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めでぃのくの日記
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2007-05-14 (Mon)
 更新間に合わず申し訳ないので、代わりと言ってはなんですが、ボツ文を……
 活字の没コーナーにある「わこさま」です。
 サイト開設前、つまりきつねびよりとかhimewakoとかと同時期に書き始めたので、色々とおかしいです。ショタいです。
 続きを忘れてしまってどうにもこうにもなりません。
 興味ございましたら、どうぞ。

「な、なんだ貴様は! いつの間にこのような所へ……計算していないぞ!?」
 厳島の春。屋敷の庭で日輪の日差しを浴び、良い気分に浸っていた元就は、ふと日が翳った事に気付いて目を開き。
 そして。
「タクティシャーン、久しぶりネー!」
 巨大な南蛮人が目の前に居る事に、心底驚いた。
「き、貴様、性懲りも無く……先日、我が散々に懲らしめたというのに! 第一、何故ここに来れた!」
 元就は思わず逃げようと後ずさるが、ザビーは笑顔を浮かべて、ズズイと近寄って来る。
「アナタの、愛の無さニ、ワタシ、悲しくなりマシター」
「よ、余計なお世話だ!」
「ワタシ、アナタに、愛、教えに来たネー」
「要らぬ! 先日、置いていきおった本なら読んだぞ! もう充分であろう」
 一応読んでいるあたり、元就の律儀な性格を窺わせる。
「まだまだネー。アナタには、愛される経験が足りないヨー」
「……っ、だ、黙れ!」
「ソレを、教えに来たネー。ダイジョウブ、準備は整ってるヨー」
「だ、誰か、誰ぞ出あえ! この者を……っ」
 元就が叫んだが、時既に遅し。
 元就が屋敷に向かって顔を背けた隙に、ザビーは
「タクティシャーン、愛を知るネー!」
 と高々に言い。
「!」
 元就はザビー渾身の一撃を食らって、庭に崩れ落ちた。


 わこさま


「父上! どうなさいました!?」
「元就様ー!」
 叫び声に気付き、隆元が部下と共に庭に出る。が、元就の姿は無い。
「ち、父上、父上……………………?」
 庭を捜していると、ポテン、と、小さな塊が落ちていた。緑の。
「…………」
「……あの、隆元様……あれ……元就様の……」
「……」
 着物が落ちている。
 しかも少しばかり、塊が有る。
「……まさか」
 隆元は恐る恐るソレに近寄り、そっと着物を持ち上げてみた。
「……」
 子供が、着物の中に入っていた。
「わーーー!」
「うわーーーー!!」
 子供が叫ぶ。つられて隆元も叫んだ。思わず手を離すと、子供は着物をギュッと握りこんで、じっと隆元を見る。
「……ええと」
 隆元は部下を見て、部下が頷くのを見ると、子供に尋ねた。
「君は……誰だい?」
 すると、子供は声高に返した。
「我は、松寿丸! 毛利家の次男だ!」
「……松寿丸」
 隆元はしばらく悩みに悩んで。
「……ちっ、父上!?」
 と叫んだ。松寿丸は、「お前のような大きな男の父親になんか、なれるものか!」と叫ぶ。
「突然このような所に来てしまった……父上は、兄上は何処だ? お前は誰だ。我の着物は何処だ?」
「ち、父上、お気を確かに……今は、今は父上は……おいくつであられますか」
「お前の父では無いというのに。お前は病気か? 我は今年で、10になったぞ」
「……父上……お、落ち着いて下さい。父上は、間違いなく、我らの父上で……毛利元就といい、我らが毛利家の長でありまする」
「……? 我はまだ元服しておらぬ。人違いではないか?」
「いえ、そのう、父上……とりあえず、説明しますけど……」
 一体なんで、こんな事になったのだろう?
 隆元が首を傾げていると、遠くから元春が走って来た。
「兄上、大変だ! 海賊が攻めて来た!」
「何? こんな時に……」
「……あれ? 兄上、その子供は?」
 元春が指差して尋ねると、隆元は青い顔で答えた。
「我等が総大将、毛利元就だ」


