうちょっと普通になれないの? 俺……」
「ふむ。ではオールマイティーにいくか? 明るく元気でお手伝いもする、仕事もこなすしご近所づきあいも良く、子供と老人に優しく週末は家族のために時間を割く」
「いいね」
「ただし、結婚して5年目に妻を惨殺したりする」
「ただし、とか要らないよ!」
その後二人は延々と話し合い、結局、とりあえずは「普通の男」を目指す事にした。極平均的な男だ。
「一人称はTPOをわきまえ、僕、俺、私を使い分け、特別な個性も無く、長所も短所も曖昧な人間となり、半数には「なんとなく好き」といわれ半数には「なんとなく好きじゃない」と評価される人間を目指し、その後方向転換を図るか。今のままではゲテモノ食いしか近付かぬだろうしな」
「……あのね」
「あのね、ではない。あのな、だ」
「……あの、な」
「そうだ。やれば出来るではないか、元親」
+++
ここまで。力尽きました。
男らしくなった元親が壊れた元就を治す為に機械技師しなって
未来のゴミ捨て場に有った元就を拾って修復し過去に行かせる
ループが始まるのはお約束
ちなみに元就は捨てられたのではなく、前の所有者の明智に
ぐっちゃぐちゃにされたのを哀れんだ他の人がこっそり
逃がしてあげたけど命令が無かった元就は明智邸に戻ろうと
努力している最中に電池切れで活動停止、その期間があまりに
長かったので再起動時にはシステムファイル以外は損傷して
何も覚えてない、とかそんな設定でした
元就の機能障害は明智のところで発生したものとか、そんな感じで。
タイムパラドックスって考え始めると頭痛くなります。
自室に引きこもって、得意の綾取りで「必殺東京タワー!」とか一人でやっていると、軽く死にたくなってきた元親は、綾取りを放り捨てて、溜息を吐いた。
なんだかなあ……元親は畳の目を数えるというとても不毛な作業をしながら、再度溜息を吐き。
そして、ふと顔を上げた時に、自分の勉強机の引き出しから、生足が出ている事に気付いた。
「う、うわっ!」
本ぐらいしか入るはずが無い引き出しから脚が生えている事にも驚いたし、その脚が白くて綺麗な、早い話が魅力的な脚だった事に違う意味でドキドキしながら、元親はただその奇妙な光景を見ているしかなかった。
すると、
「元親、そこにおるのか」
と、若干くぐもった男の声が、脚の方からする。
「……え、あ、その、はい、居ますけど」
恐る恐る答えれば、脚が少し揺れる。
「引っ張れ。タイムマシンの出口でつっかえた」
「え……つっかえた? タイムマシンって……」
「詳しい話は正常な状態でしたい。とにかく引っ張らぬか」
脚の持ち主はそう言って、そしてイライラと脚を動かしている。元親は恐る恐る近付いて、そっと脚に手を触れた。
「ばっ、元親! くすぐったいではないか!」
「え、や、でも、その、引っ張らないと……」
「そっと掴むな気色悪い! 男なら思い切っていかぬか! 一思いに掴んで引き抜け!」
脚がそういうので、元親は思いっきりその脚を引っつかんで、そして力いっぱい引き抜いた。勢い余って、脚の持ち主を巴投げの如く放り投げる事になってしまい、彼はガゴーンという音を立てて押入れに突っ込む事になった。元親は慌てて押入れの中から彼を救い出して、驚いた。
生脚の持ち主は、猫耳に猫尻尾という奇妙な格好をしていた。スレンダーな体に半袖半ズボン。表情は冷たいながらも、顔は整っていて、元親は相手が男だというのにドギマギしてしまった。思わずその生脚が見ていられず、側に有った毛布を勝手に巻きつけたほどだ。
「気が利くではないか、元親のクセに」
猫耳男はそう感心したような見下しているような事を言いながら、元親の椅子に堂々と腰掛け、そしてそこにおいてあった元親のおやつであるどらやきを勝手に食べ始めた。
「……あ、あの、誰ですか? なんで、ぼ……俺、の、机に……」
「む? そうだな、説明せねばなるまい。その前に茶を持って来い」
猫耳男は実に偉そうにそう言って、そして元親はその尊大な態度に負けて、素直に茶を持って来た。どらやきを食べ終わり、茶を飲んで一息吐くと、猫耳男は事情を説明し始めた。
彼は毛利元就というちょっと未来のロボット、カッコ良く言ってアンドロイドである。旧式のリサイクルなので人格破綻しているが気にするな、規格はギリギリで合格しているとは元就の弁。恨むなら己を恨め、とも言っている。
