自分でも、面白くなりそうな予感がしなかったので、
前半が文章で、後半はネタ語りです
童貞チカ
前半が文章で、後半はネタ語りです
童貞チカ
僕は生まれた時から悪い子だったそうです。
僕が生まれたから、お母さんは大変な思いをしたそうです。
まずはお母さんを、大変に痛い目に合わせたそうです。
そしてお母さんは、僕が生まれたせいで、家を失ったそうです。
寝る時間も、ご飯も僕が取ってしまって、お母さんは大変に苦労したそうです。
だから、お母さんが僕を憎んでしまっても、それは仕方がない事なのです。
だけどお母さん、お母さん、僕は、僕は、僕は、こんなのは、こんなのは、嫌です。
お母さん。
長曾我部元親は目覚まし時計の音で目を覚ました。顰め面のまま、右手をベッドから出し、サイドテーブルの時計を探す。がしりと手でつかみ、音を止めた。
1、2、3と数えて、がばりと顔を上げる。そこは自分の部屋で、他にどんなまがまがしい物も存在しない。その事に酷く安心して、ベッドから転がり出た。テレビとその側に置いて有るゲーム機は最新の物だし、雑誌も最新の日付だ。机の上には教育書が並び、クローゼットの中身は半分がスーツ。元親はそれに満足して、鏡を見る。
左眼の傷は、教師の仕事に向かないと、当初色んな人間に反対された。だがそんな事は関係無かった。向くか向かないかの問題ではないのだ。要するに元親は、大人と出来る限り関わりたくなかった。子供は苦手だが嫌いではないし、子供との時間が好きだった。嫌われようとなんだろうと、とにかく自分は小学校に居座ると心に決めていた。
事実、出来るだけ明るい教師を演じると、子供達も懐いて、顔の傷の事などどうでもよくなったらしい。元親は生徒の親にも人気が有る、出来のいい教師になっていた。だから元親は、現状に対する不満を特に持っていない。
のろのろと寝巻から仕事着であるスーツに着替えて、そして部屋を出る。リビングでは恋人である毛利元就がコーヒーを淹れていた。最近は彼の作る朝食の味も良くなってきた。最初は「恐らくドッグフードのほうが旨いだろう」と元就自身が言うほど酷かった。今、テーブルに並んだ料理は目玉焼きやそれにトーストなど、特に優れた物ではなかったが、朝食らしい朝食だった。二人で摂る朝食は妙に幸せで、元親はこちらに関しても特に不満が無い。
元就に「おはよう」と声をかけ、テーブルに着く。元就は小さく頷いて、コーヒーを差し出した。彼はコーヒーを淹れるのだけは、最初から上手かった。長い間、二人して朝はコーヒーだけ飲んでいた時期も有ったほどだ。
ただ正直なところ、元親は元就の事を、それ以上知らない。出会いを求めるバーで、声をかけて、そして黙ってついて来て、それいらい恋人だというそれだけで、お互いに互いの素性を語っていない。それでも恋人なんだろうか、と時々疑問に思わなくもない。まして、二人は性交渉に及んでいない。
その原因は全て元親に有る。元親は人と、特に大人と触れあう事が少々苦手だ。潔癖症と呼ぶ人も居るが、それならば子供も対象になるだろう。全ての原因ぐらいは、元親も判っている。子供の頃、母親の犯されかけたのだ。
詳しい事は知らないが、状況を思い出すと、大体の事は判る。恐らく不倫関係か何かだったのだ、両親は。子供が生まれれば、父親を奪えると母は思っていた。ところが父は、母を見捨てた。母は利用されていたのに、最後までそれに気付かなかった。母は赤子の元親を連れて、途方に暮れて、大変な苦労をして生きた。
そしてその後、成長した元親に、父親でも重ね見たのだろうか。母は半狂乱で元親に馬乗りになり、服を奪い取り、むさぼりついた。元親は恐怖のあまり母をはねのけ、そして逆上した母がハサミを握り、その切っ先が元親の左目を奪った。
その事について元親は、大した不幸だったとは思っていない。母を憐れんでさえいる。今はもう、白い病棟の奥深くに封印されている彼女を、心から憐れんでいる。だが本能は恐怖を知ってしまった。以来、女という女が恐ろしく、そして性交渉に嫌悪を覚え、人に触れられる事に怯えている。根気よくカウンセリングを受けた結果、少々緩和はされたが、完治はしない。だから元親は、元就とさえ、まともに触れあってもいない。元就はそれについてなにも言わないが、元親は正直不安だった。
元親は人が苦手だったが、それでも寂しいと思う心が有った。ただ持ち前の明るさが災いして、軽い人間に見られ、付き合った人間は殆どがすぐに性交渉を求めた。だから全く求めない元就と一緒に居る事がとても心地良い。だが元就はそれで満足なのだろうか、と考えると落ち着かない。そのうちそれを理由に捨てられるのではないか、と思う。元親はそれぐらい元就の存在を気に入っていた。一緒に暮らし、一緒に食事を摂り、時々TVを見てくつろぎあうその存在が好きだった。
だのに、キスの一つさえ、怖くてできない。
