書けてたのはここまでなので、続きは果てしなく後日に……
あと試験一ヶ月切ったのに愛用の電卓壊れたよ orz
先日のネットラヴァーな話の続き
あと試験一ヶ月切ったのに愛用の電卓壊れたよ orz
先日のネットラヴァーな話の続き
あまり人の多い所は好かないと言うから、町外れの駅前で待ち合わせをした。目印はとりあえず、改札を出てすぐに有る、喫茶店の前のベンチだ。そこに座っている、と。元親は待ちきれず、ずっと改札の方を見ていた。
たくさんの人が通り過ぎる。あいつだろうか、もしかしてあいつかも、と目が合う度に思ったが、皆何処かへ行ってしまった。待ち合わせの時刻はとっくに過ぎている。その事についてのメールも電話も無い。すっぽかされたのだろうか、と元親は落ち込んで、それでもまだまだ待った。
と。
「……あの」
低い声が、後ろからかけられた。ビクリとして振り返る。いつの間にか背後に、小柄な男が立っていた。深緑のロングジャケットをぴっちり締めている。ジーンズとスニーカー。髪は中途半端な長さで、元親をおっかなそうに見ていた。
「……09、S?」
元親が辛うじて声を出すと、彼は小さく「初めまして」と呟いた。正直言って元親は、相手の外見に期待はしていなかった。謙遜でなかった時に、ガッカリした顔を見せると失礼だと思ったからだ。どんな酷い面なのか、と元親は逆にワクワクしていたほどだったが、彼はどちらかと言えば整った顔をしていて、元親は大いに喜んだ。
「初めまして。バリスタだ。本名は……長曾我部、元親」
「……毛利、元就……です」
小さな声。萎縮されていると元親は感じ取って、笑顔を浮かべて手を差し出す。
「メールでも言ったけど、敬語じゃなくてもいいって。じゃあ、元就って呼ばせてもらうぜ。あんたも俺の事は元親って呼んでくれ。まぁ、バリスタでもいいけどよ」
「……で、では、……遠慮無く」
元就はなかなか元親と目を合わせなかった。怖がられているというのは判ったから、なるたけ明るく話を振った。元就が食べたいと言ったのはハンバーガーだったから、ファストフードの店に行った。初回は奢る方か、割り勘にした方が好感を持たれると知っていたから、元親は奢ると言った。元就が頼んだのは、一番安いバーガー単品だったからだ。元親はそれを補うようにセットといくつかの単品、それと飲み物を頼んだ。元就は悪いと言ったが、俺が好きでやってんだ、と譲らなかった。
元就は実においしそうに、そのぺったんこのハンバーガーを食べた。あんまり嬉しそうだったから、元親まで何かいい気持ちになりながら、ポテトをかじる。その間にも色々話をした。HNの由来や、メールで話していた本の話。元就は少しづつ目を合わせてくれるようになったし、喋るようになった。敬語ばかり使っていた理由はそのあたりで判った。彼の地のしゃべり方は、少々古めかしくて尊大だったから。
「そなたは普段、何を……?」
ふいに仕事の話を聞かれて、元親は一瞬困ったが、すぐに大嘘を吐いた。正直に話すより、よほど好感が持たれると知っていたから。
「んっと、機械系の仕事……っていうか。組立とかしてる。設計とか」
「だから、バリスタ?」
「え? あ、ああ。そう、そういう事」
バリスタの事をつっこまれて、元親は慌てて頷いた。電気、機械系の人間でないと、基本的には知らないだろうからだ。一般的なのは西洋の兵器の方であって、こちらではなかった。
「……えっと、で、元就は?」
元親は話題を逸らすためにも、質問を返した。元就は一瞬黙ってから、おずおずと。
「……じ、……自宅、警備員という、奴だ……」
と答えた。
「……えーと、つまりそれは……ニートっていう……」
「しかも、引きこもりだ……」
「出てきてんじゃん」
「何年かぶりの外出だ。……幻滅したか?」
不安そうな顔で言われれば、こちらは精一杯気にしていない顔をしなくてはいけない。「いやー、意外だな。でもまあいいんじゃねえの?」と明るく言ってやりながら、元親は心の中で、とんでもねぇのと付き合う事になった、と思った。
「それで話し相手が欲しかった、って事か」
「……何年も人から離れていると、色んな事を忘れてしまった……。話し方も、服の選び方も。だからなおさら、外に出るのが怖くなってな。ネットで慣らしてから……と思ったのだが、……まさかそなたと、こういう関係にまでなるとは、思わなかった」