「ど、どういう意味……?」
元親が尋ねると、元就は呆れた溜息を吐いて言った。
「貴様は幼い頃から女子に混じって遊ぶヘタレ中のヘタレで、姫などと仇名されて落ち込んでいる。今まさに、これではいけないと自己変革を考え、実行している最中だが、実際はそれは上手く行かず、貴様はどんどん落ち込んで引きこもり、最終的に世間一般にキモヲタと呼ばれる人種になってしまった。心配した親に無理にさせられた結婚生活は悲惨なもので、家事を散々やらされたあげく妻は全財産を持って逃亡。貴様は今、悲嘆にくれて自殺さえ考えているのだ」
「え? な、なんだか話が、お、重いよ! や、嫌だよそんな未来!」
「そう思ったのは未来の貴様も同じだ。未来の貴様は昔拾ったっきり電源を入れなかった我を再起動した。ところが長年打ち捨てられていた我は、機能障害を起こしており、こういう乱暴な言葉遣いと主人に対する軽蔑が見られるが、単なる機能障害だ、気にするな」
「き、きのうしょうがい……元就は、本当にアンドロイドなの? とてもそうは見えないけど」
「……我の製造目的が、人間に近い事を最重要としていたから、それは当然だ。だが我は紛れも無くアンドロイドであり、未来の貴様の命令に従って、今、過去の貴様の元に来ている」
「どんな命令をされたの?」
「人生を変えてくれと。貴様を男らしい男にするよう命じられて我は来た」
元就はそう言って、深い溜息を吐く。
「しかし貴様は見るからに鬱陶しいぐらいの女々しさだ。さて、何から始めたものか」
「ほ、放っといてよ。ぼ……俺が元就のご主人様なんでしょ? もうちょっと、その……優しい言い方出来ないの?」
「機能障害だ、気にするな。悪気は無い。主人を敬愛しているし、絶対服従の原則は守られているが、言動は不遜だ。許せ」
「許せ、って……なんだかなあ」
元親は溜息を吐いて、元就から目を反らした。
「悪いけど、もう手遅れだよ元就……ぼ……俺、もう立ち直れそうに無いんだ……」
「ほう。何が有った? 貴様ほど落ちぶれている人間にこれ以上の不幸が有るとは思えぬが」
「……あのね、もうちょっと優しく……機能障害なんだよね、本当に機能障害なんだよね」
「アンドロイドは嘘を吐かぬ」
「……僕、……あ、僕って言っちゃった……お、俺、好きな子に、ふ、フラれちゃったんだ……」
「ほう、失恋か。トドメだな。もう立ち直る事は出来まい」
「い、いや、そこをなんとかするのが元就の仕事でしょ?」
「ふむ、そうであったな。元親も無理難題を押し付けてくれたものよ……」
元就もまた溜息を吐いて、そして元親に尋ねた。
「それで貴様、フラれた理由は判っているのか」
「お、俺が、女々しい、から……だと思う」
「ならば簡単だ。男らしいところを見せてやれば良い」
「男らしいって、どういう感じなの?」
「ふむ。そうだな、例えば……」
そして元就は真顔でとんでもない事を言った。
「床上手であれば、男として一流ぞ」
「…………」
「雰囲気の演出も出来ねばな。空気を読めねば男としては二流ぞ。まずは相手を良く見定めるのだ。女というものはな、とにかく己を気にかけている人間が好きだ。細かい変化や具体的なポイントを見つけて女を褒め、喜ばせ、そしてさりげなく、手を、ま」
「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って、元就!」
「何だ? 講義の途中だぞ」
元就は不快そうに眉を寄せたが、元親は焦って言った。
「お、俺が言ってるのは、たぶん、そういう男らしさじゃなくて……!」
「他にどんな男らしさが有るというのだ。男はSEXが上手でナンボだぞ」
「な、な、何言ってるの! 他にもいっぱいあるでしょ!? 頼りがいが有るとか、たくましいとか、その、賢いとか、色々!」
「ふむ? 我の辞書には載っていないが」
「元就ってどんなアンドロイドなんだよう!」
元親が思わず怒鳴れば、元就は、
「我? 我は厳島産業製アンドロイドP10006739D毛利タイプ個体識別名元就。製造目的は購入者の生活補助、及び性欲処理だ」
「……え?」
「我々は別名、セクシャロイドと呼ばれておる」
我等は女を犯すために生まれたのだ。
元就のとんでもない発言に、元親は頭を抱え、
「俺の、俺の馬鹿!!!!」
と、思わず未来の自分に怒鳴った。