元就はやはり特に会話もしない。ただ黙々と朝食を摂る。元親が時々話しかけると、それに答えるばかりで、元就からは話したりしない。元親はそれも時々不安になる。もしかして、自分もまた、元就に利用されているだけなのではないか、と思わなくもない。逆に、元就を利用しているだけなのではないかとも、考える。元親にはそれを問う勇気も無かった。
+++
ここまで。
アニキは小学校の教師。アニキが暗い設定だとどうも書くのが難しい。
元就は昼間働いているらしく、夜9時にはグッスリ寝ている。爺かよ、と元親は思っていて、ずっとその職が気になっていた。
ある日アニキが街中をぶらぶらしていると、出勤中と思わしき元就を見つける。尾行して見ると、なんと元就は昼間っからSMクラブへ。
え、ええええ!? と思って中に入ると、オーナーの明智さんが「いらっしゃいませ」で、いや客じゃなくてとオロオロ。
そこはどういう店なのかと聞くと、昼間に情事を行いたい人のための店ですよ、と答え。夜に出かけられない人の為に有るらしい。
元就が何をしているのかと聞くと、「彼は当店ナンバー1の女王様ですよ、気前良くマゾを叩いて犯す、評判のいい方です」と。
元親大いにショック。しょんぼりして帰宅した頃には、元就も帰宅していて、少しも疲れた様子ではなくて、コイツ今日も誰かと……と思うとげんなりしてくる。けどとりあえず探りを入れる。
「なんかずっとごめんな、エッチできなくて」と言うと、「そなたがしたくないのなら、しなくてもいい」と素っ気ない答え。「でも」と言うと「したいならすればいいし、したくないならしなければいい。自信を持て」と妙な返事。「今すぐしたいと思わないなら、それはしたくないという事なのだ。義理に縛られる事は無い」だとか。
しばらくして、「どんな仕事してんだ?」と聞くと「……肉体労働」との答え。「土建屋とかか? 似合わないな」とトボけておくと、「疲れないと、眠れないのだ」との答え。
眠れない理由を聞くと、若い頃に、兄が実家に放火をしたとか。自分は寝ていて何も気づかなかった。眼が覚めたら煙がいっぱいで。父が火の中から現れて、自分を抱きしめて家の外まで運んでくれた。父は、母を探すと言って家に駆け戻り、そして生き残ったのは自分だけになったとの事。
以来、眠っている間に大事な物が損なわれる恐怖から、ずっと不眠だとか。そなたとの生活が壊れないかと思うと、とても眠れないとか。だから働いているとか。
このへんまで考えてこいつらの行きつく先がセックスレス夫婦以外の何物でも無い気がしたので、終了しました。
僕が生まれたから、お母さんは大変な思いをしたそうです。
まずはお母さんを、大変に痛い目に合わせたそうです。
そしてお母さんは、僕が生まれたせいで、家を失ったそうです。
寝る時間も、ご飯も僕が取ってしまって、お母さんは大変に苦労したそうです。
だから、お母さんが僕を憎んでしまっても、それは仕方がない事なのです。
だけどお母さん、お母さん、僕は、僕は、僕は、こんなのは、こんなのは、嫌です。
お母さん。
長曾我部元親は目覚まし時計の音で目を覚ました。顰め面のまま、右手をベッドから出し、サイドテーブルの時計を探す。がしりと手でつかみ、音を止めた。
1、2、3と数えて、がばりと顔を上げる。そこは自分の部屋で、他にどんなまがまがしい物も存在しない。その事に酷く安心して、ベッドから転がり出た。テレビとその側に置いて有るゲーム機は最新の物だし、雑誌も最新の日付だ。机の上には教育書が並び、クローゼットの中身は半分がスーツ。元親はそれに満足して、鏡を見る。
左眼の傷は、教師の仕事に向かないと、当初色んな人間に反対された。だがそんな事は関係無かった。向くか向かないかの問題ではないのだ。要するに元親は、大人と出来る限り関わりたくなかった。子供は苦手だが嫌いではないし、子供との時間が好きだった。嫌われようとなんだろうと、とにかく自分は小学校に居座ると心に決めていた。
事実、出来るだけ明るい教師を演じると、子供達も懐いて、顔の傷の事などどうでもよくなったらしい。元親は生徒の親にも人気が有る、出来のいい教師になっていた。だから元親は、現状に対する不満を特に持っていない。
のろのろと寝巻から仕事着であるスーツに着替えて、そして部屋を出る。リビングでは恋人である毛利元就がコーヒーを淹れていた。最近は彼の作る朝食の味も良くなってきた。最初は「恐らくドッグフードのほうが旨いだろう」と元就自身が言うほど酷かった。今、テーブルに並んだ料理は目玉焼きやそれにトーストなど、特に優れた物ではなかったが、朝食らしい朝食だった。二人で摂る朝食は妙に幸せで、元親はこちらに関しても特に不満が無い。
元就に「おはよう」と声をかけ、テーブルに着く。元就は小さく頷いて、コーヒーを差し出した。彼はコーヒーを淹れるのだけは、最初から上手かった。長い間、二人して朝はコーヒーだけ飲んでいた時期も有ったほどだ。
