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めでぃのくの日記
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2009-06-12 (Fri)
 アニメ公式の元就様が微笑んでおられる件について
 は、はかねー、絶対3日以内に死んじゃうような笑みだ
 本編に出そうも無い微笑み 誰に対して笑んでるの
 日輪です


 以下、この間のとは違う小ネタ
 ファイル名は「かみ」 この間のは「さっか」 も一個前のは「ひと」
 タイトルは書き終えてからつけるほうなので
 ファイル名は何も考えてない

 予約を入れようと電話をかけたのに、繋がらなかった。その時点で嫌な予感がして、長曾我部元親はその美容室に向かった。

 大層派手な美容室はシャッターが下りていて、そこには張り紙。真に申し訳ありませんが、都合により、閉店。元親は溜息を吐いた。新しい美容室を探さなくてはならない。

 元親はあまり美容室というのが好きではない。理髪師と長々話すのも最初のうちは苦痛だ。やっと店員と仲良くなってきたのに、と元親はうなだれた。また最初からやり直しだ。

 元親は生まれつき色素が薄い。アルビノというほどではないのだが、とにかく薄い。外人の血が入っているとか言うが、何処まで本当なのかは知らない。だが髪は元々白に近いグレーで、眼も緑だ。初対面の人間には外人だと思われる事も多く、せめてと元親はサングラスをして生活しているが、それでも周囲からは好奇の目で見られる。

 お客さん、外人さんですか、いいえ日本人です、染めてるんですか、いえ地毛です。

 そんな流れを何度も繰り返して、それがもう面倒になっていたのだ。そこにきて、行き着けの美容室が潰れてしまった。もう元親は嫌になっていた。

 新しい所を探さなければ、と元親は考えたが、人間、嫌な事はどうしても後回しにしてしまうものだ。気付くと元親の髪は伸びて、重たくなり、どうにもこうにも整わなくなってきた。大急ぎで美容室を探すが、何処もピンと来ない。明日は歌う日だから、髪ぐらいはちゃんとしなくてはならない。もうどこでもいい。

 元親はそんな事を考えて、そしてふと思い出した。

 そうだ、毛利の店、まだやってんのかな。

 元親は少し考えて、そして毛利元就の所へ向かったのだった。



 元就の店は昔ながらの理髪店である。町の外れに有る小さな店だ。おなじみのポールがくるくる回っている。決して美容室ではない。洒落てもいない。来る客も年のいった人間しかいない。元就はそんな店で一人、働いている。

 元々は祖父母の代からの店だったそうだ。実父、実母を早くに亡くした元就は、祖父母に育てられたらしい。毎日髪を切る彼らに憧れて、自らも美容師を目指した、というような事を聞いた。客層の年齢は高いから、そういう仕事が多いが、今時のカットの仕方も一応は勉強しているという。

 元親と元就は男子高時代の同級生だ。といっても、友人というわけではない。学生時代は会話など、一言二言しかしていないようなものだ。少し前の同窓会で、各人のその後を聞いて回った中に、元就が実家で美容師をしているという話が入っていた、ただそれだけだった。