ぎこちなく笑う。確かに慣れていないのだろうと思う。挙動がところどころ不自然なのだ。元親はそれを精一杯カバーしてやった。確かに実物にはビックリしたが、元親は09Sという人物を大切に思っていた。真摯で、良くも悪くも平等な彼の言葉が好きだった。それが外見を伴っただけなのに、引いたり嫌ったり、幻滅するのはおかしいと自分に言い聞かせて、ネット上と変わらぬ風を心がけた。
あくまで敬語、あくまで礼儀を持って、自分からは決して近寄って来ない09Sへ、半ば無理矢理触れていくのだ。こちらからはタメ口で。こういうのは好きか、ああいうのは好きか。09Sはそれを拒まなかった。むしろ、少しづつそれで心を開いてくれた。だから、本体である元就も、そうした人間なのだ。こちらから開いてやらないと、扉は閉じたままに違いない。扉というものは、一度閉じてしまえば開きにくいものなのだから。
元親はいくらでも話題を振り続けたし、元就はそれに付き合い続けた。何時間もそうして話し込んだ。最後の頃には、元親もはっきり予感していた。こいつは特別だ、と。
元親に話をせがんだりしない。その割に、どんな下らない話も真剣に聞いてくれた。そのうち元親は自分が恥ずかしくなった。口からでまかせを沢山喋っていたし、良くない事を武勇伝のように思っている。一方の元就は何処までも素直に発言した。先ほどの自宅警備員も、普通なら白状しないだろうに。
元親は元就となら、いくらでも話せそうな気がした。いくらでも一緒に居られる気がした。元就はあまり自分の事を話さなかったから、もっともっと知りたくなった。元親は何故かそわそわしてしまって、意味が判らずに首を傾げた。
ネット上では恋人だったわけで。元親は当然、このままホテルに行き、するべき事をするのだと思っていた。
ところが元就は「今日は帰る」と言い出したものだから、元親は心底焦った。もしかして、嫌われたのだろうかと。
「いや、その……恥ずかしい話だが、その……」
「……?」
「長い間、引きこもっていたから……こうして誰かと会うのも、とても怖くて、緊張して……だから、これ以上何かされたら、たぶん……どうにもならなくなりそうで」
つまり、その勇気が出るまで待って欲しいと言われているのだ。元親は悟って、それから笑った。そんな事も初めてだった。だから怒りも湧いてこない。この風変わりな恋人が、ますます愛らしくなるばかりだった。
「じゃあ、……じゃあ、手を繋いでいいか? 駅まで送るよ」
元就はそれには頷いてくれたから、元親は彼の手を握って歩いた。彼の少し狭い歩幅に合わせて、のんびり歩いた。とても楽しい時間だった。元親は電車が行くまで見送り続けて、そして笑った。なんとも幸せな気持ちでいっぱいだった。
家に帰り、パソコンをつけるとメールが届いていた。09Sからだった。
「今日は本当にありがとうございました。貴方に悪い印象を与えていないか心配です。久しぶりに食べたハンバーガーはとても美味しかったです。また是非、会ってお話がしたいです。
それと、貴方はとてもお洒落で格好良い方なので、私が側に居るとご迷惑だと思います。私も貴方の品を損ねないように、ファッションに気を配らなくてはいけないと思いました。ですから――」
おう、服でも何でも買ってやるよ。元親はそんな風に思いながら、画面をスクロールする。
「もしよろしければ、ファッションの参考なる雑誌など、教えていただけませんでしょうか? 次に会う時までに、勉強をしておきたいのです。貴方の好きな格好はどんなものですか? こんな職業ですが、お金は大丈夫ですので、教えて下さい。
P.S.バリスタさんと言うからにはどんな怖い人かと思っていたので、とても安心しました」
元親はしばらく画面を見続けて、それから笑って返信ボタンを押した。そんな面倒な事をしなくても、俺が買ってやる……そう書きかけて、止めた。彼がそれを望んでいないのに提案するのは、失礼かと思ったのだ。元親が相手の都合を考えるのは珍しい。元親はしばらく悩んで、それから返信した。
