〔美流〕うん

　ちょっとマシになりました。ピリピリ感だけはどうにもなりませんが……
　

　一年ぐらい前にたけだのてつやさんがおっしゃっていたけれども、
　最近の戦争を知らない世代は、戦に出て行く夫を悲しげに見送る演技しか出来ないと嘆いていた。
　戦争が普遍的だった時代、戦争とは男にとって仕事であり、出世の大チャンスでもあり、
　なにより家族を守るために戦うのだからして、
　そんな人を悲しげに見送るバカが何処にいるか、笑顔で見送らなけりゃいけないじゃないか、と。

　つまり、
「あなた、今日も頑張ってきてね！」
　と笑顔で送り出す妻が、ダンナにたうりん１０００みりぐらむを渡すわけですね。
　ダンナはいつストレスで脳梗塞や胃がんを起こして死んでしまうか判らないけれど、
　ダンナは家族を守るため、よりよい暮らしを手に入れるため、毎日満員電車に揺られ、
　一つしくじれば首が飛び路頭に迷う戦場へ旅立っていくわけだ、毎日。

　現代の家族達は、そんなお父さんに悲しみさえ抱かなくなってしまった。
「ついでにゴミ出しといて。あと帰りにネギ買って来てね」
　これから戦に行く人間に、あんまりではないか。

　とぞおもひける。メランコリーな時に何か考えても悪化するだけだという事が良く判った。


　そういえばアレほど歴史が好きだったおじいちゃん（愛媛県出身）が、
　毛利元就をベタ褒めしても、長曾我部元親について一切言及しなかった理由が、なんとなく判った気がｽﾙ。
　たぶん私が石田三成を知らないのに竹中半兵衛を知っていた原因は、おじいちゃんだと思う。