〔美流〕おとうさーん

　エアコン欲しいよー、とお父さんに訴えたら、
　エアコンを作ってくれました、お父さん。

　お父さん……
　オイラもう少し、普通の生活したいです、少しでいいから……
　お父さんに何か相談すると、思いもよらない方向に進むからなあ。

　小学生の頃に、
「わたし、まんが家か、しょうせつ家になるのがゆめなのよ」
　って軽い気持ちで言ったら、
「そうか、それ以上何も言うな、今すぐ書いて持って来い、お父さんが添削してやるから。お父さんは、お前の夢をかなえるためならなんでもするぞ！」
　といわれ、ただの夢が強制的に現実化されてしまったのでした……

　いや、きっといいお父さんだと思います。時々呆然とするだけです。

　ちなみにお父さんは、電気屋さんです（厳密に言えば違いますが）
　電気屋さんに何故、自分は娘を作家に出来るという自信が有ったのか、未だに判らない。