「雑誌とホームページをいくつか張り付けておくよ。俺は別に、あんたならそれでいいけど、たぶん納得しないよな。もしよければ、今度会う時に、一緒に服を見に行こう。それとバリスタはキレたら終わりだから、なかなか本性は見せられないんだよ」
+++
大筋は決めてるんですけど、その間が未定なのでどうなる事やら……
たくさんの人が通り過ぎる。あいつだろうか、もしかしてあいつかも、と目が合う度に思ったが、皆何処かへ行ってしまった。待ち合わせの時刻はとっくに過ぎている。その事についてのメールも電話も無い。すっぽかされたのだろうか、と元親は落ち込んで、それでもまだまだ待った。
と。
「……あの」
低い声が、後ろからかけられた。ビクリとして振り返る。いつの間にか背後に、小柄な男が立っていた。深緑のロングジャケットをぴっちり締めている。ジーンズとスニーカー。髪は中途半端な長さで、元親をおっかなそうに見ていた。
「……09、S?」
元親が辛うじて声を出すと、彼は小さく「初めまして」と呟いた。正直言って元親は、相手の外見に期待はしていなかった。謙遜でなかった時に、ガッカリした顔を見せると失礼だと思ったからだ。どんな酷い面なのか、と元親は逆にワクワクしていたほどだったが、彼はどちらかと言えば整った顔をしていて、元親は大いに喜んだ。
「初めまして。バリスタだ。本名は……長曾我部、元親」
「……毛利、元就……です」
小さな声。萎縮されていると元親は感じ取って、笑顔を浮かべて手を差し出す。
「メールでも言ったけど、敬語じゃなくてもいいって。じゃあ、元就って呼ばせてもらうぜ。あんたも俺の事は元親って呼んでくれ。まぁ、バリスタでもいいけどよ」
「……で、では、……遠慮無く」
元就はなかなか元親と目を合わせなかった。怖がられているというのは判ったから、なるたけ明るく話を振った。元就が食べたいと言ったのはハンバーガーだったから、ファストフードの店に行った。初回は奢る方か、割り勘にした方が好感を持たれると知っていたから、元親は奢ると言った。元就が頼んだのは、一番安いバーガー単品だったからだ。元親はそれを補うようにセットといくつかの単品、それと飲み物を頼んだ。元就は悪いと言ったが、俺が好きでやってんだ、と譲らなかった。
元就は実においしそうに、そのぺったんこのハンバーガーを食べた。あんまり嬉しそうだったから、元親まで何かいい気持ちになりながら、ポテトをかじる。その間にも色々話をした。HNの由来や、メールで話していた本の話。元就は少しづつ目を合わせてくれるようになったし、喋るようになった。敬語ばかり使っていた理由はそのあたりで判った。彼の地のしゃべり方は、少々古めかしくて尊大だったから。
「そなたは普段、何を……?」
ふいに仕事の話を聞かれて、元親は一瞬困ったが、すぐに大嘘を吐いた。正直に話すより、よほど好感が持たれると知っていたから。
「んっと、機械系の仕事……っていうか。組立とかしてる。設計とか」
「だから、バリスタ?」
「え? あ、ああ。そう、そういう事」
バリスタの事をつっこまれて、元親は慌てて頷いた。電気、機械系の人間でないと、基本的には知らないだろうからだ。一般的なのは西洋の兵器の方であって、こちらではなかった。
「……えっと、で、元就は?」
元親は話題を逸らすためにも、質問を返した。元就は一瞬黙ってから、おずおずと。
「……じ、……自宅、警備員という、奴だ……」
と答えた。
「……えーと、つまりそれは……ニートっていう……」
「しかも、引きこもりだ……」
「出てきてんじゃん」
「何年かぶりの外出だ。……幻滅したか?」
不安そうな顔で言われれば、こちらは精一杯気にしていない顔をしなくてはいけない。「いやー、意外だな。でもまあいいんじゃねえの?」と明るく言ってやりながら、元親は心の中で、とんでもねぇのと付き合う事になった、と思った。
「それで話し相手が欲しかった、って事か」
「……何年も人から離れていると、色んな事を忘れてしまった……。話し方も、服の選び方も。だからなおさら、外に出るのが怖くなってな。ネットで慣らしてから……と思ったのだが、……まさかそなたと、こういう関係にまでなるとは、思わなかった」