元就と元親の間に、目指す所のズレが有る事が判ったらしい。元就は引き出しの中に頭を突っ込んで、モソモソと何かをし始める。
「な、何してるの……?」
引き出しから下半身だけ出ているような、なんともいやらしい光景に元親が顔を赤くしながら尋ねると、元就はくぐもった声で、
「情報のダウンロードをしておる。インストールまでしばらく時間がかかるから待っておれ」
と答えた。元就が喋ると、尻尾がものものと揺れて、元親はなんとなくそれを握ってみた。すると元就が
「☆□○×!」
とても人間の言葉とは思えないような声を出したので、元親は驚いて手を離す。
「元親!」
「は、はい!」
「我の尻尾を握るな! そこには電源ユニットが搭載されているのだ!」
「ええっ、こんな無防備な所に?」
「……2000年代だな、今は。USBとかいうシステムを使っていた時代か? そういう感じだ。それは我の腰に接続してある自動発電装置で、電源を供給しておるのだ。元親が我をこちらに派遣する際に購入したのだが、奴は貧乏も極まったりで、他に買えなかった。もっと目立たない小さなものも有るのだがな」
「じゃあ、その猫耳も……?」
「これは貴様のキモヲタ属性的な趣味だ。すぐにでも取れる」
「あ、そう……ですか」
取って良いよ、と元親が言うと、元就は「ではそのうち取ろう」と答え、そして引き出しから出て来た。
「よし、良い男の作り方.exeをインストールした」
「なんだか胡散臭いファイル名だね……」
「2000年代に合わせた、良い男を合成せねばならぬからな。全く、流行り廃りの激しい事よ」
「元就の時代には、どんな男がモテてるの?」
「家庭的で役立たず、大金持ちでルックスは良いが、女無しでは生きていけないような男だ」
「……」
「あと30年、生まれてくるのが遅ければ良かったな、元親」
「いや、それって遠まわしに、俺がダメ人間だって言ってない……?」
「よし。一人称は「俺」だな。まずは合格点。元親は男らしい男が良いと言っていたからな……原始的だが粗暴でない、絶妙なバランスを目指すか?」
「げ、原始的……」
「この時代の女は、意外性を好む。なよなよとした外見でいざという時に解決策を見出せるとか、優しそうでいて結婚したら暴力を振るうだとか」
「前者はともかく、後者は好かれてないような……」
「この時代で言う所のイケメンで有りながら、内面は超ヲタクというのも良いらしいぞ」
「そ、そうかなあ? もうちょっと普通になれないの? 俺……」
「ふむ。ではオールマイティーにいくか? 明るく元気でお手伝いもする、仕事もこなすしご近所づきあいも良く、子供と老人に優しく週末は家族のために時間を割く」
「いいね」
「ただし、結婚して5年目に妻を惨殺したりする」
「ただし、とか要らないよ!」
その後二人は延々と話し合い、結局、とりあえずは「普通の男」を目指す事にした。極平均的な男だ。
「一人称はTPOをわきまえ、僕、俺、私を使い分け、特別な個性も無く、長所も短所も曖昧な人間となり、半数には「なんとなく好き」といわれ半数には「なんとなく好きじゃない」と評価される人間を目指し、その後方向転換を図るか。今のままではゲテモノ食いしか近付かぬだろうしな」
「……あのね」
「あのね、ではない。あのな、だ」
「……あの、な」
「そうだ。やれば出来るではないか、元親」
+++
ここまで。力尽きました。
男らしくなった元親が壊れた元就を治す為に機械技師しなって
未来のゴミ捨て場に有った元就を拾って修復し過去に行かせる
ループが始まるのはお約束
ちなみに元就は捨てられたのではなく、前の所有者の明智に
ぐっちゃぐちゃにされたのを哀れんだ他の人がこっそり
逃がしてあげたけど命令が無かった元就は明智邸に戻ろうと
努力している最中に電池切れで活動停止、その期間があまりに
長かったので再起動時にはシステムファイル以外は損傷して
何も覚えてない、とかそんな設定でした
元就の機能障害は明智のところで発生したものとか、そんな感じで。
タイムパラドックスって考え始めると頭痛くなります。
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二人とも変態。永遠の中二病。
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