「我が、この国の、長? 我の父上や、兄上ではなくて?」
 戦装束を身に着けさせられながら、松寿丸は問う。すると、側で心配そうに見ている隆元が頷く。
「さようにございます。何故、父上がお若返りあそばしたのかは不明ですが……。父上は、紛れもなく我らの父上。総大将として、戦に出て頂かねば、士気に関わります」
「いくさ? ……我に、戦に出よと申すのか?!」
 松寿丸は兜を頭に乗せられながら、困惑する。
 当然だ。元服前の子供に、刀を取れというのだから。それも、総大将として。恐れもあるだろう。
 元春が静かに、机の上に地図を広げながら言う。
「ご安心下さい、父上。幸いにも厳島防衛戦は、南蛮人を相手にやった事が有ります。前回と同じようにすればよいのです」
「どうすればよいのだ?」
「父上は、大将として、深部に控えていただきます。敵が父上の側まで来た時に、父上には船に逃げて頂く。後は我々と、伏兵部隊が、何とかしますゆえ」
「危ないのか?」
「我らがお守りしますが……いざという時のために、こちらをお持ち下さいませ」
 父上が愛用なされていた、輪刀にございます。隆景が輪刀を持ち、松寿丸に渡す。
「おっ、重い、重いぞ、隆元とやら!」
 松寿丸は輪刀を持ち上げようとするが、重過ぎるらしく、出来ない。
「ただでさえ小柄な父上が、更に小さくなられたから……」
「ち、小さいとか、言うでない! こ、これでは戦えぬ……」
「大丈夫です。父上は、我らが皆で、お守りいたします!」
「本当か?」
 松寿丸が首を傾げる。隆元が頷き、「さぁ、父上。頑張って下さい」と言う。
「う、うむ……頼むぞ、隆元とやら……」
 と、不安そうな顔で見上げられ、隆元は思わず、
「し、信じられん程、愛らしい……」
 と呟き、
「そうですね」
「うん」
 と、兄弟の賛同を得た。

「さぁ、父上。兵達を、鼓舞して下さい」
「こぶ? どうしろと言うのだ?」
 ズーリズーリと輪刀を引きずり、地面に線を描きながら、松寿丸が尋ねる。
「皆の前に立ち、演説するのです」
「え、演説? な、何と言えば良いのだ?」
「平素ならば、……『日輪に愛されし兵達よ、戦である。皆の者、見事盤上を動いて見せよ』……といった風に、言われるかと」
「そ、そのような偉そうな事を、我が言うのか?」
「父上であれば。ですが、そうですね……『皆、精一杯戦え』ぐらいでも構いませんよ」
「うぅ、緊張してきた……」
 戦を前に、兵達が集まっている場所で、演説しなくてはならない。松寿丸はコソリと壇上の幕から顔を出してみて、驚く。見た事も無いほどの大人数が、「元就様」のお言葉を待っていた。
「む、無理だ、隆元!」
「いつも通り、頑張って下さい、父上」
「嫌だ無理だ怖い」
 父上にもこんな時期が有ったのだな、と思うと、隆元は自然と顔が綻ぶのを感じた。誰の仕業かは知らないが、少し面白い事になっている。感謝しても良いぐらいだった。戦さえなければ。
「では、隆元も共に、参りましょう」
「う、うむ」
 隆元が松寿丸の手を引いて壇上に上がると、兵達はガヤガヤと騒がしくなる。「アレ、元就様?」「元就様、いつにも増して小さっ」という声に、松寿丸は思わず、隆元の後ろに隠れた。
「皆の者! 諸事情により、父上は子供になってしまわれた。が、海賊が来たとあれば、戦をせねばならぬ。皆、力を貸して欲しい」
 隆元はそう言うと、脚に隠れていた松寿丸を、押し出す。彼は不安そうに隆元を見上げて、そして、精一杯の大声で、叫んだ。
「皆の者、が、頑張って、くれ!」
 そして逃げるように壇上から降りて行った。
 毛利軍の士気は、今までに無く上がっていた。
 兵卒曰く、「萌えな元就様をお守りするのだ!」という気持ちが沸きまくったのだそうである。