ぎこちなく笑う。確かに慣れていないのだろうと思う。挙動がところどころ不自然なのだ。元親はそれを精一杯カバーしてやった。確かに実物にはビックリしたが、元親は09Sという人物を大切に思っていた。真摯で、良くも悪くも平等な彼の言葉が好きだった。それが外見を伴っただけなのに、引いたり嫌ったり、幻滅するのはおかしいと自分に言い聞かせて、ネット上と変わらぬ風を心がけた。
あくまで敬語、あくまで礼儀を持って、自分からは決して近寄って来ない09Sへ、半ば無理矢理触れていくのだ。こちらからはタメ口で。こういうのは好きか、ああいうのは好きか。09Sはそれを拒まなかった。むしろ、少しづつそれで心を開いてくれた。だから、本体である元就も、そうした人間なのだ。こちらから開いてやらないと、扉は閉じたままに違いない。扉というものは、一度閉じてしまえば開きにくいものなのだから。
元親はいくらでも話題を振り続けたし、元就はそれに付き合い続けた。何時間もそうして話し込んだ。最後の頃には、元親もはっきり予感していた。こいつは特別だ、と。
元親に話をせがんだりしない。その割に、どんな下らない話も真剣に聞いてくれた。そのうち元親は自分が恥ずかしくなった。口からでまかせを沢山喋っていたし、良くない事を武勇伝のように思っている。一方の元就は何処までも素直に発言した。先ほどの自宅警備員も、普通なら白状しないだろうに。
元親は元就となら、いくらでも話せそうな気がした。いくらでも一緒に居られる気がした。元就はあまり自分の事を話さなかったから、もっともっと知りたくなった。元親は何故かそわそわしてしまって、意味が判らずに首を傾げた。
ネット上では恋人だったわけで。元親は当然、このままホテルに行き、するべき事をするのだと思っていた。
ところが元就は「今日は帰る」と言い出したものだから、元親は心底焦った。もしかして、嫌われたのだろうかと。
「いや、その……恥ずかしい話だが、その……」
「……?」
「長い間、引きこもっていたから……こうして誰かと会うのも、とても怖くて、緊張して……だから、これ以上何かされたら、たぶん……どうにもならなくなりそうで」
つまり、その勇気が出るまで待って欲しいと言われているのだ。元親は悟って、それから笑った。そんな事も初めてだった。だから怒りも湧いてこない。この風変わりな恋人が、ますます愛らしくなるばかりだった。
「じゃあ、……じゃあ、手を繋いでいいか? 駅まで送るよ」
元就はそれには頷いてくれたから、元親は彼の手を握って歩いた。彼の少し狭い歩幅に合わせて、のんびり歩いた。とても楽しい時間だった。元親は電車が行くまで見送り続けて、そして笑った。なんとも幸せな気持ちでいっぱいだった。
家に帰り、パソコンをつけるとメールが届いていた。09Sからだった。
「今日は本当にありがとうございました。貴方に悪い印象を与えていないか心配です。久しぶりに食べたハンバーガーはとても美味しかったです。また是非、会ってお話がしたいです。
それと、貴方はとてもお洒落で格好良い方なので、私が側に居るとご迷惑だと思います。私も貴方の品を損ねないように、ファッションに気を配らなくてはいけないと思いました。ですから――」
おう、服でも何でも買ってやるよ。元親はそんな風に思いながら、画面をスクロールする。
「もしよろしければ、ファッションの参考なる雑誌など、教えていただけませんでしょうか? 次に会う時までに、勉強をしておきたいのです。貴方の好きな格好はどんなものですか? こんな職業ですが、お金は大丈夫ですので、教えて下さい。
P.S.バリスタさんと言うからにはどんな怖い人かと思っていたので、とても安心しました」
元親はしばらく画面を見続けて、それから笑って返信ボタンを押した。そんな面倒な事をしなくても、俺が買ってやる……そう書きかけて、止めた。彼がそれを望んでいないのに提案するのは、失礼かと思ったのだ。元親が相手の都合を考えるのは珍しい。元親はしばらく悩んで、それから返信した。
「雑誌とホームページをいくつか張り付けておくよ。俺は別に、あんたならそれでいいけど、たぶん納得しないよな。もしよければ、今度会う時に、一緒に服を見に行こう。それとバリスタはキレたら終わりだから、なかなか本性は見せられないんだよ」
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