ただ正直なところ、元親は元就の事を、それ以上知らない。出会いを求めるバーで、声をかけて、そして黙ってついて来て、それいらい恋人だというそれだけで、お互いに互いの素性を語っていない。それでも恋人なんだろうか、と時々疑問に思わなくもない。まして、二人は性交渉に及んでいない。
その原因は全て元親に有る。元親は人と、特に大人と触れあう事が少々苦手だ。潔癖症と呼ぶ人も居るが、それならば子供も対象になるだろう。全ての原因ぐらいは、元親も判っている。子供の頃、母親の犯されかけたのだ。
詳しい事は知らないが、状況を思い出すと、大体の事は判る。恐らく不倫関係か何かだったのだ、両親は。子供が生まれれば、父親を奪えると母は思っていた。ところが父は、母を見捨てた。母は利用されていたのに、最後までそれに気付かなかった。母は赤子の元親を連れて、途方に暮れて、大変な苦労をして生きた。
そしてその後、成長した元親に、父親でも重ね見たのだろうか。母は半狂乱で元親に馬乗りになり、服を奪い取り、むさぼりついた。元親は恐怖のあまり母をはねのけ、そして逆上した母がハサミを握り、その切っ先が元親の左目を奪った。
その事について元親は、大した不幸だったとは思っていない。母を憐れんでさえいる。今はもう、白い病棟の奥深くに封印されている彼女を、心から憐れんでいる。だが本能は恐怖を知ってしまった。以来、女という女が恐ろしく、そして性交渉に嫌悪を覚え、人に触れられる事に怯えている。根気よくカウンセリングを受けた結果、少々緩和はされたが、完治はしない。だから元親は、元就とさえ、まともに触れあってもいない。元就はそれについてなにも言わないが、元親は正直不安だった。
元親は人が苦手だったが、それでも寂しいと思う心が有った。ただ持ち前の明るさが災いして、軽い人間に見られ、付き合った人間は殆どがすぐに性交渉を求めた。だから全く求めない元就と一緒に居る事がとても心地良い。だが元就はそれで満足なのだろうか、と考えると落ち着かない。そのうちそれを理由に捨てられるのではないか、と思う。元親はそれぐらい元就の存在を気に入っていた。一緒に暮らし、一緒に食事を摂り、時々TVを見てくつろぎあうその存在が好きだった。
だのに、キスの一つさえ、怖くてできない。
元就はやはり特に会話もしない。ただ黙々と朝食を摂る。元親が時々話しかけると、それに答えるばかりで、元就からは話したりしない。元親はそれも時々不安になる。もしかして、自分もまた、元就に利用されているだけなのではないか、と思わなくもない。逆に、元就を利用しているだけなのではないかとも、考える。元親にはそれを問う勇気も無かった。
+++
ここまで。
アニキは小学校の教師。アニキが暗い設定だとどうも書くのが難しい。
元就は昼間働いているらしく、夜9時にはグッスリ寝ている。爺かよ、と元親は思っていて、ずっとその職が気になっていた。
ある日アニキが街中をぶらぶらしていると、出勤中と思わしき元就を見つける。尾行して見ると、なんと元就は昼間っからSMクラブへ。
え、ええええ!? と思って中に入ると、オーナーの明智さんが「いらっしゃいませ」で、いや客じゃなくてとオロオロ。
そこはどういう店なのかと聞くと、昼間に情事を行いたい人のための店ですよ、と答え。夜に出かけられない人の為に有るらしい。
元就が何をしているのかと聞くと、「彼は当店ナンバー1の女王様ですよ、気前良くマゾを叩いて犯す、評判のいい方です」と。
元親大いにショック。しょんぼりして帰宅した頃には、元就も帰宅していて、少しも疲れた様子ではなくて、コイツ今日も誰かと……と思うとげんなりしてくる。けどとりあえず探りを入れる。
「なんかずっとごめんな、エッチできなくて」と言うと、「そなたがしたくないのなら、しなくてもいい」と素っ気ない答え。「でも」と言うと「したいならすればいいし、したくないならしなければいい。自信を持て」と妙な返事。「今すぐしたいと思わないなら、それはしたくないという事なのだ。義理に縛られる事は無い」だとか。
しばらくして、「どんな仕事してんだ?」と聞くと「……肉体労働」との答え。「土建屋とかか? 似合わないな」とトボけておくと、「疲れないと、眠れないのだ」との答え。
眠れない理由を聞くと、若い頃に、兄が実家に放火をしたとか。自分は寝ていて何も気づかなかった。眼が覚めたら煙がいっぱいで。父が火の中から現れて、自分を抱きしめて家の外まで運んでくれた。父は、母を探すと言って家に駆け戻り、そして生き残ったのは自分だけになったとの事。
以来、眠っている間に大事な物が損なわれる恐怖から、ずっと不眠だとか。そなたとの生活が壊れないかと思うと、とても眠れないとか。だから働いているとか。
このへんまで考えてこいつらの行きつく先がセックスレス夫婦以外の何物でも無い気がしたので、終了しました。
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