「野郎共! 行くぞ!」
「アニキー!」
 長曾我部元親は部下を引き連れて、厳島へと乗り込んだ。
 毛利元就とは以前、厳島で戦った事がある。あの時は自慢の兵器を抱えて乗り込み。一度は占拠したが、その後敗北し、奪い返された。
 命を取られるかと思ったものだが、見逃してやると言われた。聞く所によると、以前南蛮人に攻め込まれて以来、毛利軍の方針が多少変わったらしいが、詳しい事は不明だ。
 元親はその借りを返しに来たのだ。ついでに、島の財宝として、元就を連れ出しに。
「おい毛利ィ。鬼ヶ島の鬼が、テメェの氷を溶かしに来てやったぜ!」
 元親が威勢良く、敵本陣に駆け込むと。と。
「お、鬼!? たっ、隆元! 鬼が来た!」
 甲高い悲鳴が上がる。見ると、毛利元就……のような格好をした、少年が一人で立って、チラチラと物陰を見ている。手には、不釣合いに大きな輪刀。
「……毛利?」
 元親が思わず尋ねると、少年はヒッと声を上げる。
「たっ、隆元!」
「父上、もう少し我慢して下さい。ほら、さっき練習した、名乗りを決めて!」
「わ、判った……」
 大き過ぎる声の密談が行われ、少年はたどたどしくポーズを決めながら、
「きさまのじゅうりん、許さぬぞ、我は、毛利もとっ!」
 そして、くるんと回った輪刀が、勢い余って後頭部に当たった。
「あっ」
「あっ、父上!」
「……う、ぅ……」
 少年は両手で自分の頭を抱えている。輪刀など放り出してしまっていた。
「……今のは、痛かったろ……毛利」
 元親が近寄ると、少年は涙を浮かべながら「た、隆元~!」と叫ぶ。すると、船が現れた。船上から、隆元が叫ぶ。
「今です、父上、こちらに!」
「う、うむ!」
 少年はタッと駆け出し、船に向けて、ピョーンとばかりに飛び。
「あっ」
 全然飛距離が足りていなかった。






(落ちる!)
 そう思った時に、
「四縛!」
「うわーっ」
 ガバッと何処からか現れた網に捕らえられ、松寿丸は宙釣りになる。
 海に落ちずにすんだ事に安堵を覚え、相手を見ると、それは「鬼」と名乗った人物で、松寿丸は驚く。
「鬼なのに、我を助けてくれたのか?」
 松寿丸が首を傾げると、元親は一瞬笑みを浮かべてから、
「こんの、バカ!」
 と怒鳴った。
「!?」
「ガキが、錘付けて飛ぶんじゃねえ! 落ちたら溺れ死ぬトコだったぞ。オイ、毛利の長男! お前らも、こんな毛利に戦なんか、させんじゃねえ!」
 自分が攻めて来た事は棚に上げて、元親は言う。
「とにかく、毛利の。この戦は止めだ。全く、あの伴天連野郎、毛利に何を……」
「!? 父上に何が起こったのか、知っているのですか?」
「ん? ちぃとな。まぁ話の前に、休戦だ、休戦」
 そして元親は、涙目になっている松寿丸を網の中から救い出し、軽く撫でて言う。
「怒鳴って悪かった。大丈夫か?」
 松寿丸がコクンと頷くと、元親は笑んで言った。
「俺が、なんとかしてやるからな」
 その言葉に、松寿丸は何故だか、心の底から安堵した。



 続かない。すいません。

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