 それでも元親は、新しい店に行くぐらいなら、あいつの店にでも行ってみようか、という気持ちになる程度には、元就の事を好いてはいた。

 ガラス戸の入り口を開ける。カランカランとベルが鳴った。予約も入れていないのに来てしまったが、幸いというかなんというか、客は居なかった。

 ややするとのろのろと元就が奥から出てくる。奥と二階は元就の実家になっているらしい。元就は元親の顔を見ると、「長曾我部」と驚いたような声を出す。

「あー、カットしてもらいてぇんだけど、……だめかな」

 挨拶も特にせず切り出すと、元就は少し考えて、「良いぞ」と答える。

「どのように?」

「えーっとそうだな……」

「ああ、……待て」

 元就はカウンターの奥から、ごそごそとヘアカタログを引っ張り出して持って来る。

「あまり使わないから埃を被っておるが」

「いやまあいいよ。……一応最新版なんだな」

「一応とはなんだ」

「いや。……んじゃ、こんな感じで」

「……ふむ」

 元就は小さく頷いてカタログを受け取ると、元親を席へ促した。



 じゃくじゃく、というような音を立てて鋏が滑り、髪が落ちていく。

 学生時代の元就は、どちらかと言えば不器用で、とろくて、静かで、目立たなかったのに、鏡越しに見る元就の手つきは素早く的確で、元親はずっとその手の動きを見ていた。

「急に来ちまったけど、良かったのか、予約とか」

「そう客は多くないからな。だが次からは予約を入れてくれ」

「ん、判った。……毛利さ、……仕事楽しい?」

「ん?」

「だってよ、じいさんばあさんの相手ばっかりだろ?」

「そうだな。だが仕事は楽しいぞ。少々手は荒れるがな」

「だろうな」

「うむ」

 会話は良く途切れた。けれど、それで不安にはならなかった。元就との時間は、いつだってそうだったから、気まずくもないし、次の話題を必死に探すような必要も無かった。

「……そなたは今、どうしておるのだ」

「うん?」

「この間の同窓会でもそうだったが、そなたは他人のその後ばかり気にして、自分の事は一つも言わなかったではないか」

 なんだ、聞いてたのか、と元親は苦笑する。

「恥ずかしいんだよ」

「何がだ」

「この年になってさ、まだ夢追っかけてるなんて」

 夢を見るような年ではない。現実だけが迫って来て、夢に追われるようになってしまった。毎日忙しく働いて、夢を追うのだと、追っているのだと言い聞かせて、時々TVをつけて、自分より若い人間がCDデビューをしているのを見ると、何故だか無性に焦って、苦しくて、泣きたくなる。

「……よいではないか」

 元就は静かに笑った。

「追いかけなければ捕まらぬものだ。気がすむまで追いかければいい。……恥じる事など何も無い。少なくとも……我は、そなたの歌、好きだぞ」

「……聞いた事、有んのかよ」

「文化祭だ」

「ああ……」

 学生時代、文化祭の学生ライブで、確かに歌った。ガキ同士がつるんで、流行の歌を体育館で熱唱した。下手なギター、時々打ち間違うドラム、何をしてもキャーキャー言う他校の女子。ついでにアニキーとか大声を出している後輩達。

 その風景の中に、元就も居たのだろうか。何のために居たのかは判らない。パンクとかロックとか、とにかく不良どもがバンドの真似事をしていただけなのだ。当時の元就は大人しく、聞きに来るようには思えない。

 あの頃は髪も真っ黒で、もう少し短くて、いつも隅のほうで静かにしていた。何のとりえも無い、勉強しかしない奴だと元親は思っていた。いつのまに髪を染めるようになって、堂々と喋るようになって、人の髪を切って飯を食えるようになったのか。元親は改めてそのギャップに驚いていたし、それが何故だか嬉しくて、でもやはり、少し焦った。

 

 余計な詮索も会話も要らないのは随分楽だった。なにより、随分と元就はシャンプーが上手かった。あーこれならずっとされていてぇなあ、と思うような上手さだった。不器用そうだったのに、職にしてしまえば磨かれるものなのだろうか、と元親は感心した。

 ドライヤーをかけて仕上がった髪形も満足のいくものだったし、何よりカット代金がえらく安かった。曰く、知人には割引しているそうだが、元々客も少ないし、こんなところに来るのは全員が知人だろうにやっていけるのだろうか、と元親は心配になったほどだ。

「食っていくだけなら十分だ。子でも作らぬ限りはな」

 元就はそう無表情で言って、それから僅かに笑んだ。

「よかったらまた来てくれ。時々は鋏も使いたいのだ」

 元親は「ああ、今度は予約入れるよ」と答えて、店を出た。


 +++

 元親が美容師かなーと思ったので逆にしてみました

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